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南国酒家で新春寿ぐおゴチソウ

新宿伊勢丹は昨日、初売り。それに合わせて来てみようかと思ったけれど混雑を避け一日ずらす。それでもスゴい人出です。
昼を「純中華南国酒家」でとることにする。

好きな料理がありまして…、中華八寸とあんかけやきそば、小籠包がつく定食。それで新春寿ぐ趣向。

まず八寸。お盆の上に料理が8種。

中央に蒸しエビ。中国風のコーンスープに揚げ鶏団子の甘酢かけ。芥子醤油あえのクラゲに、蒸し鮑、かにをあしらったフカヒレのにこごり、ホタテチリソースに胡桃の蜜煮でひとそろえ。
中華おせちのような感じにニッコリします。
料理は丁寧。小さな料理にも手を抜かない。料理ひとつ一つの味がしっかりしているのは当然のこと例えば蒸した鮑の下には茹でた豆苗があしらわれていたりエビは胴の体だけ剥いて食べやすいようにしてくれている。
目にうつくしく気配りのあるやさしい料理。ありがたい。
お店はにぎやか。館の中がそもそもにぎやかで、それを見越して厨房の中の人員配置も充実させているのでしょう。
八寸を3つ食べたところでメインの焼きそばがきた。

焼きそばは何種類か用意されていて、野菜たっぷりあんかけ焼きそばを選んでたのんだ。
料理の名前の通りに野菜たっぷり。
麺の上をすっかり覆って、あんが艶やか、色っぽい。
白菜、にんじん、ネギに小松菜、紅芯大根。ベイビーコーンや数種類のキノコが混じってとてもにぎやか。
にぎやかな見た目以上に食感にぎやか。シャキシャキもありコツコツもあり、ザクザクだったりムチムチだったり、ひと口ひと噛みごとにハッとする。

細い中華麺を蒸してこんがり焼き上げている。ところどころに焦げ目がついて、油で揚がったようになったところもあったりもして野菜と同じく麺の食感もにぎやかでよい。
餡は塩味。スープの味や風味がしっかりしていて麺にからんで口を潤す、オゴチソウ。

お酢をかけると餡の甘みがひきたってくる。餡そのものが素直で主張しすぎないからほんのちょっとのお酢が味を劇的に変え、野菜の持ち味を引き出すことにウットリします。
そして小籠包がやってくる。

調理人がたくさんいても蒸して仕上げる料理は時間が短縮できるわけじゃないから時間がかかるのもしょうがない。できたての熱々をフウフウしながら口に含んで、スーハー息を吐いたり吸ったりしながら食べる。
クチュッと潰れてジュワッとおいしい肉汁が口を潤しお腹の中をあっためる。
胡桃の蜜煮を食べようか、どうしようか迷いながら料理を食べる。

タナカくんはこれで紹興酒を飲むのが大好きだった。蜜がかたまり胡桃を包み、噛むとカリッと壊れてちらかる食感。甘くてしょっぱく口の中でとろける感じが好きだったのネ。
食べたいよぉ…、って声が聞こえて持って帰ることにする。


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