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ホテルのレストラン

東京大手町にあるホテルのレストラン。メインは近江牛のサーロイン。サカエヤで手当てしたものだ。都内で近江牛は珍しくはない。そのなかで選ばれるには他の近江牛と違う何かが必要。シェフと二人三脚で試行錯誤しながら、チャレンジしています。

ホテルとの取引で一番厄介なのが「購買部」です。ホテルからの取引オファーの初めはシェフから連絡があります。何度かやりとりをして、この方になら肉を卸したいと僕もその気になる。ところが、いざ取引になると、購買部を通してほしいと。こうなると取引は難しい。

対シェフとの関係性で取引するのであって、購買部にお伺いたてながらでは、鮮度が劣化します。最悪は、購買部がシェフの代弁者となり、僕の返答も購買部を通じてシェフへ。こうなると伝言ゲームのようでうまく伝わらないどころか、いったい誰のために肉を手当てしているのか気持ちが入らなくなる。

購買部の必要性も分かりますよ。
https://www.jhs.ac.jp/guide/job/management/post-1.php?viewmode=pc

でもね、僕はやっぱり無理かな。
だからホテルの料理はどこで食べても同じように感じてしまう。もちろんそうじゃないところもあります。そういうところは、だいたい購買部が関与していない(僕が知る限りですが)

サカエヤが現在取引しているホテルは、3件です。シェフとの風通しもよく、わざわざレストランで食事をしたいために宿泊される方もいるとか。でもね、こういうホテルは例外なんです。だいたいは、同じ部位で同じ品質のものを要求される。だから、市場流通が多い肉を使っているところが多い。となると価格勝負になるので、納入業者は有名ホテルに納品しているというネームバリューだけで利益がとれない。

街場のレストランでは得られないサービスや料理が食べられるのもホテルの魅力ではあるのだが、、やっぱり僕はシェフと本音で取引したい。


ありがとうございます!