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能登地震発生から4ヶ月 能登 視察報告 ~求められる奥能登の人口流出を防ぐ手立て ~

私が与党の筆頭理事を務める衆議院災害対策特別委員会で、3月の新潟・富山の視察に引き続き、4月には能登半島を視察しました。
輪島市では、港、朝市跡、仮設住宅、農業・農地被害、伝統産業(輪島塗)、流出した土砂による川せき止め現場を、そして穴水町では統合避難所を視察・現場ヒアリングを行った後、石川県庁で馳知事とも意見交換をしました。

■ 未だに静かな街

既に先月の小紙でも触れましたが、罹災証明書における自宅倒壊度の判断や公費解体、インフラ整備に産業回復などの課題は、引き続き存在することを確認しました。そして、相変わらず街が静かであったのが、個人的には残念でした。
二次避難所からまだ住民が戻ってきていないことや、宿泊場所が不足して復旧作業に携わる人が全然足りていないことが、街に人が動いていない大きな要因と思われます。住宅街などの中には、未だに発災当時と風景が変わらぬ場所もあちらこちらにあり、これでは住民の生活再建がいつになるのかわからず、不安から脱却できないだろうと想像します。
それぞれが懸命に復旧作業に従事しているのがわかるだけに、それでも遅々として進まない現状に私もいらだちを覚えます。

■ 急がれる二地域居住支援

そして奥能登の被災者は未だに金沢市や小松市など石川県内を中心とした地域に二次避難を続けている人が多く、被災地と二次避難地の二カ所を拠点として生活せざるを得なくなっています。地元の方からは「被災地に思いは残しつつも、今住んでいる金沢市の行政サービスを受けるために、泣く泣く住民票を金沢に動かした人を何人も知っている」と聞かされてもいます。
一度住民票を移すと多くの人がもう戻ってこないことは、東日本大震災の経験からもわかっています。能登の被災地から住民を流出させないためには、二次避難の地で行政サービスが受けられるようにして、住民票を移動させなくても困らない環境をつくることが必要だと思います。
つまり、二地域居住支援を本格的に推進することこそが奥能登の人口流出を防ぐ手立てとなっていくと思うのです。
今まで過疎地対策などの一環で議論されてきた「関係人口(その地域に継続的に多様な形で外部から関わる人)」とは多少意味合いは異なりますが、市民・町民を関係人口として、とにかく今は住民票を通して地元につなぎ止めておくことが大事になってきています。
そして、被災地に住民が残り、生活や産業が戻り始めて落ち着いてくれば、今度は今まで議論してきた意味での関係人口を受け入れることができて、その地域の産業誕生や地域創生に活用することができると思われます。

■ 国の動き

今国会では、国土交通省がこの二地域居住を支援する法案を提出しています。これが成立し、同時に二地域間の移動の支援や住居確保の支援が行われ、そして両地域において行政サービスが受けられるようになれば、市民・町民も二地域を意識し続けることができます。
石川県の馳知事も深く理解をされているので、具体的に被災者が何を求めているかを明確に示しながら国の対応を求めていき、現実的に被災地にとってより良い結果につなげていけるように実現を目指していきたいと思います。

輪島港で漁港関係者のヒアリング。この方々は前回、さかい学が個人で現場視察をした際にもお会いし、お話を伺った
輪島駅前では仮設住宅建設工事が始まり、駅前の飲食店はフル稼働(輪島市)
全焼した輪島朝市通りを視察
輪島市の坂口市長(写真 左)と地すべりによる農業被害の現場を視察
輪島市稲船地区の地すべり
輪島塗会館にて、伝統工芸の輪島塗復興へ向け、要望書を受け取り
河原田川(熊野町)の地すべり
早期から調達されていたプライバシーを確保するためのテント。しかし、避難者の人数が多い時期は、テントを張るスペースが足りず、活用することができなかった(穴水町)
石川県庁にて、馳知事と意見交換
石川県庁にて、馳知事と意見交換
FM戸塚さんから託された、地元の品濃小学校のみなさんからのメッセージを、馳石川県知事へお渡ししました

『時報紙5月号 NO250-1』はこちらから。

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