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共感じゃなくて、リスペクト。クラフトジンが好ましい話

この前最近ハマったミュージシャンを友達に話したら、「あなた、すべての趣味がクラフトジン感があるね」と言われた。

うれしかった。
確かにたまたま話していたミュージシャンは、おっしゃるとおりコーヒーと一緒に夜はクラフトジンもだすよさげなカフェ&バーに流れてそうな感じである。

ちょっと私の好きなものを書き出してみよう。

海外SF、グレッグイーガン、海外児童文学、DWJ、ルグウィン、洋画、スタンドバイミー、ミッドナイトインパリ、ハリウッドアクション映画、海外ドラマ、sense8、heroes、洋楽、エイミーワインハウス、d’angelo、SOUL'd OUT、つじあやの、ブルガリアンボイス、ブリティッシュな感じのカジュアルな服、板谷波山、クリムト、ミヒャエルエンデ、片岡球子

う〜ん、ちょっとクラフトジンに似合うかわからないが、いくつかの傾向は確かにある。

・ちょいニッチ
・職人感(手の込んだ・丁寧なという意味ではなく、完成度や自身のスタイルを突き通したかを重視するもの)
・何かしら発信しているもの
・ひとりで楽しめるもの
・すでにそれなりに歴史があるけど、新しいことに挑戦するもの

こういうのはちょっと、共感とはいえない。
それに私は自分がいま「共感」しているとは思っていないからだ。

クラフトジンが好きな理由の一つに、そのスタイルが好ましさがある。

例えば、クラフトジンには「ロックで飲むのが正義!混ぜものNG」みたいなマッチョさはない。弱い人はすきなトニックで好きなだけ混ぜて飲んでいい。

また「アルコール度数何%!麦芽何%使用がジンだ!」みたいなものがない。歴史が浅く、ルール無用で参入ハードルが低く、なにカスタマイズしても許される。自分の地元の昆布入れてもいいし、山椒いれてもいい、泡盛を蒸留してジンにしてもいい。発信力があるというのも特徴と言えるかもしれない。

それにいろいろな種類のクラフトジンを試していると、「その思想や味は好みじゃないけど、その製作者の実験的妄執的な姿勢は好ましい」みたいなジンに出会う。

姿勢に対する、リスペクトの精神だ。

(私でいうところの、ところどころの思想がきになるクリントイーストウッドみたいな、全部が完璧じゃないけどすごいガンジー的な、薬と男で死んでしまったエイミーワインハウス的な。そのスタイルに尊敬はする人)

日本酒プロやビールプロ、ワインプロがいない場所でおもいおもいに、ただしリスペクトしながら文化を作ってる感がいい。

そういう真剣な場所に、いいね、じゃぬるいのだ。
いいものを作り出す、新しいものを作ってやるという強い意志だ。

ものを作る人は、共感してもらうために何かを作っているんじゃない。
発信したくて、いいものを作ってほしくて、作ったものに価値を感じて欲しいからじゃないだろうか。

いいねじゃなくて、リスペクトで返したい。
しっかり味わって楽しみたい。

多分、私の趣味はそういうところから来ている。
それが「クラフトジン感ある」という意味じゃないかな。
その作られた作品や商品の向こうに感じられるほどにういうものに、

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