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草の毛先

草の毛先

坂本

ゆらゆらとゆらりゆらり
毛先から根本へと揺らめいて伝染していく
日常の景色見飽きたと思っていたけど
ふと都会チックな視点が芽生えたり
歩けど歩けど同じに贅沢虚しさ相まって
行先ゆくよ
向かい風ではないのに
坂道は向かい風になるんだ
背中膨らんで嬉しまぎれのおしくらまんじゅう
髪なびかせてオールバック
そこには自我なんか感じなくて
少しでも続くこと願って

陽の光を大切にしたい
ちょっぴり風に揺れる木々と共に
川も海も森も砂利道も
全部、全部、全部
キラキラ光れ、キラキラ光れ
研ぎ澄ましておくれよ
おくれよ、おくれ

ふわふわとふわりふわり
思い出から想い出へと透明どうしで重なっていく
屋上に腰かけながらオレンジジュース
距離も近すぎるくらい近くて
苦し紛れのピースだって心地が良くって
懐かしくなるよ
今は隣ではないのに
鼓膜震わすあの風聴いたら
散らかる髪に未来永劫の空想妄想
笑い声達シャットアウト
あの日あの場所は今も尚
切り取ったままにしておいてよ

風の笑い声を誇りたい
木漏れ日を気分良く横切るみたいに
光も風も空も雲も
みんな、みんな、みんな
ハラハラ踊れ、ハラハラ踊れ
呼び覚ましておくれよ
おくれよ、おくれ

いつしか自我ばっかりになって
変わりたいって言って笑って

陽の光を取り戻したい
さっぱりしすぎた体温放り投げて
春も夏も秋も冬も
いっそ、いっそ、いっそ
ギラギラ尖れ、ギラギラ尖れ
誇らしておくれよ
おくれよ、おくれ


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