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打ち上げる海岸

打ち上げる海岸

坂本

藍色の水際を歩いてます
ポツリポツリ、足取り重く
水際のままあなたにご挨拶します
暗がりの中藍色に浸かる
もぬけの殻としての美しさ保って
どことなく窓の外見るあなた
譲り渡してくれそうにない胸の内
宝石の眼差しとして返します

荒れていようが、なかろうが
水しぶきの先端、白いはずなのに
暗がりの中、見えるわけなくて

水平線に浸るんだ
同じ色、温度、感触、成功体験にするから
根絶やしにされたあなただって
あたしと一緒に居ればありのまま
すっとぼけんなよ、あたしの前では
ご法度だとも契り交わして

水色の砂浜に腰掛けます
ヒラリヒラリ、髪なびかせて
地に平行なあなたに打ち明けます
潮風が向かい風、自然の声さえ
混同しない姿勢があなたの気がして
敢えての視線、空になるあなた
雰囲気のパレットに光見たあたしは
眼から唇にかけて差し出すの

水平線に跳んだんだ
同じ距離、深さ、ずぶ濡れ、メモリー満タンにするから
見限られた世界、あたしだって
あなたと一緒にいれば自分色
気づいちゃったよ、浮いている今
漕ぐ足が絡まったんだから

浸かったまま見た雲の段々畑
雨降りの心配なんて考えらんない
顔出すお日様
案じていない輝きだから

水平線が捕まえた
同じ肩、袖、襟元、現実の枠、はみ出すから
マイナス的思考、あたし達はもう
始まる前に終わる等身大
手繰り寄せるよ、届かないから
差し出した唇、合わせるの

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