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地名に残る日本酒のお話

「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は地名に残る日本酒のお話についてご紹介していきます。 
このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。
日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。
ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ! 


10月1日は日本酒の日!

みなさんは10月1日が日本酒の日ということをご存知でしょうか。
なぜ10月1日が日本酒の日なのか…

・酒という字は、元来お酒をいれていた壺の形を表す象形文字が由来していること
・酒の部首である酉(とり)と、干支の十番目の酉を重ねていること
・10月が米の収穫時期にあたり、酒造りが始まる季節であったこと
・酒造年度の始まりが以前は10月1日だったこと
以上が関係しています!
〜〜日本酒の日と酒の字に関する豆知識より〜〜
※日本酒造組合中央会さんではわかりやすくまとめられていますので、ぜひこちらもご参照ください。 日本酒の日とは? | 全国一斉日本酒で乾杯! (kampai-sake.jp)

その時期は日本全国で日本酒関係のイベントが目白押しですね。
みなさんはどんなイベントに参加されたことがありますか?

”酒”のつく地名とその由来のお話

そんな日本酒ですが、「酒」という名前がついている地名が日本全国に多くあることをご存知でしょうか? 「酒」という字を使うのですから、何かしらお酒に関することがあると推測されますよね。今回は2ヶ所ご紹介いたします!

酒々井市(千葉県)

しゅしゅい、さけさけい、ではなく、「しすい」と読みます。
千葉県の北部中央に位置し、成田空港の近くになります。 画像のチーバくんで言うと“左のこめかみ“あたりです。

お酒の井戸、という文字が並ぶとおり、この町名の由来の一つと言われる、ある伝説があります。

今は昔、この地に孝行息子が住んでいた。 家は貧しく父母は年老いていたが息子は良く両親に尽くしていた。 その父親は酒好きであったので、息子は毎日働いて銭を稼いでは父親に酒を買って帰っていた。 息子は父親の満足そうでうれしそうな顔を見るのが一番の楽しみだった。 だが酒を買う銭を稼ぐのは苦労なことだった。 この地には古い井戸があった。 その日、息子は酒を買う銭がつくれず、「このまま帰れば父親の楽しみを無くしてしまう、こんな親不孝はない、どうしようか」と思案しながら家路を歩いていた。 そのとき、あの井戸から酒の香りが「ぷうん」としてきた。 息子は不思議に思いながら井戸の水を汲んでなめてみると、それは上質の酒だった。 息子は喜び、急ぎ家に帰って父親に飲ませた。 これより先、息子は無理に銭をつくらなくても、井戸から酒を汲んで飲ませるようになったという。 この話しが近隣に広まると「孝行息子の真心が天に通じたに違いない」ということになった。 後にこの井戸を「酒の井」と呼び、村も「酒々井」と呼ぶようになったという。

『印旛郡誌』 大正二(1913)年現代語訳

そんな酒々井にはいまでも酒蔵があり、「甲子(きのえね)」を醸す飯沼本家があるところです。(公式HPより引用)

飯沼本家では11月に“お酒をしぼってから24時間以内に瓶詰めし、夜通しの出荷作業を経てお届けする“という「酒々井の夜明け」という商品をリリースしています。こちらも毎年人気商品です!

酒匂川(神奈川県)

「さかわがわ」と読みます。 小田原市東部を流れる二級河川になります。

この川の名前の由来には諸説あり、

・川沿いに酒匂という集落があったため、名前をとった
・日本書紀にて「ヤマトタケル」が東征するにあたり、この川へ神酒を注いで祈ったところ、その匂いがしばらく止まらなかった/成功させて帰ってくるまで、まだお酒の匂いが残っていた とされています。

川近くには瀬戸酒造店さんがあります。
こちらは1980年に醸造を中断していましたが、2018年に再開されたところです。
「ぴいひゃら」 「かくかくしかじか」 「はるばる」 「いざ」 「月が綺麗ですね」
どれも瀬戸酒造店さんが作っているお酒の名前で、特徴的なネーミングは印象に残ること間違いなしです。 ぜひどこかで飲む機会があればお試しください。

さて、いかがだったでしょうか?
みなさんはどこか酒にまつわる地名、ご存知ですか?
地名からくる由来を調べてみると、面白い発見があって楽しいですよ。
ぜひ調べてみてくださいね。


それでは!



日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』

日本酒コミュニティ「酒小町」

20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。

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コミュニティ内にはこのnoteのように、講義の形でない日本酒の知識を唎酒師さんがゆるゆる共有してくれるコラムがあります。美味しく、楽しくをメインにしていますが、こんな風に日本酒の知識を身につけながら飲むお酒もまた格別ですよね。

今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。

酒小町制作メンバー

執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note
ディレクション:関谷サイコ(Xnote
企画:卯月りん(XInstagramnote

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