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『焼鮒伝説』と黒埼の歴史をお伝えします

はじめに……

『くろさき茶豆』という名前の枝豆をご存じですか?
新潟県黒埼地区(黒“崎“ではありません!)で栽培されている枝豆で、独特な香りが特徴的な品種になります。新潟県で、そして枝豆の中で初めて、夕張メロンも登録されている地域の特産品を国が保護する制度、『地理的表示(G1)保護制度』に登録されたことでさらに有名になりました。
今回黒埼生まれ黒埼育ちの筆者が紹介するのは、そんな地元が誇る名産品『くろさき茶豆』ではなく……

黒埼地区“山田”に伝わる『焼鮒伝説』についてです。

黒埼とは?

まず黒埼地区についてお話します。
黒埼は2001年の『平成の大合併』で新潟市に吸収されるまで黒埼“町“でした。筆者の実家は農業を営んでいますが、トラクターのナンバープレートが『黒埼』のままで、母が乗っている車のナンバープレートと違うことが幼い頃は不思議でした。そんな黒埼ですが、くろさき茶豆が有名になる以前から、ある特産品がありました。
それは『砂時計』です。現在は閉館してしまいましたが、県内でも屈指の規模を誇る道の駅『新潟ふるさと村』の敷地内にあった『時の旅人館』は黒埼の砂時計産業を伝える建物でした。昭和後期には生産量が全国トップとされ、多くのガラス職人がいましたが、今は黒埼の人でも砂時計の産地だったことを知らない方のほうが多いと思います。(筆者もテレビ番組を見て知りました)
そして現在、黒埼を語る上で欠かせなくなったものは、砂時計から茶豆へと移り変わりました。
茶豆については上記でもすこし触れましたので、本題に入ろうと思います。追加で書くことも、美味しいですよ!機会があればぜひ!くらいしかないので。

焼鮒伝説について

さて、黒埼のうち山田という地区には、『焼鮒伝説』という言い伝えがあります。
新潟県に伝わる『越後七不思議』……浄土真宗の宗祖とされる親鸞聖人が関わる七つの伝説があります。
そのうちのひとつが『焼鮒伝説』。地元の人にはとてもなじみが深く、筆者は小学生のころ学校の授業で伝説をよく知る方のお宅を訪ね、お話を聞いてきたことがありました。

今回、山田生まれ山田育ちの母から、改めて『焼鮒伝説』の話を聞きました。

おもてなしの席で焼いたフナを出された親鸞聖人。親鸞聖人が『浄土真宗の教えによると、このフナは生き返る』と言って、念仏を唱えながらフナを池にはなったそうです。するとフナは生き返り、ゆうゆうと泳ぎだしました。親鸞聖人は近くの榎に袈裟をかけており、『この榎を大切に育てよ』と言ったそうです。
それから600年が経ち、江戸時代。強風のせいで大切にしてきた榎を伐採しなければならなくなります。そして木を切ってみると……二つの切り株に、それぞれ『親鸞聖人』と『焼鮒』の姿が現れたのです!この切り株は長い間とあるお宅に保管されていましたが、現在はほぼ失われてしまいました。

しかしこの伝説は、代々語り継がれ、黒埼の人々の心に残り続けています。

最後に……

皆さんも語り継ぎ、受け継いでいきたい地元のことはあるのでしょうか。筆者はこの焼鮒伝説を忘れずに、誇りをもって生きていきたいと考えています。

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