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僕はどこへ行くのか

罪悪感があって。
ずっと前から。
僕という人間は、自分が1番大切で、他の事にまるで興味がない。
運動オンチで運動会が嫌いだった。移動が苦手だから修学旅行も面倒なだけ。
みんなが楽しみにしてることは、僕は楽しみじゃなかった。
それに罪悪感が生まれたのはいつだっけ。学校の授業で「沈黙の春」を習った。あの時かな。
人間が生活するせいで地球に迷惑をかけてると。ショックだったんだろうと思う。
自分みたいな人間、世の中の事が考えれずに自分の事だけ考えてる人間、役に立たない人間、だからできるだけ他の人に迷惑かけずに居ようと思ってたけど、それでもダメなんだ。
生きてるだけで地球に迷惑かけてる。呼吸するだけで悪いことなんだ。生まれた時から迷惑をかけ続けていて、もうそれは取り返しがつかない。それならすぐに居なくなればいいのかと考えたけど、居なくなるのにもまた迷惑をかけてしまう。
なんで生まれてきてしまったんだろう。特ににやりたい事もないのに。迷惑をかけるために生まれてきたのか。
10代の最後の頃、悩んだ。
そんで、今までの罪が帳消しになるようないい事をして、そして早く居なくなるのがいいと考えた。
それから、色々手を出してみた。そしたら、何をするにも自分には何の力もない事がよくわかった。打ちのめされた。
詰んだ。
それで、もがいて、あがいて、そんな僕を気にしてくれる人もできて、それが僕の生きる理由になった。 
自分に新しく家族ができて生活は忙しくなった。罪悪感はどうなったんだろう。まあ、そんなこと考えてる余裕はなかったか。
いや、まだあったね。だから、新しく生まれてくる命にもその事を伝えていかなければならないと思ってた。なんなら、自分の罪を子供にも償せようとしてたのかもしれない。
でも、途中で気がついたんだ。 
いや、そうじゃないなって

僕は音楽には大変興味があって、特にロックンロールを聴くのが好きで、その中でも大好きなバンドにこんな曲があったんだ

ザ・ブルーハーツ 首つり台から 
作詞・作曲 甲本ヒロト

前から好きな曲だったけど、この曲に全部歌われてたんだ。
 生まれた意味なんてわかんないと、俺は役たずだと、そんでも前しか見えないよと


「最高の クライマックス
 首つり台から うたってあげる
 首つり台から 笑ってみせる」
「死んだら地獄に 落として欲しい
 どこへ行くのか どこへ行くのか」 



この歌詞に救われた。
そうだよ、僕は無罪になろうとしたから苦しかったんだ。罪を認めたらいいんだよね。

 今まで呼吸してきた罪
 世の中の役に立たない罪
 みんなとうまくやれない罪
 美味しいものを食べる罪
 自分の好きな事をする罪
 自分の好きな人の笑顔を見る罪
 自分の人生を楽しむ罪

僕はこの罪をずっと続けてる。これからも続けるつもり。
 いつかこれが発覚して、つかまって首つり台に送られるかもしれない。
 そんで地獄に落とされて、業火の中で何万年も焼かれるかもしれない。
 でも、それでいい。
生まれてすみません、みたいな気持ちで天国にすがるのはカッコ悪い。そんなところ行きたくない。
 地獄行きは、カッコいい。どうせなら映画俳優みたいにニヤリと笑って行きたい。でも、ホントの瞬間がきたら、僕はたぶん泣いて嫌がるんだろうけど。それが、また馬鹿っぽくていいなあと思う。
 地獄行きを決めたら楽になった。
僕は自分の人生を貪欲に楽しむよ。仕事の時は違うけどね。仕事の時は全てを売り渡してる。これも罪っぽいけど。
プライベートはほんと、できるだけ嫌な事はやらないようにして、好きな事だけやる。
これだけ書いて、最後にワガママ宣言で終わるなんて、なんて男だろ。
いいんだよ、僕、地獄行きだからね。
  
 



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