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スマホ育児はだめだがメリー育児はいいのか

巷では「スマホ育児がだめだ」とか言われているらしいが、私もとうとうその実物に出会ってしまったというか、先日母親向けの自治体の講座に参加してみたところ「スマホ育児はだめです」みたいなパンフレットをもらった(しかも講座の内容とは全然関係ない)。

なぜスマホ育児がだめかというと、スマホに夢中で子どもに目を向けるのがおろそかになり危険に気づかない、とか、子どもにスマホを見せていると親と子のコミュニケーションが十分にとれず愛着が形成されず情緒面で問題が、とか、そういう感じのようだ。
前者のような状況があるなら確かに危険ではあろうけれど、子どもを前にしてそこまでスマホに夢中になる人ってあまりいない気がする。問題は、一見説得力があるようで実際にはよくわからない、後者だ。

先日、子どもがぐずった時にメリーのスイッチを入れてふと気が付いたのだけど、子どもにスマホを見せていることと、メリーを見せていること、何が違うのか?
うちのメリーは電池式で、スイッチを入れると音楽が鳴り、吊るされたおもちゃが回るようになっている。娘はメリーが動き出すと目で追って、ぐずっていたのが大人しくなったりするので、ちょっと余裕のないときによくメリーを見てもらっている。
つまり、メリーがなければ親が直接あやすところをメリーに代行してもらっているのであって、これって親と子のコミュニケーションを"阻害"しているという意味ではスマホと一緒ではないか。

しかし、メリーについて「情緒の形成が」「親子の愛着が」とか言われるのは全く聞いたことがなく、むしろ「音や色や動きが赤ちゃんの感覚を刺激して情操によい」(大意)みたいな感じで宣伝されている。
両者のあいだに何の違いがあるのか全然わからない。

結局は、新しいテクノロジーへの警戒心によるものなのだろうか。
だとすると、メリーも登場した当初は「電池で回るなんて、赤ちゃんによくない」「人の手でゆらしてこそ愛情」「赤ちゃんはお母さんが歌を歌ってあげるのが嬉しい」なんて言われていたのだろうか。
たとえばオーボール(という、赤ちゃんの定番のおもちゃ)が普及しはじめた頃には、「お母さんが遊んであげないと愛着が」「自然の素材が一番なのに」とか言われていたのか。

オチも何もないけど、うーん、考えれば考えるほどよくわからないなあ、と思う。しかし娘はメリーを見るのが楽しそうなので、楽しそうなことはこれからもどんどんやらせてあげたい。

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