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海から見る月を眺めたい

いらないものだけで構成された僕は
ずっとずっと嫌いだった

そんな自分の愛し方がわからず
遠回りをした人生
生まれた環境が僕の基準で僕の世界で
それが全てを決めていた

それしかしらない僕はそれで十分だった
ただ、他と違うということを知ってしまってから
それからはもっと生きづらかった

知らなかった時には何とも思わなかった行動が
本当は人を傷つけていたかもしれない事
何気なく言う言葉は実は棘たあったという事
心配しているつもりが他人事なんだと気づいた時

どうしようもなく恥ずかしくて苦しくて
今までの人生を振り返って吐いた
出会った人はみな嫌な顔せず僕と接してきたが
思えば残った人がいなかった
それが答えだったことにも気づかず

何度も変わるチャンスはあったんだろうと思う
だけど、違いを知ることが出来ず
僕は他人の意見を深く考えることなく
浅瀬で満足していた

海がこんなにも深く遠く複雑で美しいとも知らずに

自分が一番正しいと
他人は結局信じられないと
そんな世界で生きた僕には
自分すら信じられず
何を持って生きているのか分からなかった

海へ飛び込むのは勇気がいった
知らない人と関わることは怖かった
知っている人にだって冷ややかな目で見てしまっていた

そういう世界に少しずつ目を向けて
いろんな海を知るようになって
ちょっとずつ世界は変わった

自分には合わない海もあれば
いるだけで癒される海もある
見るだけで十分な海もあれば
憧れてあんな海になりたいと思える海もあった

僕の海は今はどうだろう
浅瀬しか世界を知らなかった少年は
年を重ね、いろんな海を冒険し
海の深さを知り美しさに目を奪われた

浅瀬は平和で過ごしやすいが
大波や嵐に見舞われることもないだろう
だけど、そこから得られるものは体験しないとわからない
海の中で起こっていることも潜らないとわからない

それは自分で体験することかもしれないし
映画やアニメから得られることかもしれない
人の話しからわかることかもしれない

漂流したり、サメに襲われることがあるかもしれない
やっぱり浅瀬で平和がよかったと願うかもしれない

私はどんな海を渡りどんな海に居たいだろうか
そんなことをふと考える

私の海はどこなのか

私は海から見る月を眺めていたい
どこまでも深く遠く複雑で美しい海の中で


あとがき
いらないもので構成された自分とは
例えば、親の嫌いな部分見た目や性格などを受け継いだこととかでしょうか。兄弟がいればなおさら浮きだちますね。周りから言われるかもしれません。兄弟が親のいいところを受け継いでいればよりそう言われるかもしれません。

彼は自分の生き方に違和感を感じていたが、それに気づくことができずにいました。自分の世界が他にもっと豊かな選択肢があることに気づいてから、自分の生き方に対する違和感が増していったのです。

言われたこと話したことを深く考えずに終わらせてしまうと
それは聞いたまんまの内容ですが
もしもっと創造して言いたいこと伝えたいことをくみ取ろうとすれば
もっと違った見解が出来るかもしれない

そう気づくまでに時間がかかったのです
それを遠回りをした人生と言っています

ただ知ったから幸せになるわけではないです
知ってしまったから、今まで生きてきた人生を振り返り
後悔や羞恥心や失念やいろんな感情が湧き出ます

海の広さを知って自分の小ささを知りました

だけど、大丈夫。
知ることができたならそこからがスタートです
今まで見えていた世界と違う世界をみると
戸惑いもあるでしょうが、知ろうとする気持ちは
大切だと思います

どこまでも深く遠く複雑で美しい海の中で
これは、みんな違うでしょう。どんな海を美しいと思うのかは人それぞれです。

彼が知った世界のほうがいいと思い
大海へ出て、月を見るほどの余裕が出たならば
もっといろんなことを考えられる人になることでしょう

人の気持ちは分からないけれど
想像してみて気づくことがあるかもしれないです

そんな優しい世界に住みたいです


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