【新宿】上海小吃 ガチ中のガチ中華と、NEO作家4人娘参上!
歌舞伎町の表通りから、細い裏路地を通ったその先にある、ガチ中のガチ中華。
「龍が如くに、こんな風景あったよなー」
通常なら、まず自分から入ろうとは思わない、危険な雰囲気。
その裏路地の先に〔上海小吃〕がある。
◯
文芸社文庫NEOという、10代20代向けのライト文芸のレーベルがありまして。
そのNEO作家さん仲間4人で、
「今度あつまろうよ!」
となりまして。
・位ノ花薫さん……コミカルでキュンときてミステリ要素のある、ひと夏の物語『幽霊とペリドット』
・風祭千さん……不協和音を経て、フェスへ向けて友情を調律してゆく爽やかな青春物語『チューニング!』
・月森乙さん……深刻な悩みをかかえながらも、秘密のお弁当を介してきずなを育むキュンな物語『弁当男子の白石くん』
……短く魅力を伝えるのってむずかしいけど、どれも推せる作品ばかり!
もちろんNEO文庫はこれだけじゃなく、もっとたくさんの魅力的な作品だらけ。
その中でも、特に仲良くなった4人で集まり、さてどこへ行こうかと悩み……、
「カフェでおしゃべりしまくって、夕食に上海小吃へ!」
という、交流重視のスケジュールに決まったのだ。
位ノ花薫さんはイメージ通りに優しくふんわりしていて、かと思うと毒が潜んでいて、油断すると「ぎゃあ!」と刺されちゃう。
風祭千さんは、青森で純朴な感じなのかなー、と思っていたら、ご本人は超絶クールビューティー!
月森乙さんは、SNSと同じく姉御肌で、周囲を引っ張っていって慕われる人柄!
◯
17時30分。
上海小吃が開店する時刻。
月森さんは以前ここを訪れたことがあるし、そもそもこのお店を紹介してくれたのは月森さん。
どのくらいガチ中華というと、かつては中国語しか通じなかったのはもちろん、どう考えても日本人が食べようとは思わない『豚の脳みそ』なんてメニューまで、しっかり揃っているほど。
不穏な感じのする細い路地を奥へ。
右へまがると現れる、ごてごてのカオスに彩られた店構え。
ためらうことなく引き戸を開けると、店員さんには普通に日本語が通じて、4名さま、奥へと案内してくれた。
まずは、自動的に香菜(しゃんつぁい:パクチー)が出てくる。
何を注文するかは、経験者である月森さんの判断に従うことに。
一発目は、香菜拌干絲(豆腐の細切り)。
しっかり歯応えのある豆腐を、麺にしたような感じで、最初に出てきた香菜をそえると、とても風味ゆたかな前菜に。
と同時に、銀絲巻(揚げパン)も頼んでおく。
外側はカリッとしているけれど、中はとてつもなくフワッとしていて、かつ、何度も細く練って伸ばした痕跡がある。
「上海なら、小籠包は外せないっしょ」
なにしろ本場なので。
わたしが中国で食べた時も、そりゃ各地に小籠包は存在したけれど、上海で食べたそれは、まったく次元が違っていた。
もっちりした皮を破らないよう、細心の注意をはらいつつタレをつけ、まるっと口の中へ。
噛むと、旨味たっぷりのツユがぴゅっとほとばしる。
満を辞して登場なのが、炒蟹(蟹の炒めもの)。
月森さんイチオシの品。
ワタリガニが卵で閉じてあって、その下はツユを吸った大量の春雨が埋蔵してある。
これが出てきてからしばらくの間、4人の間にしばしの無言がながれた。
なにしろ蟹をほじくるのに忙しくて。
◯
帰りの電車時間が、近づいている。
名残惜しい。
最後までわいわい賑やかにおしゃべりしまくりながら歩く。
まず、月森さんが地下鉄へ去ってゆく。
その姿が見えなくなるまで見送り、最後に力一杯手を振る。
わたしと位ノ花さんは新宿駅へ。住んでいる県が同じなので。
ホテルにチェックインした風祭さんは、見送る側。
最後の瞬間までのぎりぎりを、一緒にすごす。
改札へ入ったわたし達2人を、風祭さんが見送ってくれる。
笑顔で手を振る。
直接会える機会はまたずっと先かもしれないけれど、SNSではまたいつものように、わいわいと楽しく絡みあえる。
この縁を作ってくださった文芸社さんに、深く感謝。
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