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自分に自信をなくしたときにすること

 私は自分に謎の自信を持っている。俗に言う自己肯定感が高いというやつだ。しかし別に容姿が優れているとか何らかの能力や学力が高いとかいうわけではなく、単純に自分のことが好きだから何となく自分に自信を持っているのだ。容姿や能力のような努力で身につけられることではなく、根拠のない自分への信頼が自己肯定感なのだと思う。
 Spotifyで心理学のポッドキャストを聴いたりすることがあるのだが、大体そのような感じに説明してあった。私は自分に自信がある。

 こんな私にも、致命的な欠点がある。それはおっちょこちょいなことである。
 落ち着いているときは誰よりもスムーズに冷静に振る舞えるのに、一旦慌てると早口になり頭が真っ白になり、ついにやらかしてしまう。物を落とす、食べ歩き中に手を汚す、人に危害を加える結果になった重大なおっちょこちょいもあった。
 そのたびに自分に対して不信感を抱き、こいつとはうまくやっていく自信がない……となるのである。自分とは同一のものなのに、このときばかりは自分に対して他人のふりをしたくなる。

 この間もやらかしてしまった。人に危害を加える系である。幸い相手に怪我はなく、私も落ち込む程度で済んだが、本当に自分はだめだと思った。こいつと一生やっていくのは嫌だと思った。
 悶々と考え込み、憂鬱で暗い顔になった。家族は色々に慰めてくれたが、なかなか気分は晴れなかった。

 そんなとき、どうすればいいか?
 私は人の会話を聞く。家族が何気なく話しているだけでちょっと落ち着く気がする。問題のこととは違う、自分に関係のない会話を聞くだけで、ホッとするような気がする。
 ラジオやポッドキャストもいいと思う。自室にいるときは家族の一揃いを持ち込んで会話をさせるわけにはいかないので、私はSpotifyのポッドキャストを聴いた。「星野源のオールナイトニッポン」の楽しげな声、「チャポンと行こう!」の落ち着いた女性同士の会話、先程書いた心理学のポッドキャストもよかったし、様々な国を紹介してくれるポッドキャストも集めたりした。
 人の会話は心を癒やす効果があるのである。多分そのときだけは自分の事情に向き合わなくてよくなるからだろう。

 だから、私は自分を癒すために居間に居座ったりポッドキャストを聴いたりし続けるつもりだ。声を聞かせてくれる皆さんには感謝以外の何もないのである。

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