小話エッセイ/異世界への入口で振り返る
世田谷から多摩地方へ引っ越して、はや1年と数か月。
当初思い描いていた田舎ライフはなかなか実践できておりませんが、
密かに足しげく通い詰めるところが出来ました。
二宮神社。東京都あきる野市にある神社です。
京や奈良のもつ洗練とも、また東京の荘厳さともちがう、野趣と純粋さの合わさった美とでもいうのでしょうか。
こんな神社は探してもなかなかない、と思えるほどの良さがあるのです。
この二宮神社、敷地内で縄文時代の土器(土偶っぽい顔がついててカワイイ)などが発掘されており、隣接した考古館に収蔵されています。
ということは、この場所は縄文時代から人々の集う場所であった。
そしておそらく今と同様何かしらの祭事の行われる特別な神域であった・・
そう読み取れることが出来るそうです。
※こちらのご本を参考に書かせて頂きました。
鳥居から少し石段を登れば、そこはもう玄妙の空気ただよう神域のなか。
茂みの向こうには本殿といくつかの社や祠がうずくまるように佇んでおり、なんだか吸い込まれそうな気さえする。
しかしここで一旦立ち止まる。
後ろを振り返ってみる眺めが良いんです。
山の東側、眼前にはぽっかり開けた空と地平。
もともと高台にあるのでしょうか。さほど登った感じはしないのですが、
足元の関東平野(といっていいのかな?)が一望できる、清々しい景色が広がります。
ああ、気持ちいい。
縄文人も、ここで同じ気持ちで深呼吸をしたかしら。
と、いやが応にも妄想が膨らみます。
・・・・
こういう場面で綺麗な写真など挿入できるとどんなにいいかと思いますが、
それは専門の方にお任せして、麓の御池公園の立て看板でお茶を濁したく思います。
「掘をきれいにしませう」
一体、何時代からの遺物でせう・・
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