さかたのニュースまとめ(2024年3月19日)
私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
イスラエル ガザにおける戦闘
ハマスから停戦要求
3月15日(イスラエル時間)、エルサレムポストはハマスから停戦要求があったことを報じた。
ハマスは人質取引を段階的に行うことを始め、ガザの一部地域からのイスラエル軍の撤退、さらには恒久的な停戦を望んでいる。
ラマダン期間中も続く攻撃
なお、今月上旬からイスラム教のラマダン期間が始まったが、イスラエル軍は攻撃を継続している。
同軍の爆撃によりラマダン中のガザ市民が命を落とすなど、犠牲者は増える一方だ。
前述の停戦要求だが、ハマスは合意に至らないことを前提に条件を提示したと考えている。
仮にイスラエル側が停戦に合意したとしても、合意せず攻撃を続けるとしても、ハマス側に有利だからだ。
今年のラマダン期間は来月9日までの予定だが、イスラエル軍の攻撃による犠牲者が増えるほど中東などイスラム諸国からの非難は激しさを増すであろう。
これは昨年10月7日のハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃が始まって以来、ハマスは軍事的勝利を目的としていないからである。
ハマスの“市民を盾にする”行為は許されることではないが、イスラエルにも他の宗教を尊重する行動を望む。
バイデン大統領・ネタニヤフ首相 電話会談
今月18日、アメリカのバイデン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相とで電話会談が行われた。
バイデン大統領からハマスとの停戦、人道支援に関する忠告があったと想像できるが、ネタニヤフ首相の立場は変わっていないようだ。
イスラエルは軍事行動の開始以来“ハマス壊滅”が最優先であることに変わりはない。
その過程で停戦(人質取引)や人道支援をするという姿勢は崩していないようだ。
イスラエルによる人道支援は期待できないため、アメリカ軍など他国に頼る状況が続くことが予想される。
ハマスの停戦要求に関してイスラエル側は協議しているとのことだ。
ラファ侵攻前に何らかの形で停戦できるか、犠牲者をこれ以上増やさないためには重要な焦点となるだろう。
ロシア ウクライナ侵攻
ウクライナ支援 ドイツ・フランス・ポーランドが一致
ウクライナ軍の弾薬不足が深刻な状況のなか、今月15日にベルリンでドイツ、フランス、ポーランドの3カ国のよる首脳会談が行われた。
会談では、兵器の調達と生産の拡大に取り組むことで3カ国が一致した。
アメリカの支援が縮小しているなか、ウクライナ支援を継続的に行うことは当然だが、各国が足並みを揃え負担を分散する狙いもあると見ている。
また、ヨーロッパで凍結しているロシアの資産から得られる利益をウクライナ支援にあてる考えも示している。
注目が集まったであろうドイツの長距離巡航ミサイル“タウルス”の供与について、ショルツ首相は言及しなかった。
ウクライナ支援に積極的なマクロン大統領からプッシュされた可能性は考えられるが、この会談で進展することはなかった。
しかし、すでに供与されているイギリスの“ストームシャドウ”とフランスの“スカルプ”と比較すると射程が倍であることが一つの懸念となっているのだろう。
今後ショルツ首相がどういった判断を下すのかに注目したい。
エストニア首相 プーチン大統領は「恐れている」と発言
エストニアのカラス首相はBBCに対し、「ロシアのプーチン大統領はNATOとの戦争を恐れている」と発言した。
ロシアの隣国であるエストニアはロシアがバルト海にアクセスする上で、三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の中で最も“邪魔な存在”であることは確かである。
それだけの危機感を持っていることは理解しなければならないだろう。
しかし、この「恐れている」という挑発ともとれる発言は不要ではなかったのか、疑問の念を抱いている。
マクロン大統領 「パリ五輪中の停戦要請」を表明
今年の7月26日にパリ五輪が開催されるが、フランスのマクロン大統領はウクライナのテレビで放映されたインタビューで「パリ五輪期間中の停戦をロシアに要請する」と表明した。
たしかに平和的なメッセージなのであろう。
しかし、もしロシアが停戦を受け入れた場合どうだろうか。
五輪後も“ロシア側から”停戦継続を望んだ場合はウクライナにとっては非常に不利な状況に立たされると考えられる。
国際社会が停戦継続を支持する可能性もあるからだ。
そうなった場合、ウクライナ側から戦闘再開する決断はシビアなものになるだろう。
停戦後は“ロシアに有利な”条件となることは明白である。
穿った考えかもしれないが、ロシアはそこまで甘くないと考えた方が良いだろう。
プーチン大統領 ロシア大統領選で圧倒的勝利
今月15日から17日にかけてロシア大統領選が行われ、プーチン大統領が得票率87%の圧倒的勝利を収めた。
ロシア各地で抗議活動や選挙妨害が行われるなど、一部の国民の反発もある中での大統領選となった。
大統領選後、各国からも非難の声が上がった。
ロシアメディアのロシア・トゥデイでは、出演する弁護士が「私はオープンで安全な選挙プロセスを見ました」と発言する一幕があった。
公正な選挙であれば不要なパフォーマンスではあるが、ロシアらしいと言えばそうなのだろう。
この大統領選の勝利によりプーチン大統領の5選が決定し、任期は6年間であり2030年まで大統領を務めることになる。
これまでプーチン大統領は、2000年に大統領に就任、2008年から2012年に首相、2012年からは再び大統領となり24年間もロシアの権力を握っている。
2030年を迎えることになれば30年間となり、スターリンの29年間を超える。
ロシアは2022年からウクライナ侵攻を続けるなか、昨年はいわゆる“プリゴジンの乱”もあった。
今回の大統領選での国民の反発も見られたことから、今後プーチン大統領がどのように国内を抑え込み統治していくのか、世界中が注目するだろう。
Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social
©️さかた拓郎
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