🌺ダリアフェス（馬見丘陵公園）　⚠️文章は重めの近況で、人間関係の泥臭い話。かなり長いです🙇

しばらく前の話になりますが、奈良の馬見丘陵公園で開催されていたフラワーフェスに行ってきました。（来園日：2022年10月13日）

主役はご覧の通り、ダリアです。

今年は台風の影響も殆ど受けずに、綺麗に咲き揃っていました。

ただ……ですね。
こんなにも美しい花たちが目の前にあるというのに、今回は実は、その場では全くといっていいほど堪能することができず、心ここにあらずな状態で写真撮影だけをして帰ってきたのでした💧

だから今こうやって記事にしている段階で、ようやく「ああ、こんな綺麗なダリアがあったんだ」と、じっくり観賞することができているんです。（📸撮影だけはしておいて良かった💨）

一体何に気を取られて花に集中できなかったのかって？

恥ずかしながら、この日一緒に行った友人と、ちょいと揉め事がありまして、なんと翌日にはこちらから「もう当分会うのはよそう。距離をおくしかない」と、今後約束していた予定もキャンセルして、突き放すまでに……💧

ここからはかなり長くなりますが、やっぱりね、長期化しすぎた新コロ問題は、人間の心理や人格にまで大いに影響を及ぼしつつある、と思うのですよ。環境の変化に慣れていない経験値の低い人や、何らかの理由で自己浅薄だったり弱すぎたり未熟だったり、あるいは繊細すぎて周囲の影響を受けやすい人などから順に、我を失いつつある。（もしくは、社会的・対外的に被り続けてきた仮面が綻ほころびて、その下に押し沈めていた元来のものが出てきただけ、という人もいるでしょうけど💧）

皆さんの周りでも、何人かは思い当たる人がいるのではないでしょうか？　パンデミック勃発後、急に狭い世界に閉じ籠ることを余儀なくされ、生活形態が激変したことにより、視野狭窄きょうさくで言動がおかしくなってきた人物や、失業や転職、先行き不安などで人が変わったようになり、最悪は周りに当たり散らし、暴力的になってきた人物などが。そういう流れで離婚や別居、絶縁や裁判沙汰になってしまった人さえいるかもしれない。

私の友人の場合は、元々（おそらく）HSPで、周囲から摂取する情報量の多さ・過敏さに比例して、自分を見失いがちな危なっかしさがあったところに、自粛自粛で職場と自宅を行き来するだけの月日に突入し、ついに完全に心の迷子に成り果ててしまった、というパターンでした。

この友人が何かのきっかけで「あれ？　私ってどんな人間だっけ？　これまで他者に対してどう接してきたんだっけ？」と脱け殻のようになることは、過去にも一度ならずあり、そういうときに私に会いに来ては、「あんた、また意識が浮遊してるよ！」と言わんばかりに渇を入れられることで、自分を取り戻すための気付け薬にする、というようなことも、一度ならずありました💧

（👆ちょいと変な関係性ですが、自我や主体性の塊かたまりのような私とは釣り合いが良かったし、私をそういう用途で使いに来る知人なら、この友人以外にも複数います A^_^;)　当人たち曰く、自分の頭の中ではモヤモヤとして掴み所のない事柄を私に話して聞かせると、「ああ、つまりこういうことが言いたいんだよね？」という私の反応から、考えを整理できてすっきりするのだとか💧💧）

何やらメンヘラ感満点な話ですが、この友人の場合は、自分をあくまで平凡な普通・・の人間で、れっきとした多数派の一員、としか思っていなくて、自身がある部分においてマイノリティの側であることに自覚がない様子でした。そしてその多数派優位の意識が、今では、狭～い世界で自分よりも下位の存在を見出すことにより、外れ者を見下す傲慢ごうまんさという形で剥き出しになり、他者への嗜虐しぎゃく、つまり「いじめ」にまで発展してしまっているのです。

話が曖昧すぎてもイメージしづらいだろうから、少しだけ具体的な部分を語りますと、この友人の職場（個人経営の小ぢんまりとした歯科医院）で、訳あって一人、壊れてしまった人がいるのです。（←以下「Ａさん」とします。）

数年前（確か新コロ問題勃発の少し前）、Ａさんの旦那さんが30代の若さで白血病になり、効果が殆ど期待できずかえって身体に負担をかけるため、おすすめできないと医師に言われた高額の手術をした結果、むしろ死期を早めてしまうことに。経済的な問題もあって手術に乗り気でなかった妻Ａさんは、生前の旦那さんから「お前は俺に死んでほしいのか！」と責められ、毎日が修羅場に。それはもう大変な日々だったようです。

ジレンマに泥沼化、経済的負担に後味の悪すぎる残酷な別れ……。それらだけでも人間が壊れてしまいそうなほど壮絶な出来事だったというのに、Ａさんには３人の子供がいて、旦那さん亡きあとも女手一つで育てていかねばならないという現実があるため、一息つく暇も得られなかった。切実に休養が必要な時期でありながら、更に心身を鞭むち打って仕事と子育てに忙殺される毎日。そこに追い討ちをかけるようにして降りかかってきたのが、パンデミックによる世界的な状況変化でした。

私が大いに端折って書いたここまでの話だけを見ても、皆さんには充分すぎるほど伝わりますよね？　明らかに一人の人間に抱えきれる上限を、越えてしまっている。キャパオーバーです。

そしておそらく、Ａさんはその心の内側で、人知れず壊れてしまった。

簡単に一言、「壊れる」と聞いても、大抵の人には、人間が具体的にどう「壊れて」いくのかがイメージできない。私の友人（以下Ｂさんとします）も、そこが最大の問題であり、道を誤る第一歩でした。

知識のない人（特に潜在的に差別意識のある人）は、「壊れる」とか「狂いを来す」とか聞くと、金切り声をあげて支離滅裂なことを喚わめき散らす人物や、焦点の合わない目で、誰もいない宙に向かってぶつぶつと独り言を言うような、他人とまともに会話もできないレベルの人物（コアとなる人格や知性さえも、ほぼほぼ崩壊してしまっているような人物）を思い浮かべがちですが、それらはごくごく稀な例であり、極端な発想です。

先天的要素とは別に経験によって壊れた人々というのは、現実には、一見なんら変わらぬ元の姿を保ったまま、地味に不合理な言動を取るようになるケースが多い。髪の毛を振り乱すのでもなく、口裂け女のような奇異奇っ怪なメイクで周囲を気味悪がらせるのでもなく、素っ裸で歩き回るのでもなく、習慣などにより身に付いた最低限の日常のこと、生物的に必要な行動だけは、どうにかギリギリこなしながら、目に見えないところでおかしくなっていくのです。

そしてその分かりづらい地味な壊れ方ゆえに、周囲から見ると「結局のところ、被害者意識で甘えているだけじゃないの？　悲劇的なことを体験したからといって、それを免罪符に何でも許されると思うな！💢」という評価しか得られなかったりする。

（☝過度の虐待やいじめ、衝撃体験などで脳の一部が萎縮いしゅくして、そのせいで誰にでもできそうな普通・・のこと ── と大勢が思い込んでいること ── ができなくなったり、一般的に見れば「ズレた」言動を取りがちになる、ということは、最近解明されつつあるとのことですが、まさにそういうことだと思います。思考や意識の全体が機能不全に陥るのではなく、萎縮したところだけが部分的に正常な働きを失い、誤作動するようになってしまう。

最たる例は、戦場からの帰還兵などに見られる傾向を思い浮かべてもらえば、イメージしやすいかもしれません。単に酷い現実を目の当たりにして価値観が激変した、というだけでなく、周りの人間には理解しがたい不可解な言動が見られるようになる。

もちろん、専門的にはそれらの事例はそれぞれ別物とされ、◎◎症候群や△△障害とかいう名称で細分化されているでしょうけど、無視できない共通性が多々あるので、関連づけて見る方が掴みやすくて参考になる、と個人的には思います。）

ちなみに、「不合理な言動」というのは、たとえば２という結果が欲しければ、１と１を足すとか３から１を引くとかすればいいだけだというのに、何度も何度も無駄に１と１をかけようとして堂々巡りになるとか、３と１を足そうとして前に進めなくなる、とかいう矛盾した言動です。そのため傍から見れば、「あんた何やってんの？　２にならなくて当たり前じゃん。そんな小学生でも分かるような簡単なことすらできないなんて、バカじゃないの？」とイラつかれるだけになるわけです。

（脳の萎縮により部分的な障害が起きた結果そういう言動になっているのなら、いくら怒っても責め立てても、できないものはできないというのに。それこそ、事故などで右手に麻痺まひが残ってしまった人間に、「あんたは何故ちゃんと右手で箸を持たないの！　何度言ったらわかるの！　言うことを聞かない悪いヤツだね👊」と責め立てるようなもの。理不尽で的外れで無意味な怒りだ。でもやはり、外見上は右手がなくなってしまったわけではなく、とりあえず五体満足っぽい姿を保っているため、何不自由ない他の大勢と同じだけの働きを期待されては、イラつかれるハメになる。「この人は今本来の状態にはなく、一部機能が損なわれている」ということを周囲が理解していないために、不穏な雰囲気になってしまうのだ。）

確かに、職場というのは「仕事をするための場」ですから、そんな風にまともに役目を果たせなくなってきた人間は、周囲の人たちからすれば足手まといでしかなく、出勤する度に目の前で要領の悪い行為やミスを繰り返されると、だんだんと腹が立ってくるのも仕方がない。

──でもね。
それでも、です。

だからといって、怒りに任せて「当たる」「いじめる」「尊厳を傷付ける」までやっていい、ということには決してならない。一体何のために人権なんて言葉が存在すると思っているんですか？

そういう話です。

「叱る」と「怒る」は違う、と言いますよね？　私の友人Ｂには、まさにそこが理解できていない。頭では分かっていても実際にそれを行動で示すとなると難しい、ということなら誰にでもある程度経験があるでしょうけど（←つまり「言うは易し、行うは難し」ってやつね）、Ｂの場合は、そもそも認識の段階からして区別ができていない。なんなら「叱る」と「怒る」は同義語だとすら思っている。

今に始まったことではありませんが、Ｂはすべての判断が感情と主観だけに基づいているため、理性的かつロジカルに判断しなくてはならない事柄を、感情論とは切り離して考える、ということがどうしてもできない。たとえば誰かに良くしてもらって恩ができたら、その人物については一部なりとも否定的な見方をしてはならないと自分に言い聞かせ、とにかく相手を人間として全面的に好きになろうと努める。（←そうすべきだと闇雲に思い込んでいる。そういう相手の問題点を欠点として認識することや、一部でも嫌いになることは、人としてやってはいけない恩知らずな行為であり悪なのだと勘違いしている。）

逆に嫌いな相手については、「坊主憎けりゃ袈裟けさまで憎い」で、一部なりとも肯定的な見方をできない。人間は皆多面的な生き物なのだから、別に「この人は総じて好きにはなれないが、こういう方面では能力的に優れていて凄い人だなと尊敬する」とか「この人には世話になってきたが、こういう点だけは良しと思えないので、きっぱりノーとお断りする。その上で尚も変わらぬ敬意や好意を持続する」なんてこともあっていいと思うのですが、そういう割り切った付き合い方・捉え方は、Ｂにとっては成立し得ない矛盾であって、どうしても受け入れることができない。（白黒混在の現実に直面すると、思考回路が混乱して、気持ちの上で引き裂かれるタイプ。）

そんな、感情がすべてを司る自分の頭では理解できず、もはや生理的に受け付けないというほど、不可解で矛盾だらけの存在と化してしまったＡさんを前に、Ｂが選んだ道は、周囲の人たちの賛同・承認を得て自分を肯定しつつ、Ａさんを完全な悪者に仕立てあげてしまうことでした。社会において使い物にならなくなった傍迷惑でどうしようもないダメ人間のレッテルを貼って。背後に大きな悲劇を背負ったＡさんが相手では、そうでもしないと、彼女を嫌わずにいられない自分の方が悪者ということになってしまい、都合が悪いから。

付き合いの長い私には、Ｂの思考パターンは手に取るように分かります 👇
『私は本来、相手の望み通りの優しい言葉だけを投げ掛け、誰も敵に回さず慰めたり褒め称えたりする役回りであり続けたかった。それなのにＡさんが足手まといなことばかりするから、私は一番勤続年数の長い大御所という立場柄、叱り役に回らなくてはならない。そういうのは私には不向きで、大の苦手分野だったのに、Aさんのせいで私の善人像が崩されていく！　叱らされる度に憎しみが膨れ上がってパンパンになり、もう自分の感情を抑えられない！』

……って、これ、要するに、自分の立場に伴う責任を引き受ける覚悟が間に合っていなかったというだけの話では？　加えて、そこまでめちゃくちゃに腹が立つのは、自分の善人像という薄っぺらな虚像を守りたい願望が強すぎたせいであって、大部分は自意識過剰から来る怒りでは？　徹頭徹尾、自分のことしか考えていませんよね？　そもそも一体誰のための優しさですか？　まさにそういうのを、偽善者と言うのでは？？？

Ｂがどんな気質や価値観、未成熟な側面を持ち合わせていようとも、これまでは、特にそれが他者や私に対して害になることはなかったので、「まあ色んな人がいていいんじゃない？」と、気にせず見過ごしていましたが、状況の変化によって、それが最悪の形であらわになった。

今度ばかりはさすがに、幻滅してしまいましたね。その未熟さの陰で、虐しいたげられている被害者がいますから。

ちなみに、友人Ｂのしていることを「いじめ」と表現するのは、私一人の主観による決めつけから来ているわけではありません。他ならぬＢ本人が言っていたのです。ダリアを観に来ていたこの日の帰り際に、Ｂは自分を正当化したいあまり、こんな発言をしていた。

「私の昔通っていた学校でも、いじめはあった。でも今振り返ると、やっている側が悪いとかじゃない。いじめっていうのは起こるべくして起こっていることやったんやわ」と、年月を経て自分がその立場になることでついに悟った、とでもいうようなしみじみとした表情で。

すぐ隣でその発言を聞いていた私の正直な本音を言えば、「愚かだな」と思った。

不合理な言動が目立つようになった同僚に、仕事の範囲内で「叱る」というのは、イヤでも誰かがやらねばならない必要なことなのだから、そこを責める気は今でも更々ない。それは仕事のうちだ。ただ、「叱る」を通り越して「怒る」→「当たる」→「いじめる」と、感情任せにとことん振り切るまでエスカレートしてしまったのは、Ｂ自身の理性が脆弱で、一旦感情に囚われ始めると自分を抑えられなくなる情緒不安定な人間だからだ。村上春樹さん流のメタファーで表現するならば、40代も半ばのいい歳をして、今に至るまで自身の井戸・・ ── つまり意識的に目指して創り上げた理想の自分像の奥底に、今も変わらず眠る本質的・無意識的な内なる世界 ── と、全く一度も向き合おうとしてこなかった怠慢さこそ、Ｂが最も責任を見て取らねばならないポイントだろう。

挙げ句に、見かねた私が、その責任範囲について話し合おう、Ｂ自身の問題と向き合わせようと、「例の職場の話だけど……」とＡさんに関する話題を持ち出し、「（叱るじゃなくて）裁こうとしてたよね」と言った瞬間、明らかに正常な人間のそれではない極端な反応の仕方で、Ｂは「怒る」でも「反論する」でもなく、突然キレた。

まだ話の本筋にたどり着きもしない前降りの段階で、こちらの話を自分の怒声でブツッ！ と断ち切り、「私は今責められてるんかな？　今更その話を蒸し返されてもな！　もういいわ！　この話はここまで！　やめよう！」と言って席を立ち、トイレに行くとか言って一旦姿を消した。私に一言たりとも口出しさせないように。

この日はランチからのスタートだったのですが、お昼時にそんなやり取りがあり、そのあとで主役のダリアを観賞し始めたので、ずっと心ここにあらずで全然楽しめなかった、という次第です💧　トイレから戻ってきたＢと、表面上は繕つくろって何事もなかったかのように花観賞を続行したものの、カッとなると烈火のごとくに怒り散らし、もはや「モンスター化」といって過言でないほど抑えがきかなくなっているＢの現状 ── それこそＡさん以上にアウト・オブ・コントロールですっかり壊れてしまっているＢの実態を、目の当たりにした直後ですからね。フラワーフェスどころじゃありませんでした💧

その間、私の頭の中では、過去に刊行した自分の出版作（小説）の以下のような言葉の数々が、走馬灯そうまとうのごとく ぐるぐると巡っていました▼

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「人間の判断に狂いが生じ、らしからぬ方向に身を落としていくきっかけは、大きく分けて三つある。明日を暮らす金に困ったときと、背中に負った厄介事が許容範囲を超えて、余裕を失くしたとき。そして最後に、受け入れがたい現実に直面して、頑なな拒絶に陥ったときだ」

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「現実を受け入れられない人間は狂いを来していく、というのは、君の言葉じゃなかったのか？
（中　　略）
　……受け入れられない事柄に直面して、頑なな拒絶に陥ると、そこを見ずに済むよう、視野の一部をあえて欠落させる他なくなってしまう。あとはその欠けた部分を別のもので補う辻褄つじつま合わせのため、事実をねじ曲げ、筋違いなこじつけをし、現実離れした認識に逃げ込むばかり。そうやって知らず知らず、らしからぬ領域に迷い込んで、漂流者・・・と化してしまうのだ、とか何とか……」

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「自分が許されたいから、加害者を許そうとするのさ。己の弱さや悪意の化身に見立ててな」

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「人というのは、生きていくうちに知らず知らず、多くを失っていくものだ。パターン化された日常生活の摩滅の中での、喜怒哀楽の喪失。周りの大勢に馴染もうと、調子を合わせて暮らすうちに失われていく、元来のバランスやコントロールの喪失。無個性で機械的な役割ばかりが求められる仕事人生における、アイデンティティの喪失。ときに鬼にならねば生きられないような状況下での、良心の喪失……。

　それらの喪失の延長上で、物事のライン引きができなくなった亡者たちが、二心のある権力者に操られたり、似た者同士で群れをなして組織化したりして、公害的な破壊力を発揮することも少なくない」

etc ………

Ｂも私のこれらの本、これらの言葉を、読んだはずなんですけどね。私の知人友人の中では、例の幼馴染みの親友Ｓ（←前回と前々回に投稿した詩作品に登場してきた人物）に次いで活字中毒の読書家なので、他にも色々な本を乱読してきた人物だ。それなのに自分がいざ当事者となると……。

残念ながら、本って無力だな～と思ってしまいました。書き手の一人としては、ただただ虚しい。虚しさ以外に何もない。

ただもちろん、この友人Ｂも、元々こんな風だったわけではありません。きっかけ一つで今のようになる「種」と言えるものは前々からあったのだとしても、ここまで急激な状況変化、環境の変化がなければ、誰かに対して害を及ぼすまでには至らなかったはずだ。

その意味では、皮肉ですがＢとＡさんは同じ立場。自分のキャパを優に越える出来事、認めがたい現実に直面して、我を見失った者たちによる足の引っ張り合い。壊れ者同士の壊し合いだ。

本当のところ、最大の問題はＡさんでもＢでもなく、心身が壊れてしまいそうなほど大変な目にあっている人たちに対して、手遅れになる前に手を差し伸べ、生活の心配をせずに休養を取らせるなどの制度や救済措置、カウンセリングなどの受け皿が、必要充分に社会に整備されていないこと（あるいは、あっても周知されていなかったり、大抵の人が理不尽な理由でその資格を認められずに振り落とされてしまい、見殺しにされること）が、何よりもの根本問題なんですよね。無力な個々人は皆、そんなザル社会の被害者です。

……と今この場で私が吠えてみたところで、この根腐れ甚はなはだしい日本社会が、困窮こんきゅうした国民のために大きく変化・改善される日など来ないだろうから、残念ながら今後とも余裕のない個人同士で、互いを責め合い蹴落とし合うだけのネチネチ・ドロドロとした陰鬱いんうつな地獄が続くだけ、というのが現実でしょうけどね。実に希望のない社会です💧

とは言え、Ｂに関しては、Ａさんほど八方塞がりな身の上ではない（←旦那も両親も健在で子供はなく、生活が安定している）のだから、私のような外部の知人友人（同僚以外の人間）と、もっと早くに小まめに会う機会を得られていたなら、多少は防ぐことができたのかもしれません。でも最悪のタイミングで起きた新コロ問題で、一番必要なときに会えない日々が長く続き、感染状況の落ち着きによりようやく会えるようになった頃には、Ｂはすでに人が変わったようになっていた。

それこそ『こいつ一体誰なんだよ？　私はこんな人間と友達になった覚えはないんだけど？　もはや完全に見知らぬ人だ』と言いたくなるほどの変貌ぶり。

本人にはやはり自覚がなかったようですが、ある時期から私に対する態度もやたら横柄になり、『あれ？　以前はこんな一方的な口調でものを言うタイプじゃなかったんだけど？　こちらの話を聞こうともせんし、何やら上から目線だな』と感じられた。

今思うとあれは、職場での態度がそのまま出た結果だったのでしょう。Ｂは長く同じ職場にいたため、気付けばいつの間にか、自分が一番古株の大御所ということになっていた。かつてはむしろ内気で引っ込み思案な指示待ち人間タイプだったので、最初は本人が誰よりもその立場に戸惑っていて、ある時期などは、教育しなければならない新人が入ってきただけで、『自分は人に指図したり教えたりすることには向いていないのに！』と大パニックを起こし、私の前で泣き出しそうになっていたくらいです。それが同僚の問題や新コロ問題など色々あって、しばらく会わないうちに、すっかり天狗てんぐと化していた。

『これまでは人に嫌われるのが怖くて（嫌われる＝いじめられる、だと思っていたから）、身を護るため周りの顔色ばかり窺いながら生きてきたけど、そうか、よく考えたら今は自分が頂点なんだから、そこまで人に気なんか遣わなくていいんだ。もう何でも好きにできる！』
……そう気付いたことで、成り上がり者の権力者のごとく有頂天になって。

そしてそんな職場でのノリをそっくりそのままに、プライベートの対等な付き合いであるはずの私に対してまで、大御所然とした視線を向けるようになった。持ち前のメンヘラ気質で元の自分を完全に忘れ去ると同時に、その自分と共にあった友人がどんな人間だったか、またその友人に自分がかつてどういう接し方をしていたかさえ、いとも簡単にすっかり忘れて。

狭い枠組みの中で、自分に肯定的な態度しか取らない追従者たちに囲われて過ごし、その上更に、自分の下に見下すべき落ちこぼれを一人設定することで、何やら自分が一回り大きく成長したかのように錯覚して、陳腐なプライドだけをめきめきと身につけていったＢ。おまけに彼女は、自分の中のなけなしの罪悪感を完全に拭い去るため、『私は自分を犠牲にして嫌な役回りを買ってまで責任を果たし、皆のためにダメな奴をやっつけてあげているんだ！』と言わんばかりの正義中毒に陥っていた。

こうなるともう、人間は自問の余地を失くして暴走あるのみだ。誰の言葉も耳には届かない。（←私の小説「PHASEフェーズ」で言うと、カルト教団の教祖に見られた傾向です。そして、嘘の上に自分の人生を構築してしまうこういう人間は、自分が心の地下室に封印している何か、、を見抜く者・気付かせようとする者が現れると、激しい怒りをもって敵視し、力ずくでも口を塞ごうとする傾向が強い。）

本気で『あんたのような部外者に何が分かる！　余計な口出しをするな！』と思うのであれば、私に話さなければ良かったものを、Ｂはある時期から、会う度猛烈な勢いでＡさんの悪口ばかり言うようになっていた。そう。元はと言えば向こうから一方的に話して聞かせたのだ。聞くに堪えない話の数々を。

最初のうちは、単なる職場の愚痴であり、仕事のストレスを吐き出したいだけだろうと、こっちも黙って聞き役に回るつもりでした。愚痴なら過去に私もさんざん聞いてもらったし、それで小爆発することで少しでも怒りがおさまるなら、と。

でもその内容は、あまりに不愉快で不同意で、到底聞き流せるものではなかった。

たとえば、３人の子供がいるＡさんが、焼け石に水程度の給付金（←子育て支援）をもらうことについて、Ｂはカンカンに怒りながら「私等はそんなお金もらえへんやんか？　あの人だけズルい！」と発言したことがあった。（←いやいや、あんたには子供がいないんだから、当たり前では？ という話💧　親からもらう単なる小遣いと勘違いしてんのか？💢）　またＢは、Ａさんを手助けしようとする男性が現れたことにも腹を立て始めたり（←そんなことあんたに関係ないだろ、という話💧）、更には、Ｂからの猛攻に耐えかねたＡさんの、「もう私も主人のところに逝ってしまいたいわ」という発言に関してまで、「そんな（ズルい）ことを言ってくるねんで💢😠」とますますヒートアップして怒り散らすだけだったり……。

（👆どうせまた、亡くなった旦那さんの話を盾にされると、罪悪感を抉えぐられて都合が悪いから、『そんな同情材料を持ち出してくるなんて卑怯だ！　私を悪者にするつもり！？』という意味で怒っていたんだろうけど、それはＡさんからの「もう限界だから容赦して。仕事で迷惑をかけているのは分かっているけど、存在価値までも全否定するようなあなたの責め方は、絶妙に私を死にたくさせる」という精一杯のサインでしょう。そんなことまで口走ってしまうほど、Ｂからの叱責が度を越していた、という証。もしそれで本当にＡさんが自殺でもしたら、どう責任を取るつもり？　という話です。叱るなとは言わんから、いい加減に感情任せの行き過ぎたいじめ、、、をやめろ👊💢）

もうね、そんなこんなで、いい加減こっちも限界だった。

こうも外道の域にまで自分のレベルを落としてしまった人間の、聞くに耐えない感情任せな発言の数々を、顔を会わせるたび浴びるほど延々と聞かされるのは、私にとっては拷問ごうもんでしかなかった。

離れるしかなかったのです。

私はもうＢには何も言わない。善人願望の強い正統派な人々とは違って、私は自分を冷酷な人間であると自認しているので、こちらの意見・忠告を怒声で掻き消すような相手にまで、くれてやる言葉など もはや一言もない。

── でもね、Ｂ。この場でこれだけは言っておく。「足手まといな壊れ者が排除されるのは社会の正しさであり必要悪、いじめは起こるべくして起こる」というあんたの持論は、これから他ならぬあんた自身に降りかかる現実だよ、と。

Ａさんの不合理な言動の数々に首をひねり、理解できないことで苛立ちばかりを募らせていたＢ自身も、実はしばらく前から、こちらが『はあ？　なんでそこでそういう行動に出るの？　自分でおかしいって分からんの？💢』と苛立ちを覚えるような不合理な言動を取るようになっていた。それは会うごと段階的にひどくなっていたし、私の見たところ、Ｂはおそらく今、鬱病うつびょうの初期段階にあると思われます。最後に会ったとき、表情に乏しく、激昂げきこうするとき以外は終始虚うつろな目をしていた。こちらの話しかけに対する反応も鈍くて、ワンテンポ遅れて反応したり、ときには無反応だったり。

人を呪わば穴二つ。

他人に対する行いは、いずれそっくりそのまま自分自身に跳ね返ってくる。このままどんどん壊れていき、Ａさんと同じレベルにまで不合理な言動しか取れないようになれば、当然仕事にも支障を来し、周りの顰蹙ひんしゅくを買うだろう。

そうなれば、Ｂ自身が次なるターゲットだ。

いざ実際にそのときが来ても、Ｂは尚も同じ考えでいられるだろうか？　このいじめも起こるべくして起きたこと、悪いのは自分の方で、相手は正しい教育、、をしているだけ、仕方のないことだ、と。

（もちろん、Ｂは一番古株なので、ターゲットになりにくい立場とは言えますが、その大御所の上にはまだ一人、医院の最高責任者たる先生がいますからね。よほど代わりのきかない能力を発揮し続けていて、がっちりと自分に都合の良い体制を固めていないと、そのうち、足手まといであることを理由に退けられるでしょう。壊れすぎると能力の維持は困難ですしね。またそもそも大御所といっても、Ｂは午後の短い時間、週３～４日程度、扶養の範囲内でゆるく出勤しているだけの身。よくいるフルタイムの正社員の大御所ほど、威張っていられる立場ではないのです。）

私はＢがここまで悪化してしまう前、確か一年半ぐらい前（？）に、Ｂに一冊の本をおすすめした。私には珍しく超有名どころの受賞作ではあるが、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」だ。単に面白いから、ではなく、今のＢがまさに読むべき一冊だと思ったからだ。ムラ社会で場を正常化するために、規範から外れた人間を正しく排除していく環境。それは自分が多数派のムラ人であるうちは、居心地の良いクリーンな居場所になるが、一旦自分が外れ者の異端者になると（あるいはずっと以前からそうだったことが、仮面の綻ほころびにより周りに見破られると）、自分自身があっさり排除されることをも意味している。

そして「壊れ者」という名の外れ者には、きっかけ一つで誰でもなり得るのです。元がどんなに「普通」で「真っ当」で仕事のできる（ムラ社会への貢献度の高い）人間だったとしても。

さて、この機会に皆さんも、少し考えてみてください。

あなたの身内や友人、隣にいる人物が、明日には誰かを一方的に攻めまくるプー◎ン大統領のように成り果てていたら、あなたはどうしますか？

あるいは、あなたに対してだけは、まるでエヴァ・ブラウンに対するヒトラーのように優しくしてくれた人が、一方では偏執的な迫害者である事実を知ってしまったら、あなたならどうしますか？

尚も何食わぬ顔で、そんな人物の隣にあり続けたいですか？

私には無理だった。無理すぎた。

この友人とのことをきっかけに、ふと昔関係が破綻してしまった幼馴染みの親友のことを思い出したので、前回＆前々回あんな詩を投稿したのですが、こうして色々書き起こしてみると、やはり今回のケースは全く性質が違う。私とＳも、当時は色々あって互いに同時期に壊れ者と化してしまったが、少なくとも私たちは、あの時点で誰かをいじめたりはしていなかった。

壊れ者と化した際の被害者・犠牲者の有無。これは重大な違いです。

ＳとＢとの共通点は、敏感なセンサーを持つため打たれ弱い点と、活字中毒の読書家であるという点だけだ。

今回の友人Ｂに対しては、絶交宣言ではなく「しばらく距離をおこう」と言うに留めたのですが、少し時間をおいて振り返った現時点での私の本音を言えば、私たちはもう元には戻れないだろうし、戻らなくて構わないというのが本音です。元々がもっと自分をしっかりと持っていて、芯の強い人物（←つまり自分を甘やかすよりも鍛えてきた人物）であれば、たとえ一時的に我を失い混乱を来したとしても、時間の経過や状況の変化・改善に伴い自己復元できるでしょう。でも自他共に認める「甘チャン」のＢに、それは望めない。ただでさえ最弱の人間が、あそこまで鎧よろいを纏って頑なになってしまっているのでは、将来性が微塵みじんもない。

だから私はもう、自分の知る以前のＢはこの世から消滅したものと見なして、前に進むことに決めました。持ち前のメンヘラ気質で自分を忘れるのと同時に、毎回知人友人のことまで忘れてしまうＢの中には、こうなるより以前から、すでに私という人間が存在しなくなっていたのだから、今更物理的に私がフェードアウトしても、大して変わりはないでしょう。

Ｂの話ばかり長くなりましたが、ここで少し話が変わります。

捨てる神あれば拾う神あり、じゃないですが、実はちょうどＢと入れ替わるような絶妙のタイミングで、このダリアフェスの数日後、ある人が声をかけてきて、思いがけないチャンスが訪れました。この人はＢとは対照的に、何かと男性優位に出来ているこの古くさい日本社会で逞しく奮闘して、株式会社を立ち上げるまでに至った女社長で、バリバリのキャリアウーマンです。正直、私とは全く住む世界が異なる人だったので、これまで薄く繋がりはあってもどこか距離を感じていて、会う頻度も数年に一度という具合でした。普段はLINEで軽くやり取りする程度。

そんな人物から、なんと仕事（副業）の誘いがあったのです。職員が親の介護のため辞めることになったので、うちに来ないかと。詳細は伏せますが、執筆業とは一切関係のない分野（むしろ真逆）で、私が最も苦手意識を抱いていた業種でもあります💧　でも、だからこそ、この不穏で険しい新時代に心機一転して、戻らぬ過去を吹っ切る上では、最適なのではないか？ とも思ったのです。もうすっかり時代は変わったのだから、マンネリ化した歩き方をやめて、今こそ新しいことを始めるべきなのだろう、と。

タイミングもタイミングだし、導かれたような気もしています。何かを失うと別の何かがやってきて、思いがけない始まりがある。そんなことが、今までにも一度ならずありました。そういうときには、自分の頭であれこれ考えて意識的に道を選ぶよりも、流れに委ねて飛び込んでみる方がうまくいくことが多い。

もちろん、大いに不安はありますよ。全く未知の業界、最も自分に不向きだと思っていた畑違いの方面に、今更という歳で突き進もうとしているのだから。最悪は自分が使い物にならなさすぎて、期待をかけてくれた人に迷惑をかける可能性もある💧　でもそこはもう、努力あるのみでしょう。できるところまでやってみます。とりあえずまずは資格を取るところからスタートです💨

そんなわけで、11月以降（特に12月から）は、研修やら資格試験やらでかなり忙しくなり、noteの更新頻度が劇的に落ちる可能性があります🙇　あるいは、あまり内容のない簡単なつぶやき程度のものを投稿して、とりあえず生存報告のみをする可能性もあります(^_^;)　それも慣れるまでの間の話なので、辛抱強くお付き合いください🙏

ではでは、ずいぶん長たらしい記事（しかもかなり気持ちのザワザワとする不愉快な内容）になってしまいましたが、最後までご覧いただきましてありがとうございました。このご時世、皆様も色々あって大変だろうとお察ししますが、心身が壊れてしまわないよう、逃げられることからは無理せずに逃げて、どうか身を守ってください。誰かに犠牲を強いるような自分に成り果てて、自分が何者かさえ思い出せなくなる前に──。