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台無しなのにおいしいクロワッサンパニーニ

都バスにのって渋谷最初のバス停が「渋谷区役所前」公園通りを登り切ったところにあって、目の前にタワーマンション。その一階に「ゼブラコーヒー&クロワッサン」ってカフェがある。

朝からやってて朝ごはん。
入り口脇にノルディックな丸いテーブル。ルイスポールセンのペンダント。庭に面したカウンター席と吹き抜けを眺めるカウンターが設られた小さなホール。

階段トントン上がったところにキッチンがあり、そこにもテーブル、カウンター。セルフサービスだからできる自由な客席レイアウト。

座る場所で景色やムードが変わっていくのが面白い。
朝は静かでほぼ貸切状態。のんびり過ごす。
クロワッサンやペストリーが多彩に揃う。クロワッサンパニーニっていうのがあって、それとカフェラテたのんでキッチン前のテーブルにつく。シェフズテーブルみたいな場所で、料理ができるのをワクワクしながらちょっと待つ。

渋谷系女子とでもいいますか…、装い、お化粧、ヘアスタイルとすべてがキレイに整ったスタッフがキビキビ仕事をする様は見ているだけで心地よい。3分ほどで料理が完成。
大きなカップにたっぷりのラテ。

クロワッサンパニーニの具材はツナのバジルあえ。ツナとバジルが温められた匂いってアメリカのフィッシュマーケットを思い出させる。ほんのちょっとだけ生臭くってけれどそれが不快じゃないのね。食欲さそう。
包み込んだ紙を剥がすとぺちゃんこになって真っ二つにされたクロワッサンが寝転がってる。この台無し感がなんとも不思議においしげでニッコリしちゃう。

クロワッサンにツナのバジルあえと崩したゆで卵を挟んでプレスグリルで押し潰しながら焼いている。
大久保界隈では「クルンジ」っていう押し潰して焼いたクロワッサンを流行らせようって企みがある。

そこまでぺちゃんこじゃないけれど、フワサク感をたのしむクロワッサンを潰すことで別の食べ物にしつらえるという考え方は同じ。
そしてそれが案外おいしい。
潰れているけど空気の層は残っててサクサクパラパラ生地が散らかる感じはまるでミルフィーユ。

たっぷり含んだバターが焼けてザクザク感が一層強くなっているから歯触りもよい。
ひと口分の情報量が多くなってて食べ応えがあるのもたのしくこれはこれでありじゃないか…、って感心します。紙をすっかり剥がして食べるとお皿に散らかる生地の様子がにぎやかで、クロワッサンを征服しているって感じにワクワクしちゃう。

クロワッサンを食べ終えると生地のかけらが山ほどの残る。それをお茶請けにしてカフェオレを飲むというのもまた乙なもの。
ふっくらとした泡は上等。エスプレッソの自然な甘みとやさしい酸味がミルクの風味をひきしめる。お腹がやさしくあったまっていくのもうれしい。オゴチソウ。
クロワッサンの部を食べ終えて、せっかくだから場所を変えてカフェラテを飲む。

まず吹き抜けを眺めながらしばらくぼんやり。

そしたら頭にポワンとアイディアが降りてきて本格的に仕事をしようと庭に向かったカウンター席に移ってしばらく書き仕事。こういうオフィスがあるといいな…、って思ったりする。心地よい。


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