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「資生堂」に学ぶ、SNS時代こそ「見えない部分」が大切⁉︎

先日新聞で読んだのですが、資生堂の精神の象徴と言われる「資生堂書体」。
これ、1920年代から手書きで継承されており、今もクリエイティブ部門の社員は、一定期間、この書体の習得に励む「修行」があるそうです。
さて話変わって―――
一方、ここ数年、色々なご商売をされている方とお話をしているとよく聞く言葉が「インフルエンサーを使おうと思っていますが、誰が良いでしょうか?」です。
この話が出ますと、私として必ず返す言葉は、「まずは何を伝えたいのか?を決めましょう」です。
資生堂とインフルエンサー、今回は自分の頭の整理の意味を込めてちょっと書いてみたいと思います。

大切なのは「メッセージが正しく伝わるか」

インフルエンサーの存在は、ある意味メディアの進化進展の流れにおける現代の象徴であり、重要な存在です。
彼らが自らの意志や考えを、自由に世の中にダイレクトに伝えていく行為はデジタル・コミュニケーションインフラの発展によって生み出された、ある意味自然な進化の産物であります。
そんな彼らの存在を企業などが活用する場合、本来のインフルエンサーの存在意義や価値(自由に正直に自ら発信する)から考えると、企業側の思考のスタートを「インフルエンサーを使う」ということから始めるのは違うな、と思います。
まず大切なのは、「どんなメッセージを伝えるか?」であり、「そのメッセージが正しく伝わるにはどうしたら良いのか?」という方法論のステージになって初めて、インフルエンサーをはじめとした様々なルートの選択肢が出てくる、という流れが正しいのではないでしょうか。
昔から「手段の目的化はダメよ」と言われますが、「手段から戦略立案をスタートさせてはダメよ」ということです。

メッセージとは「ブランドの言語化/可視化」

伝える手段を選ぶ前に、伝えるべきメッセージを決める。
では、そのメッセージは何から生まれるのか?というとそれは「ブランド」からだと思います。
ということは、まずは「ブランド」をキッチリと作らねばなりません。
そのブランドは「企業の」ということもありますし、「商品の」ということもあると思います。
あくまで私の考えですが、「ブランド」と「ブランディング」は違うと思います。
「ブランディング」には、そのブランドを「広める行為」も含まれていると思いますが、まずはその広め方は考えず、純粋に「ブランド」を構築する。
それを伝えるための言語化/可視化が「メッセージ」。
そのあと、それを広める手法の戦略構成をして実施する。
そういう流れが良いと思っています。
では、その根本となる「ブランド」とは何なのでしょうか?

ブランドとは「理念」「思い」「幸せの形」

これまた、あくまで私の考えではありますが、「ブランド」とは企業などが抱く「こういう幸せを世の中にもたらしたいんだ!」という根本的な理念や思いなのではないかと。
これを、世の中に伝えるためにメッセージ化する、ことが必要になるわけですが、全てが言語化/可視化できるわけでは無いとも思います。
「資生堂書体」の修行―――
それは、そんな「見えない部分」を感じるため、「言葉にはできないけどわかる」状態になるための行為ではないかな、と勝手ながら思うのです。
分かりやすさとインパクトが大切と言われるSNS時代だからこそ、「見えない部分」がとても大切・不可欠なのではないか、という自論を抱くのでした。


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