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「人の思考が積み上がっていく過程」は、コンテンツとして面白い。

 しのさんという人がやっているゲームブック実況動画を見ている。

 ゲームブック「ドルアーガの塔」のダンジョンを「ドラゴンクエストビルダーズ2」で作って遊ぶという企画だ。
 面白そうだったので「ドラゴンクエストビルダーズ2」を買ってしまった。(←すぐに影響を受ける)家づくりが楽しくて時間が溶けまくっている。
 ストーリーモードをクリアしたら、巨大地下ダンジョンを作りたい。

というわけで「ゲームブック・ドルアーガの塔」の実況動画を毎日見ているが、ふと「エルデンリング」の実況もしていることに気付いた。
 #22でマリケスが「ベストキャラデザ賞2022」に決定していたので、興味を惹かれて見てみた。

*以下引用部分は動画からの切り抜き。

ちょっと、色んなフェチが炸裂しているなあ。

ふうううう、カッコイイ~。
黒いのと金とのコントラストもカッコイイし、最初ダボダボの布を被っているくせに、中身めっちゃカッコイイのもカッコイイし。

 同意しかない。
 マリケスの好きなところを挙げるとキリがないが、一番の魅力はギャップ萌えだ。
「かわいそうで可愛い着ぐるみ」の中身が「『デミゴッドの運命の死』の二つ名を持つ美しく恐ろしい獣」というところがカッコ良すぎる。
 マリケス単体でもカッコいいのに、元々は失敗して落ち込んでいるボロボロの着ぐるみとして登場しているところが最高だ。
 主人であるマリカに裏切られてもなお、マリカのために戦う背景設定など萌えしかない。

これはもう厨二デザインの新たな1ページを刻むやろ。

 フロムの剣ボスは厨二感が凄い。
 アルトリウス→監視者→ゲールの系譜と見ると、剣ボスは背景設定に自己犠牲感・報われない不遇感があるところが共通している。
 マリケスはその点でも完成形だ。
 こんなに不遇な設定はなかなかない。
 趣味の合う人の語りを聞くとテンションが上がるな~。

 しのさんは声も性格も明るく喋りを聞くのも楽しいし、たまに出る(たぶん)関西弁もいい。
 ただ面白いと思う一番の理由は、思考錯誤する過程を説明してくれるところだ。

「どんなブログを読み続けるか」の記事でも書いたが、「なぜ、その人がそういう行動を取るのか(結論に至ったのか)」という思考の過程が見えるものが好きだ。
 その人特有の考え方、物の捉え方が積み上がっていって「だからこの人はこういう意見を持っているのか」と納得でき、さらにその積み上がったものから思考の形が見えてくる。
 そういう風にその人の内部に存在する思考のサイクルが見えてくる過程が面白いと感じる。
「どこかで聞いたことがある言葉だな」と感じる時は、思考の過程が見えない時が多い。
 その人が感じたことを一個一個積み上げて、たまに立ち止まって全体を眺めてまた修正して、そうしてまた一個一個積み上げていく。
 一個一個の材料は外から見ると、どこにでもありそうな石だなと思うようなものでも、積み上げ方にその人の感じ方や考え方、物の見方が出る。
 それがどういう発想で積み上げられたかを見たり、積み上がったものを「どういう考えでこういう全体図にしたか」を聞くことが何よりも面白い。

 哲学に興味を持つのも同じ理由だと思う。
 役に立ちそうだからとか世の中の理や社会の原理がわかりそうだからとか難しいからとかではなく、人が延々と考え続ける過程が単純にコンテンツとして面白い

 対象に対してトライ&エラーを繰り返す、しかもそれがまったく苦になってなさそうで、思考錯誤すること自体が楽しいと思っている。
 自分が続けて見る動画を作っている人はほぼ例外なくこういう人だった。
 性別や属性や性格などの「表向きのキャラ」には共通点がほとんどない。「表向きのキャラ」は、その人がどういう人かにほぼ関係がないのではとすら思えてくる。

 今はタイパコスパという価値観が重視されている時代だから、「合っているかどうかよりもその過程の思考錯誤を重視する」という考え方は傍流かもしれない。
 でも自分は「結論よりもそこに至る過程を聞くことが楽しい」と感じるので、そういうコンテンツを見つけて楽しみたい。

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*だいたい同じこと書いている。好みが一貫している笑

*好きすぎてひと記事書いた。


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