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24.4月オケ練習会①:イジられているかもしれない。

近頃なかなか練習会に参加できていない。
5月本番だというのに。
4月からの練習会は、マエストロH先生の指揮となっている。だから、なるべく休みたくないのだが、仕事が優先だ。仕方がない。

そして、結局遅刻。
でも、指揮者H先生も遅刻。

粛々とブラームス交響曲第3番の練習が進む。
私の隣で弾くHさんに、途中私が逆弓になっていたことを注意される。
やはり、練習不足だ。分かっちゃいるけれど、地味に落ち込む。

1楽章と4楽章に皆が苦手とする高速パッセージがある。

「うーん、ココはねぇ…今やり込んでも時間かかるだけだから、合宿でイジメることにします。」
と、H先生。

皆、苦笑い。
今月中程に合宿があるのだ。

最後に、前プロの楽譜が渡された。
シュトラウスの皇帝円舞曲だった。

ああ、知ってる。
小学校時代の記憶はほとんどないが、確か、朝の登校時間に校内でかかってた曲だ。
朝からワルツ。どんな先生の選曲だったんだろう?

           ★

「やあ、夜さん。」

練習後、身の回りを片付けていると、帰り支度の済んだH先生に声をかけられた。

「…どうも。」
「今日はずいぶんぶっといズボン履いてるねぇ。」
H先生、陽気に話してくる。
私は男性もののワークパンツを履いていた。私の服装、いつも誰かしらのツッコミが入る。

「夜さん、実は昔不良だっただろう?」
「そんなふうに見えますか?」
「見える見える。」
「じゃあ白状します。ヤンキーでした。」
「やっぱり。じゃ、今度の合宿で詳しく話を聞こうか。」

と言って、H先生は去って行った。

近頃H先生、帰り際に必ず私に絡んでくる。
最近H先生は私の師匠と会っているようだから(以前同僚だった)、私のことを何か聞いたのだろう。
合宿で酔っぱらったH先生の相手をするのはイヤだなぁ。

H先生を見送っていたら、背後から2ndヴァイオリンの大学院生Mちゃんが声をかけてきた。
「夜さんも合宿は泊まりですか?よかった!」

日帰りの参加者も半数いる。
私は帰るのが面倒なだけだ。職業柄、どこでも眠れる。

「『よかった』って、なんで?」
私はMちゃんに聞き返した。
疑問に答えたのはMちゃんではなく、そのまた後ろにいたお姉様方だった。
「Mちゃんってば、私たちに向かって『もっと若い人は泊まらないの?』って言ったのよー。失礼な(笑)」

「そういう意味で言ったつもりじゃなかったんです!」
Mちゃん、私の背後に隠れた。
Mちゃんは時々言葉選びを間違える。
やれやれ、だ。

合宿当日も仕事があるため、中途参加になる。
Mちゃん、悪いけど待っててね。




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