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株式会社一ノ瀬の採用サイト。久しぶりにトゥモローゲート社の実績からピックアップ。
このサイトで注目したいのはコンセプトワーク。気体・液体を制御する「バルブ」製造の会社らしく、ビジュアルからコピーワークまですべてがつながっている。といってもバルブは生活レベルではなかなかピンと来ないケースが多い。そのユーザー心理背景をすべて把握した上で、全てに魅力として言語化・ビジュアル化させて展開させている。

ビジュアルワークでいえば「回す鉄製の栓」を表すオブジェクトはもとより、大半が工場にあることからいかにも工場らしいの温度感のカラートーンを人物にまで反映している点(加えて休憩でリラックスしているシーンは明暗の対比が素晴らしい)、そしてアニメーションも。すべてが「バルブ」「制御」「それらに関わる人・工場の温度感」に直結している。

加えてそれらのビジュアルの基礎を支えたのがコピーワークだ。「制御」するバルブを売る会社が「制御できない熱がある」とストーリーを伝えることで(良い意味での)違和感から大きな興味を惹かせている。これには正直、やられた!という気分だ。
さらに「流れ」「熱」などすべて「バルブ」をハブにしてすべての言葉を紡いたことが至るところで事細かに表現されている。これぞまさにコンセプトワークの真髄。

さらに新卒の学生が見る前提で制作されたと見られる「初心者でも分かるバルブの世界」ページ。先述したようにバルブは工場見学などで見たことがある人は多いものの、生活レベルではなかなかピンと来ない人が多い。
だからこその生活者目線から事例を丁寧に説明している。しかもダラダラと長い文章ではなく、TG社が得意とするビジュアルと端的でかつ凝縮されたコピーで。文字数もちょうどよく、「長い文章を読まない」「直感で判断しやすい」傾向にある今の若者世代の動向を的確に把握している。

BtoB製造業はその業種業態の性格ゆえ、企業向けならまだしも、採用においては自社の魅力を伝えにくい傾向にあると言われて久しい。
しかし一つ一つ丁寧に紐解いて、コア商品をハブに求職者と同じ目線の高さからひとつひとつ紡いでいけばここまで完成度の高いサイトができる。株式会社一ノ瀬のサイトはまさにその好例だと思う。

個人的には「バルブを開ける」のアニメーションが面白くて思わず拍手してしまいました。



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