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料理の説明

白金の「お菓子なレストランyama」でスイーツ9種類をいただく。スイーツは、お茶とのペアリングでひとつの料理として完成する僕が好きな感じでした。果物に対する考え方、特に水分の抜き方は僕の手当てと通ずるところがあって、次回はゆっくりシェフと話してみたい。

帰りの新幹線に余裕があったので約半年ぶりに広尾のメログラーノへ。メインの和経サーロインは、僕が4割仕上げて6割は後藤シェフに仕上げてもらっている。表面はかなり乾燥して枯れていたが、余計な水分が外にでていないので、焼き上がりはしっとり。適度なサシが気持ち良いほどおいしいかった。

ジビーフのウチヒラ(左)は硬いので薄めにスライス。鹿児島の和経サーロインは少し分厚めに。このあたりのバランスは食べる方も楽しい。

さて、早く食べたいのにいつまで説明するの?って思ったことないですか。某レストランにて、とにかく一皿ごとの説明が長すぎて、後半からは説明の途中で食べ始めて、説明が終わった頃には食べ終えてるということも。

まったく説明されないのも寂しいですが、あまりにも長いとね。10秒くらいでいいんじゃないかな。食材のこだわり、料理のテーマなど、説明したいのも分かりますが、気になることがあればこっちから聞くので。個人的には鮨屋くらいがちょうどいい。

「中トロです。今日のは大間で238kgです」
みたいにね。

ただし、中東さん(草喰なかひがし)のように、食材によっては説明を聞かないと何を食べているのか分からない料理もあります。季節や日々採れる野草によって料理が変わり、我々が素通りするような摘み草の価値をお聞きすることも楽しみのひとつです。

サカエヤでは、対面接客ではなく、お客様の横について注文をお聞きするスタイルです。そのためにショーケースを通常のものより高くして、お客様の顔が半分くらいしか見えない設計にしています。こうなると一般の精肉店より接客時間が長くなります。

対面接客だと、注文をお聞きしてから会計まで5分もあれば十分だと思いますが、サカエヤの場合は、長いと30分くらいはスタッフとお客様が話し込みます。暇な時ならいいのですが、他に待たれている方がいたり、作業が遅れているときなどは困りものです。

スタッフも話の切りどころがつかめない。お客様も早く帰りたいのに話が切れない。話好きな方もいらっしゃっいますから、見極めが難しいですが、スタッフに聞くとお客様が大変お喜びのご様子でしたのでつい話し込んでしまいましたと。でもね、もしかしたらお客様は早く帰りたいの切りどころが分からなかったのかも知れないし、そのあたりは経験値が少ないうちのスタッフでは見極められないと思うのです。

たくさん失敗をして経験を積んでいくしかないですね。僕個人としては、失敗を受け止める度量はありますが、そのためには日頃の勤務態度が重要です。

サカエヤのスタッフには事あるごとに言ってるのですが、これを読んでる若い子たちも肝に銘じてほしい。社長や店長、料理長が見ているときだけ頑張ってますアピールするのではなく、見られていないときや上司がいないときこそ一生懸命やることです。

そういうところが評価対象であり、なによりも自分自身のためです。見られてないからいいやと手抜きすれば必ずバレます。仕事ぶりを見れば分かりますから誤魔化せません。仕事とはそういうものです。

ありがとうございます!