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明日も頑張ろ

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大丈夫 あなたは素晴らしい 明日が遠く感じるあなたへ
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見えない彼女と見える僕

僕は僕で生きる世界があって この世界に流れる風は、どこまでも冷たい 幾千の星々は、そんな僕にも笑いかけ でもやっぱり、朝になれば泡のように消えていく そこら中を見えないモノたちが潜んでいて 願い事を託す、彼らにはこの世が まるで穴が開いた空のように映っているんだろうか 嫉妬と焦りと闇が漂う世界に何を望むだろうか 冷たい空に見える君を、僕はどうすることもできなくて 海が見える踏切で一人考えてしまう 君に近づく方法は何通りあるのだろうか。 君を見つけてから、灰色であるはずの

君のこの人生を

君が欲しかったものは何だい 君が望んでいた世界はどこだい 君がそれを目にしたとき その美しさに、涙を流すほどの 感動が手に入らないのは なぜだと思うかい 近道しようと縮めた空間は 悲しいだけで何も生まれないよ ふわふわと浮遊しながら泳いでは 意味がないと嘆くことを もう終わりにしよう 一筋の揺れる光は、心の中にあって まるで君の信念のように揺れてしまっているよ 月を見てはため息をつく君は 自分の世界に閉じこもり 頭の中は理想で埋めつくされ 独りよがりの世界に浸り 侵入者を

寂寥

ぼんやりと月を眺める。 まん丸の月は満面な笑みで、微笑んでいるように見える。 私も思わず笑って、忘れたい感情を滲ませる。 泣けば泣くほど、不思議と笑顔になって空を見上げるのが こんなにも気持ちが良いなんて初めて知った。 昨日までの感情は地上へ残し空へと舞いあがりたい気持ちだ。 地上に残した感情の名前を知りたくて辞書を引いてみるんだけど 何が当てはまるのか分からなかった。 せめて答えだけでもわかったなら、心のざわつきも 少しは落ち着きそうなんだけどな。 映画なんてほとんど見な

赤いクレヨン

赤いクレヨンが一番になくなる 感情がぐちゃぐちゃになった日は ぐちゃぐちゃの心を絵にする 右から左へただ線を引くだけの作業は 私の心を落ち着かせるスイッチでもある 嫌なことがあったり、キツイこと言われたり 回りの気遣いでさえ、嫌味に捉えてしまう時だって そんな自分にため息をついた後は こんな世界におう吐したい気分になる だから気持ちを紙に殴り書きする 赤いクレヨンは私の血かもしれない それを見れば傷つけなくて済む気がして そんな私を2歳の姪っ子が 「いちご、いちご♪」って

心にペンギンを

心の住人ペンギン 心の海を泳ぐ スイスイと 孤独な心の海 彼はただ泳ぎ続ける 時には凍てつく風が吹き 大波に襲われ それすらも スイスイと 「こんにちは、ペンギンよ」 話しかけるとペンギンは お気に入りのサングラスを外してこっちを向いた 彼の目は海のように輝き 心を温かく包む 「やぁ、心の友よ」 ペンギンの声は海を通り抜ける 寂しさを溶かし 優しさを届ける 孤独な道を歩む時 ペンギンはすぐそばにいる 彼の存在が私を支え 自分を取り戻す助けとなる 心にペンギ

夜の01:08、魔法のライブ

春の風がそよそよと吹く夜、窓辺に佇む彼女はスマートフォンを手に01:08を待つ。今宵も、彼女の日課が始まる。その世界には顔も知らない、どこかの誰かの何気ない日常が小さな花を咲かす。 毎晩01:08から始まるライブ。たった一人か二人のファンのため、彼は歌い、語りかける。彼の優しい声が、寂しい夜を包み込む。彼女は居場所を求め、その時間に思いを浸す。 今日もやってくるいつもの時間。ささいな日常の話しから始まり、心の奥底に触れる言葉を綴る。時間はゆっくりと流れ、彼女はその音色に耳

息継ぎ

静かなる水面に、 ひとつひとつの息継ぎを数えながら、 疲れた心は流れを求めて。 朝の光に目を覚まし、 通勤の波に身を任せ、 会議の海を渡り、 湯船の港で一息つく。 日々は繰り返し、 私はそのリズムに身を委ねる。 時には、深い呼吸をして、 ケーキの甘い香りに包まれ、 ヨガのポーズに心を解き放ち、 ピアノの音色に耳を傾け、 アニメの色彩に目を奪われる。 すべてを忘れ、ただひととき、 「さぁ、充電完了」 新たな息吹で、 今日もまた、泳ぎ続ける。

赤い金魚と僕の物語り

風が止み、夕焼けが空を染める頃、静かな町の一角に佇む古びた家。 早くに両親を亡くし、姉は嫁ぎ、広い家にただ一人。生きるために生きている。三十路を目前にし、僕は考えることを諦めていたそんな人生について向き合っていた。金魚鉢の前に座り、水槽の中で穏やかに泳ぐ「金魚」に話しかけて。それは、投影していたのかもしれない。金魚鉢で飼いならされる金魚と僕を。 姪っ子がお祭りで手に入れたその金魚は、飼い猫を理由に僕のもとへと託された。とても小柄で泳ぎ方が少しだけ変な真っ赤な金魚。定期的に水

君を迎えに

こっちだ 次は右だ んー、左だ! ここは、どこだ!? 後ろを振り返ると君がいない 迷わず自分に従って進んできた迷路だけど 呆然と過去を見つめる どこから来たっけ どこの道で間違ったっけ どこに進めばよかったっけ 一人で決めて一人で進んで 誰もいないことに今更気づいて どうすればよかったんだっけ俺は 足を止め考える 後ろを振り返り思い返してみる なぜ俺はここにいるのか 自問自答の日々 君の声に耳を傾けようとせず 勝手に鼓舞し追い詰めて 一人にしたのは俺だったんだ

ふわふわの葛藤

朝からずっとふわふわする 集中力も持たなければ 頭も回転しない それはそうか普段から回転していないから ならなぜだろう このふわふわは 風邪か夢か、はたまた恋か どれも当てはまらない そんな日もあるよと私の中の天使が囁く それでも頑張れよと私の中の悪魔が囁く いや、逆かどっちが悪魔だ もぅそれさえもどうでもよくて いや、本当は考えて考えて儚い答えを 求めたいがそれすら叶わない それほどにふわふわする自分を 憎んだり憎めなかったり おやすみ、神様。

落葉樹

もう春だというのに、木は芽を出さない 湧き出た感情は枝分かれし 私の複雑な心のように自由に、不自由に伸びる 感情の吐き出し方が解らない、私みたい 落葉樹のように、春が来れば葉を茂らせ 青々とした木になると思っていたが 私は感情を失い、枝分かれがさらけ出されている いつになれば私に春が来るのかと願っていたが 落葉樹も、なかなかに美しいと思った いろんな経験をいろんな感情とともに 複雑に、でも丁寧に枝を伸ばした私の姿は 想像以上に育ち、芽を出そうと待ちかねている だか

絶望からの抗い

あなたとなら不幸になってもいいと思っていた 今あるものがいつか壊れてしまうくらいなら 今のうちに全部 壊しておこう 全てなかったことにして そうすれば傷つくこともない 永遠なんて最初からなくて 約束なんて初めからしなければいい 記憶も記録も全て消し去って これでもう傷つかないことが約束できる もうそれしか残ってないから 私の柔い心がつぶれる前に あとがき 過去からの解放と新しい始まりへ

背中合わせ

夜更けのトイレへ小さな足が進む 双子の兄弟、手を取り合い、勇気を出す 「今日の映画、怖かったね」と小声でつぶやく 「うん、でも大丈夫。僕が背中を守るから、僕の背中守ってね」と返す 背中合わせ、暗闇に立ち向かう 見えない敵に、心臓はドキドキと高鳴る けれども、二人がいれば怖くない 背中合わせ、勇気がふたりを強くする トイレの灯りが、ほっと息をつかせる 「大丈夫だよ、何もいないよ」と兄が言う 「ねえ、また明日も一緒に行こうね」と弟が願う 背中合わせ、手を取り合って 闇を追い払

月夜のドライブ

目的なんてないけどドライブ 理由なんてないけど窓を開け 音楽と満月を一つ 普段聞かないラップなんて聞いて ちょっと気分上げちゃって どこに行くのかどこまで行けるのか いつもつけるピアスもネックレスも 時計も全部全部置いてきた 何もない私、最強 今日あったいい事を満月に語って 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は 満月 × ドライブ