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【ハノイ】 ベトナムその5 戦争の歴史と、地元スーパー

 ベトナム滞在、最終日。
 三泊四日は、やっぱり短すぎた。

 K美さんはあまり食欲がないようで、コンビニで調達しておいたポカリだけで済ました。
 わたしはふらりと外へ出て、すぐ近所にあった軽食屋さんへ。
 現金は最低限でよかろう、と1万円しか両替していなかったので、財布の中身がわびしい。
 看板をみると〔バイン・ミー〕というのが、どうにかギリ買えそうなお値段。

軽食屋さん

 バイン・ミーは、わかりやすく例えるなら、SUBWAYのサンドイッチ的な食べ物だ。
 切れ目を入れたパンへ、マーガリンをたっぷり塗って、焼き豚、漬物、パクチー、きゅうりなどを詰め込んである。
 かじってみると、マーガリンの主張が想像より強くて美味しい。
 こういうのは、分厚く塗ってくれているのが、わたしには嬉しい。

バイン・ミー

 12時。
 ホテルをチェックアウトすると、タクシーを呼んでもらって、一路、Yさんのお家へ。
 帰国のフライトは23時なので、それまで荷物を置かせてもらおう、という魂胆。

 前日の、超突貫強引日帰りダナン旅行の疲れが残っているようで、K美さんはYさん家でのんびり休息を取ることに。
 そりゃ、遠い場所へ日帰りってだけじゃなく、とても暑かったし、アップダウンの激しい場所へ行ったしね。

 わたしはYさんと、ぶらり〔ベトナム軍事歴史博物館〕へ。
 ベトナムは戦火にさらされてきた歴史を持つ。
 だから、こういう場所をめぐるのは、他のどの観光地より有意義だと考えて。

ベトナム軍事歴史博物館

 展示物をながめると、古代からずっと隣国に脅かされてきた歴史を辿ってきたのが、よくわかる。
 日本語はないので、英語の説明文を読むしかなかったけど。

 わたしは、唐の時代が大好きだけど、その唐からも虐げられてきて、野蛮人あつかいされて、忍耐の限界に達しては反乱をおこし、不条理にも鎮圧され……。
「いつの日か、唐の圧政に立ち向かうベトナムの物語も、書いてみたいなあ……」

 当然、ベトナム戦争に関する展示が、いちばん豊富。
 それらも丹念に眺め、解説文を目で追う。

軍事歴史博物館の建物

 建物から出ると、ででーんとフラッグタワー(国旗党)がそびえ立っている。
 煉瓦造りの塔で、歴史の重みを感じさせてくれるその場所へ、急な階段から登ってみる。
 旧ハノイ城の、城壁の一部だったらしい。

どちらかというと、ラプンツェルが塔のてっぺんから髪を垂らさないかなー、て連想した

 その麓には、古びた大砲が、ずらりと並んでいる。
 その口には、蝋のようなものが詰めてある。
 前に、北京の軍事博物館へ行ってみた時も、こんなふうに砲身には詰め物をしてあったっけ。

ずらりと並ぶ砲身たち

 もう少し奥へゆくと、異様なモニュメントがそそり立っていた。
 かつてのベトナム戦争にて、ベトナム軍が撃ち落としたアメリカ軍の戦闘機の残骸を組み合わせたオブジェだ。
 戦争の無残さが、よく伝わってくる。
「いつの日か、世界中すべての兵器が、こんなふうにスクラップにならなきゃいけないよね……」
 ため息とともに、そんな感慨をいだいたりもする。

軍事博物館を最も象徴するモニュメント

 ◯

 ところで、おみやげをまだ買ってない!
 一度、Yさん家へもどると、マップのアプリで検索して、てくてくとスーパーへ行ってみた。
 ベトナムコーヒーを、たんまり買おうという魂胆。
 おみやげは、もうね、これだけで済ませる!

ベトナムコーヒーだけど、なんでヘリ?

 中国を放浪していた頃も、新しい場所へたどり着くたびに、地元のスーパーを見にゆくのが好きだったっけ。
 ものの値段の基準値を把握できるし。

 Yさんが住む地域は、外国人が多い。
 当然、日本人も多いので、スーパーへ飛び込んでみると、日本語で書かれた日本製品も置いてあったりもする。
 面白いので、スマホを構えて、撮りたそうにしていたら、店員さんがにっこり、ベトナム語で何か言ってくれた。
 おそるおそる撮影してみると、その店員さん、グッと親指を突き立て、爽やかに品出し作業の続きへもどった。

 ベトナム人、親切で笑顔が素敵。

生鮮食品の棚。赤みそや信州みそまであるし
調味料の棚には、しょうゆ、みりん、焼肉のタレまで!
ラーメンやうどんのスープまである

 つづく

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