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外食産業の人たちとゆくゴキゲンなアメリカ②

ハワイの業界視察の参加者はほとんどが外食企業の社員でした。
視察先もファストフードやファミリーレストランのようなチェーンストアが中心で、店舗の運営の仕方やお客さまとの接し方を勉強するのが中心になる。
いわば視察の入門編のような位置付け。

日本の外食産業の人たちにとってアメリカをお手本にしたい理由はふたつ。
ひとつは先に挙げたマネジメントやホスピタリティを勉強したいというもの。
ただマネジメントに関してはおそらくすでに日本の方が進んでしまったところもあって、もっぱら日本人が苦手といわれるホスピリティを経験したいというのが今で大きな理由になっている。
そしてもうひとつが日本にないコンセプトを発見したいというニーズ。

郊外型の店舗ならばカリフォルニア、都市型店舗はニューヨークってことになります。
だから経営者や経営幹部はこぞってアメリカ本土を目指した。
特にロサンゼルスを中心とした南カリフォルニアは視察のメッカで、1990年代にはその地域の大型ショッピングセンターに行くと何組もの視察団と鉢合わせをすることすらあった。

中にはアメリカの人気の店を丸ごとパクってやれとガツガツした視察団もいて、彼らは大抵建築家や設計士を連れてくる。
お店の写真を撮るだけじゃなく、メジャーをもって採寸したり厨房の中までズケズケ入って行ったり傍若無人。
彼らのせいでアポイントメントをとってたお店から急遽NGが出たりすることも1度や2度じゃきかなかった。
どんなに採寸したところで、カリフォルニアのサイズの土地にアメリカ人のサイズの店ができてるわけで、それを日本に移したところでいい店になる試しはないのだけれど、真似するときは徹底的にというチェーンストア理論の呪縛でそういうことをしちゃうんでしょう。

ボクらの考えはこうでした。
真似る前にその背景を勉強しよう。
外食のコンセプトはクリエーターの頭が作るものじゃない。
そこに住んでいる人たちの生活の中から生まれていくもの…、だから生活者と同じ体験をしてみましょう。
そこでみんないろんな経験をしていきます。
失敗もあり発見もあり。例えばこんなことがありました。


レジデンスインバイマリオットが定宿のひとつでした

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