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【暴君女王】第3話 「繰り返す死」

これは「チャット小説」として書いたものです。
そのためセリフ以外の感情等の表現を極力簡潔にしてあります。
セリフをもとに想像してお読みください(*vωv)


アカネ (冗談じゃない!!
 ゲームをループするのはまだいい。
 毎回ミスるたびに…比喩じゃなく…死ぬほどの苦しみを味わうなんて…
 絶対精神がもたない…!

 考えろ…伊達に何百ってゲームやってきたんじゃないんだ…!
 ここが乙女ゲーム『春の微笑み』の世界なら…私がスカーレットなら…
 スカーレットでの攻略法は…「支配」

 ルーネ君は攻略キャラ7人の一人…絶対支配できるはず。
 徹底的に支配的な選択肢を選ぶ!)


 1:何でもない。気にするな。
 2:近寄るな無礼者!
 3:なぜお前がここにいる。


アカネ (来たな。1回目の選択肢。さっきは3を選んだ。
 でもこれじゃ支配ゲージは上がらない。
 …そういえば…支配ゲージが出てない…高難易度あるあるね…
 低難易度だと出てたステータスが隠される現象。
 ここが最高難易度のナイトメアモードなら
 このくらいのことはしてくるかもね…
 1番支配度が上がりそうなのは…)


スカーレット 「近寄るな!無礼者!」
ルーネ 「!?(ビクッ)」
スカーレット 「鏡を持ってこい!」
ルーネ 「は、はい」

アカネ (お?選択肢が飛ばされた!?)

スカーレット 「やっぱり…これを見ろ!首のここだ!」
ルーネ 「あ…申し訳ありません!つい夢中に…」

アカネ (ん?セリフがちょっと変わってる?)


 スカーレットは立ち上がると
 ルーネをベッドから引きずり下ろして蹴り飛ばす。


スカーレット 「どんなお仕置きをしてくれようか…」
ルーネ 「…………」

アカネ (ちょっとーーーー!勝手に進めないでよ!)

ルーネ 「やはりそうですか…あなたは…残念です。」

アカネ (え?この展開って…まさか)


 ルーネの両手には短剣が握られていた


ルーネ 「スカーレット様…………いえ、暴君女王」

アカネ (いやあああああああああ!)


 「YOU ARE DEAD」




ルーネ 「…………様…………様」
アカネ (ん…………あ…あー…………)


 暗転から目を覚ますと案の定最初のシーンまで巻き戻っていた。


アカネ (冗談じゃない…………実質一発ゲームオーバー…………
 しかも自発的に話せないし…行動もできない…
 選択肢間違うとムービー見せられるみたいに勝手にしゃべって動いて即死パターン突入って…
 いくら最高難易度だからってきつすぎる…………
 「YOU ARE DEAD」じゃねーよ…………
 死なんて…………一生に一回しか味わわないもんなのよ?
 何度もこんなの…………きついよ…………)

ルーネ 「お目覚めですか?」
スカーレット 「…………」
ルーネ 「…?どうかなさいましたか?」

アカネ (どうかなさいました?じゃないよ!
 2回あんたに殺されて満身創痍なのよ!
 スカーレットの身体は元気だけど、中の私の心が折れそうなのよ!
 2回目なんてほとんど自動だったよ!?
 せめてお仕置きシーン見せろよ!
 じゃないよ!くそぅ…………ゲーマーなめんじゃないよ!
 絶対攻略方法見つけてやる!)


 だがスカーレットことアカネは何度も死を繰り返す。
 首から血を吹き出しながら思う


アカネ (ああ…私はまた間違えた…って
 『タイムリープ繰り返して間違い続ける主人公』やってんじゃないよ…
 なんでよ…なんでうまくいかないのよ…!
 いつになったらこの『悪夢』から抜け出せるの…?)


 「YOU ARE DEAD」


 ぐったり…


アカネ (思えば1番最初が一番進んだ気がする…最初の通りにやってみよう)


 順調に進んでいく。
 そして例の選択肢…


 1:私は漆黒の闇のようだと言うのか?
 2:血が飛んでも目立たぬからか?
 3:返り血を浴びても目立たぬからか?


アカネ (ここまでの選択肢…
 1:何でもない。気にするな。
 2:近寄るな無礼者!
 3:なぜお前がここにいる。
 で
 3:なぜお前がここにいる。

 1:鏡を持ってこい
 2:そうだったか?
 3:出て行け!
 で
 1:鏡を持ってこい

 1:首を跳ねてやる!
 2:どんなお仕置きをしてくれようか
 3:そんなに良かったか?
 で
 3:そんなに良かったか?

 1:お前が着ろ
 2:お前が着せろ
 3:お前は裸になれ
 で
 2:お前が着せろ


 …………どれも「支配度」が上がるとは思えない…………
 辱め方もからかって喜んでる軽めのやつ…
 あからさまな支配はまだなのかな…

 とにかく…彼を突っぱねる選択や
 殺すことをにおわせる選択肢はダメだった…

 だとしたら、ここでの選択肢は…


 1:私は漆黒の闇のようだと言うのか?


アカネ (うう…ドキドキする…)

ルーネ 「ええ…スカーレット様には…夜の闇が似合う…
 夜の闇の中で…また愛させてください…」


 ルーネはスカーレットを優しく抱きしめる。


アカネ (そ、そうくるのかーーー!?
 ん?ルーネ君…スカーレットのこと「愛してる」って言ってたよね?
 私はこのゲームの知識があるから…彼の背景を知ってるし
 だから愛するなんてありえないと思い込んでた…
 このスカーレットも彼の背景は知ってるはず…
 っていうか言ってた気もする…
 でも…彼の気持ちや思惑を考えてみると…

 もしかして…「愛してる」って思わせたいの?

 そんなのに引っかかるスカーレットじゃないと思うけど…
 乗ってみようか…?)


 すると選択肢が出た


 1:お前の愛が誠なら証明して見せろ
 2:愛されるというのは悪い気分ではないな
 3:貴様の企みは分かっている


アカネ (…明らかに2は悪手だと思う…でも乗ってみるって決めたんだ…!)


 2:愛されるというのは悪い気分ではないな


 ルーネは驚いてスカーレットを見る。


ルーネ 「私の言葉を…信じてくださるんですか?」
スカーレット 「さあ…どうだろうな?」


 スカーレットは微笑む。


スカーレット 「腹が減ったわ。食事へ行くぞ」
ルーネ 「はい」


二人は部屋を出て食堂へ向かった。


アカネ (うそ…………進んだ…………)


 アカネは残念ながらスカーレットの視点なので見えていなかったが
 「さあ…どうだろうな?」と答えたスカーレットの微笑みには哀愁があった。
 その顔が物語を進ませたのだがアカネは分からなかった。

 廊下を二人で歩いていると、近衛兵の一人がこちらに気づき
 一度握った右手で肩の付け根あたりに触れた後
 その右手を広げて腹を押さえて頭を下げる。


アカネ (これは敬礼?こんなモーションだったんだ…)


 彼は声をかけてきた。


近衛兵 「スカーレット様、おはようございます」

アカネ (この筋骨隆々で長身…浅黒い肌…近衛兵のマルテだ!
 彼も攻略キャラの一人…
 ってことは…この人にも…)


 近衛兵はスカーレットに耳打ちする


近衛兵 「今夜の係は俺です。よろしくお願いします」

アカネ (ぎゃあ!選択肢ぃ!?)


 1:ここでする話ではないだろう
 2:乱暴にしたら許さぬぞ
 3:楽しみにしている


アカネ (こ、これもルーネと同じ感じで良いのかな…だとしたら…)


 3:楽しみにしている


スカーレット 「フフ、楽しみにしているぞ。マルテ」

アカネ (あ、やっぱマルテなんだ)

マルテ 「それは嬉しいお言葉…
 ならば今ここで抱きしめて差し上げましょう。」


 マルテは甲冑姿のまま力いっぱいスカーレットを抱きしめる。
 ボキボキと骨の折れる音がする。


スカーレット 「う…ぐ…………」
マルテ 「さようなら。ふしだらなスカーレット様…………いえ、暴君女王。」

アカネ (ぐえ…圧死って…ふざけんな…苦しい…痛い…吐く…)


 「YOU ARE DEAD」


アカネ (うそでしょ…ここまで来て…やっと部屋から出れたのに…
 マジでこれ…選択ミスで一発ゲームオーバーだ…きつすぎる…)


 薄れていく意識の中でスカーレットことアカネは絶望的な気分になる。
 が、気が付いたら扉を開けるところ。


アカネ (え…………?)

ルーネ 「どうしました?食堂へ向かいましょう」

アカネ (オートセーブ!?
 まさかの…新設設計…………泣きそう…………
 でもスカーレットは涙を流してくれないんだよね…………
 でも中の人は感謝で泣いてるよ!)


 近衛兵のマルテに会う。


アカネ (さっきマルテは「ふしだらな」って言ってた…ってことは)


 マルテはスカーレットに耳打ちする


マルテ 「今夜の係は俺です。よろしくお願いします」


 1:ここでする話ではないだろう
 2:乱暴にしたら許さぬぞ
 3:楽しみにしている


アカネ (1!)


 スカーレットはマルテを突き飛ばし冷たく言う。


スカーレット 「ここでする話ではないだろう。わきまえろ!」
マルテ 「!失礼いたしました。」


 スカーレットはそのままルーネと食堂へ向かう。


アカネ (切り抜けた!!!
 攻略対象によって攻略方法が異なるのはテンプレだけど
 一発死がリアルにあると思うと何度も試すのはごめんだわ…
 マルテは厳格なスカーレットが良いのかな…
 でも、またあのベッドからじゃなくてホントに良かった…)


 安堵したアカネだったが
 このオートセーブシステムが後に厄介なことになるとは
 まだこの時点では思いもしなかった…


 <第4話へ続く>





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