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400名規模のSaaS企業でエンジニア/PdM採用を1年やってみて気づいた3つのこと

こんにちは!セーフィーでエンジニア採用を担当している堤です。

早いもので、2023年も残すところあと僅かとなりました。
今回は、ビザスク人事のせんかわさんにお誘いいただき、エンジニア採用 Advent Calendar 2023 の12/11(月)分の記事として執筆させていただきます!

セーフィーは「映像から未来をつくる」をビジョンに、映像データのプラットフォームを通じて様々な業界の課題解決に取り組んでいる会社です。

2023/11/30時点で、社員数は417名と、私が入社した2年前から約2倍ほどの数となっており、エンジニア/PdM採用も積極的に行っております。

そんなセーフィーのエンジニア/PdM採用を今年の1月から担当していた私から、1年やってみて気づいたことについてお伝えできればと思っています。

  • SaaS企業のエンジニア/PdM採用に興味がある採用担当の皆様

  • セーフィーという会社に興味がある皆様

こういった皆様を読者と想定し、少しでも参考になるような記事にしたいと思いますので、よければお付き合いください。

エンジニア/PdM組織と人事のワンチーム体制

セーフィーではエンジニア・PdMの採用担当者は同一となっており、エンジニア採用では多岐の領域にわたるエンジニアを、PdM採用ではPdMやデザイナーの採用に取り組んでいます。

現在、エンジニア/PdM採用の主な体制は以下の通りです。

エンジニア採用:CTO+VPoE+採用グループ4名+エンジニア部長陣
PdM採用:CPO+VPoP+採用グループ4名+PdM・デザイナー部長陣

セーフィーでは、「エンジニア/PdM採用=経営の最重要課題」と位置付けられており、開発組織の部長陣だけでなく、CFO古田など多くの経営陣とも距離近くコミュニケーションをとっています。

また、エンジニア組織には「エンジニアリングオフィス(以下、ENGO)」と呼ばれる、エンジニア組織の組織開発などをメインに、エンジニアが働きやすい環境を構築していく専門部署が設けられています。
そのENGOのメンバーも採用にしっかり入り込んでもらい、今後の採用~定着~活躍という一気通貫の流れを作るべく、一緒に採用活動にも取り組んでいます。

セーフィーでは上記のように、体制を「エンジニア/PdM採用PJ」としてプロジェクト化しており、関わるステークホルダーは多岐に渡り、意志決定層とも日々こまめに直接やりとりを重ねています。
FY23については私がPMを担当させていただき、他のエンジニア/PdM採用担当メンバー3名とともに採用目標である43名の内定承諾を目指して取り組んできました。

基本関係者とは定例報告会にて、PJ進捗を確認しつつ進めていますが、問題や議論があれば都度、即時でSlackやMeetで話して解決をする習慣が根付いていると思います。採用課題の着手〜運用改善に至るまで、採用に関わることならどんなことでも話しをしようとしてくれるメンバーが多く、採用への熱量が高いチームだと感じています。

私がセーフィーに入社したのは2年前で、新卒採用1期生の立ち上げから、責任者までさせていただきました。
今年から担当になったエンジニア/PdM採用については、中途採用自体も初めての中での挑戦だったので、本当に手探りでしたが、多くの方の手厚い支えのおかげで何とか1年間を終えられたという感覚です。

気づいたことその①母集団形成関連の新規施策の成果までのリードタイムは2-3ヵ月ほど

まずエンジニア/PdM採用をやってみて気づいたことは、どんな施策も効果が出るまでに最低2-3ヵ月は時間がかかるということです。

例えば、今年の重点施策として掲げていた下記2点があります

①エージェント様の新規開拓による母集団増加
②媒体フルリニューアルからの応募獲得増加

①については、今年採用目標が高まったことで、歩留まりから逆算すると、昨年までの月間応募数では足りないと考え、新たにエージェント様との契約を結んでいくことにしました。

今年の上期には契約を順に締結していったのですが、締結したらすぐに紹介数が爆発的に増えたわけではなく、様々なコミュニケーションや段階を踏んで、応募数増加が結果として見え始めたのは、2-3ヵ月目あたりでした。

現在では、昨対比で月平均の応募数が2倍~それ以上になっており、施策の効果を実感できています。

また②については、これまでセーフィーでは様々な採用媒体を運用していましたが、どの媒体も画像や媒体内の文言などが数年放置された状態となっていました。
スカウトするにしても、媒体からの自己応募を増やすにしても、媒体のフルリニューアルは必須であると判断し、大規模な改修を行いました。

無事に全て完了し、ここから順調に応募数が増えていくだろう!と思っていましたが、実際は2-3ヵ月はほとんど効果を感じるほどの差は生まれず、かなり焦っていました。

ただ、3か月目~4か月目ほど経過したころ、徐々に媒体からの自己応募が増え始め、内定承諾者数も伸びていき、「スカウト+自己応募(媒体自己応募含む)」の承諾者数は昨年比で1.5倍となりました。

上記のように振り返ってみれば、上記の新規施策の効果はしっかりと出たのですが、どうしてもリードタイムがかかってしまい、「本当に自分がやっていることは合っているのか?」と疑心暗鬼に陥ってしまうことも多々ありました。

新たな施策を行う時には不安もあると思いますが、まずは2-3ヵ月しっかりと腰を据えて、PDCAを回していくことが大事だなと感じました。

気づいたことその②承諾率を高める候補者体験(CX向上)

今年の上期終了時点での内定承諾率は50%程度で、強い危機感を抱いていました。
内定承諾に向けた施策というのは、万能薬的なものはないですし、時期的な要因などもあったりと、かなり水物の性質を持っていると思います。

ただ、それでも何もしないで手をこまねいているよりも、現状の課題に照らしながら、下記に取り組みました。

①会食などのウェットなアトラクト 
②AGTとの綿密な連携を踏まえたアトラクトストーリーを部長陣と検討
③選考スピードのUP

①については、これまでも実施したことはあったのですが、必須でやっていたわけではありませんでした。
そういった状況から、原則候補者様の予定がつくようであれば内定後の会食を極力打診するようにし、配属予定の部長やメンバーとのカジュアルな場でのフラットなコミュニケーションに取り組みました。

②については、AGTからの情報をタイムリーにエンジニア側にも伝達し、個々に合わせたアトラクト方法を検討していきました。元々やっていなかったわけではなかったですが、より候補者の解像度を高め、細かいすり合わせを行いました。

③については、エージェントからの情報でも、他社比較で選考日数が長いという課題感を認識し、「選考日数分析」を行うことで選考日数の短縮に取り組みました。「選考日数分析」はATSの選考データから下記(A)~(C)のデータを抽出したものです。

(A)職種別の「応募」→「内定」までの所要日数
(B)「内定辞退」となった方と選考日数の長さの相関関係
(C)面接官ごとの「面接実施日時」→「評価投入」までの所要時間

(A)はシンプルに自社の選考日数がどのくらいかかっているのかを把握し、他社や市場平均と比較してそれがどの程度なのかを認識するために算出しました。
実際にエージェント様などと相談する中で、同業界の平均よりも10日以上長くかかってしまっていたことが判明しました。

(B)では、「では本当に選考日数が長いと辞退の傾向が強くなるのか?」というそもそも論の検証のために算出しました。
結論としては、承諾いただいた方よりも、辞退となった方の平均選考日数が10日ほど長くなってしまっているという、明確な差分が示されることとなりました。

(C)については、選考が長くなってしまう要因が評価判定にかかる時間にあるのではないかという仮説に基づいて算出したものです。
こちらの面接官ごとの評価投入までの所要時間を可視化することで、個別のフィードバックを行い、評価投入までの時間を短縮していく事に役立てました。

結果的にこれらのような分析を行ったことで、明確な数値は開示することが難しいのですが、分析前と比較して1週間ほど選考日数も短縮されました。

ここまで紹介させていただいたような施策を行っても、内定承諾率はすぐに上がらなかったり、変化がない場合もあると思います。
承諾率向上のためのスイッチは個社毎の事情や背景によって大きく異なることは前提の上で、セーフィーでは上記のような施策を行ったことによって、因果関係があるとまでは明確に言えませんが、結果的に内定承諾率が上期50%→下期70%ほどまで向上しました。

気づいたことその③選考の終わり方は凄く大事

気づいたことその②で承諾率のお話をしたように、やはりどうしても最後の意思決定として他社に決められる方もいらっしゃいます。

・会社として魅力はセーフィーに感じているが、現在の自分自身のキャリアパスのタイミングと合わないため他社に決めた
・セーフィーの事業/プロダクトは本当に魅力的だが、現職の都合で残留することになった

上記のように様々な理由でご辞退となってしまうケースがあります。
ただし、その方が今後繫がりがなくなるかというと、全くそんなことはなく、狭い世界なのでどこかで出会ったり、次の転職でまた候補に入れていただくことも普通にあると思います。

そういった意味で、セーフィーのメンバーとしては承諾になっても、辞退になっても、候補者の方にとっても気持ちよく終われるコミュニケーションを心掛けてきました。

その結果、今年だけでも一度内定をお出しした方の中で3名の方が、内定辞退後に諸々の事情があって再度転職を検討するとなった際に、セーフィーの選考または入社を希望してくださいました。
改めて円満な終わり方がいかに重要かを痛感する出来事となりました。

またPdM側でも中長期的な関係性づくりを目的とした、過去内定辞退となった方との定期的な情報交換の場としてのカジュアル面談を実施しました。

こちらとしても過去の辞退者の方から、上記のような連絡の返答を本当にいただけるのか内心不安でしたが、結果的には数多くの方からご返答及び面談希望の旨をいただきました。

VPoPの植松も快くこの取り組みに協力してくれ、多くの過去の辞退者の方と再度接点をもつことができ、フラットに様々なお話をすることができました。

今後も候補者様との一期一会の出会いを心から大切にしていきたいと思います。

おわりに

つらつらと書いてきましたが、個人としてもセーフィーとしても沢山の学び・気づきがあった1年でした。
ただし、はっきり言って本当にまだまだな状況です。

やりたかったこと、実現したかったこと、沢山あるのですが、様々な要因もあり断念したことも数知れずなので、FY24こそはしっかりとやり切れるように頑張ります!

色んな会社さんとの交流も積極的に行っておりますので、もしセーフィーの採用担当と交流したい!などご希望があればお気軽に私のX(こちら)か、LinkedIn(こちら)までご連絡ください!

ちなみに採用メンバーも大募集中ですので、ご興味ある方は上記の私のSNSでも、下記の採用サイトでも大丈夫ですのでぜひお気軽に覗いてみてください!

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!
少し早いですが、今年も一年お疲れさまでした!


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