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フォーシーズンに来たら〆にターレット

昨夜、ベッドの中で「フォーシーズン」の和風スパゲティを食べたいなぁ…、って思った。
起きてもまだそのことが頭の中に居座って、バスに揺られて築地まで来た。今日の皇居もうつくしく築地の町は外人だらけ。
お店に入って和風スパゲティを注文してお水をゴクリ。

桜田淳子の「一七の夏」が流れてた。ボクがたしか高校に入った年の曲。流行った頃はいい曲だなんて思わなかったけど、今になってみれば当時のことを思い出せて感慨深い。
1970年代って日本の歌謡曲の黄金期だなぁ…、ってしみじみ思う。新しい人、新しいコトが次々生まれてそれが消費され尽くすのでなく次の時代にしっかり何かを残してつながったそういう時代。ユーミンがそんな時代の象徴のひとつだったなぁ…、って思っていたら「卒業写真」が流れてきた。

ボクは松山の高校を2年の途中で転校した。
卒業アルバムはもらえなかった。
でも最後の日に、クラスのみんなが卒業写真を歌ってくれたのネ。
ボクのように卒業せずに終わった人たちのためにと、入学30周年記念イベントをしてくれたりしてネ。
今でもそのときの友人たちとの付き合いはある。
ありがたい。

サラダをムシャムシャ。それにしてもここのサラダは千切りのにんじんがいつも空に向かって手を伸ばしているように見えるのが切なくステキ。
ずっと厨房の中ではガコンガコンと鍋が五徳を打ち付ける音。麺や具材が焼ける音においしい香りがやってきて、サラダを食べ終わるタイミングでスパゲティがやってくる。

大葉がたっぷり、まるでスパゲティの上に芝生が生えたかのような姿が独特。焦げた醤油の香りに混じって大葉のさわやかな香りがふわっと立ち上がる。

麺はこんがり焼かれててところどころが焦げている。水分を吐き出した麺はかわいてゴツゴツ奥歯を叩く不思議な食感。硬くて、歯切れて粘らず散らかる感じがオキニイリ。

大葉に混じって切り海苔たっぷり。ソーセージに玉ねぎ、ピーマン、椎茸と具材がどれもしっかり焼かれて香ばしく、マッシュルームじゃなくて椎茸というところが焼きそば的で和風な感じ。オモシロイ。

スパゲティって最後に具材が残っちゃうんだよなぁ…、なんて思いながら食べ進めてたら「表参道軟派ストリート」が流れてきました。水谷豊の臭い演技はこの昔から相棒の今に至るまで揺るぎないものなんだなぁ…、って苦笑いして席を立つ。


フォーシーズンの和風スパゲティを食べたら「ターレットコーヒー」のマキアートというのがもう定番の組み合わせ。

一時期インバウンドさんですごく混雑していたけれど、今日はちょっと落ち着いていた。それでも5人近く待っていたかなぁ…、ひとりでやってらっしゃるから受けた注文を作り終わってから次の注文を聞いてくれる。コーヒーの香りに包まれながらのんびり待つのも気分転換。悪くない。

ぽってりとしたスムーズな喉越し。深煎りの豆を使っているのでしょう…、酸味はやさしくどっしりとした苦味があって自然な甘みが口に広がる。口から甘い香りが溢れて鼻から抜けていくのにウットリしちゃう。

ハンドルのないグラスに入っているから指が最初に温度をたのしみ、唇あっためグラスについた泡の名残を目でも味わう。オキニイリです、おゴチソウ。


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