いまだミステリー。
その昔、パズル雑誌の読者会の地方幹事をやっていた頃。
周囲の人間は、多種多様な趣味を持っているひとたちだらけだった。
自分はそれらの輪の中に入っていったきっかけがペンシルパズルだったので、パズルの人と思われていたとは思うが、みんなが集まる場では独り黙々と解くパズルを個々がやっていてもしょうがないので、ボードゲームやカードゲーム等々を使って遊んでいた。
パズル好きな人は同じように推理小説やSF、各種ゲーム界隈の人も多い。定期的に集まっては、新しいゲームや小説の話をよくしていたように思う。
既に推理ボードゲームやゲームブック、TRPGというジャンルもあった頃だ。
私も「金田一耕助の推理ゲーム」や「スコットランドヤード」で遊んだ年代である。
その当時の人たちもお手伝いしている企画展が、3/16~市立小樽文学館で行われている。(5/19まで開催「ゲームの中の『物語』ボードゲームとTRPG」)
初日に見せていただき、その中で展示されていたマーダーミステリーに惹かれたのだった。
「久しぶりに推理ゲームやりたいなー」
そんな軽い気持ちだった。
そして、中古ゲームショップの通販でそのゲーム『紫乃淵リライト』を買った。おまけにそのシリーズの新作の名前が『札幌異世界ツアー』! ……札幌市民としては密林予約するよね?
数日後に届いた紫乃淵リライトの箱を開けると、同シリーズゲームのパンフレット。わくわくしながら「どんなラインナップがあるのかなー?」と読んでみる。
…
……
………「ひとつの作品(シナリオ)を楽しめるのは1回だけ」
…………何ーーーー!!!!
ゲームはスルメのように味わいたい自分にとっては衝撃の文言。
このシリーズは、プレイヤー自体がキャラクターとしてシナリオに則ってプレイするRPGである。つまりゲーム内で起こった事件を推理していくので、エンディングまで行くとこのゲームの裏の裏まで知ってしまうことになる。
豆腐の角に頭をぶつけて記憶を消去しない限り、このゲームは2度と自分では遊べないのである。
パンフレットを取り落としそうになりながら、最初に読めと書かれているルールブックを手に取る。くどいようにルールブックの指示以外で他の封入物を開けてはいけないと書いてある。イントロダクションはとても面白そうだったのだが、今は部屋に一人、2人用のゲームなので一緒にやってくれる人がいないとこれ以上の情報が何もない。万事休す。
そんなこんなで一緒にプレイしてもらえる人も見つからないまま、最新作『札幌異世界ツアー』が届いた。今度は4人用のストーリーだ。
プレイヤー集めのハードルがさらに高くなる。おまけに追加でプレイが盛り上がるグッズも用意できると書いてある。札幌市民でよかった。
が、私が遊べるのはいつになるのか、いまだわからない。
【追記】
みなさんはこの文章に隠されているもう一つの罠に気づいただろうか…
もし解ったら、私と一緒にハラハラしていてほしい。
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