現代日本霊異記 十二
水泳のメドレーリレーのように、目配せを受けた人が立ち上がって窓際に立つ。ガラス窓から外を見上げる。しばらくして、あきらめたように戻ってくる。次の人が立ち上がりまた同じように大きな窓から外を見る。ただメドレーリレーと違うのは、戻ってきても固い表情のまま、考えるようにイスに座って机の上を見ている。不安と動揺を隠す顔は、無表情だ。
窓から空に向かって首を捻り、弱々しそうに微笑むと何かの同意を求めて振り返る人もいた。今にも空からあり得ないものが降ってくることを予言するみたいだ。
ただ