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中小型株の魅力・おすすめ3銘柄|株式投資のポートフォリオも紹介

株式投資で中小型の銘柄が気になる方へ。
2023年は日米とも大型株の過熱感が継続しており、調整リスクが高い状況といえます。
また、株式市場には数多くの銘柄があり、決断に迷うケースもあるのではないでしょうか。

そこで今回は、中小型株の魅力と、おすすめの3銘柄を紹介します。
加えて、実在するポートフォリオの例を提示しながら注意点を解説。
ぜひ、最後まで読んでいただき、銘柄選びに役立てていただけると幸いです。

参照:2023年度 投資環境見通し | 三菱UFJ信託銀行


株式投資・銘柄選びはトレンド分析が重要

Nasdaq総合指数 直近の陽線をアウトサイド
Nasdaq総合指数

株式投資における銘柄選びでは、市場のトレンドを読む力が必要です。
まずは、世界経済の中心である、米国の状況を把握しておきましょう。

2023年後半から米国経済は、調整・下落局面を迎えつつあります。
2022年3月の景気刺激策「量的緩和」の終了から、金利は1年4ヶ月で5.5%に上昇しました。
未だインフレの制御は不確定であり、米国債格下げの影響も懸念材料です。
結果、2023年8月には、Nasdaq総合指数が2週連続で陰線を形成。
直近の陽線をアウトサイドする形となりました。

日本経済においても、米国の先行き不透明感からくる影響を無視できません。
YCCの修正など、日銀の金融政策に不確実性がみられます。
結論として、日米とも株価は高値圏から陰りが見えている状況です。
今後は目線を中小型株に移して、リスクヘッジに努める局面といえるでしょう。

参照:【スピード解説】FOMC|後藤達也 (note.com)
参照:米国 - 利率 | 1971-2023 データ | 2024-2025 予測 
参照:NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)- 株探(かぶたん)

中小型の株式銘柄に投資する3つの魅力

中小型の株式銘柄に投資する3つの魅力

大型銘柄は、すでに高値圏に到達しています。
特に、商社株は過熱感が強く、今後は調整する可能性が高い状況です。
そのような背景から、今後は時価総額1000億円以下の中小型の銘柄に注目するべきかと考えています。
中小型の銘柄には、3つの魅力があります。

  1. 伸びしろが大きい

  2. 株価が安く買いやすい

  3. 市場の変化に対応できる

それでは順に解説していきます。

参照:プロに学ぶ中小型株投資- 日本経済新聞 (nikkei.com)

その1.伸びしろが大きい

中小型株とは、時価総額が1000億円以下の株式を指します。
大型銘柄と比べて、中小型株の最大の魅力は成長性の高さです。
成長性が高い企業は、売上や利益の増加による株価上昇の可能性が高いと考えられます。

中小型株の成長性が高い理由は、新しい技術やサービスを開発するポテンシャルです。
近年では、AIやEVの分野などで独自性、差別化を打ち出して成長する企業が増えています。
極端な例ですが、EV自動車メーカーのteslaも2010年当時は1株17ドル。
時価総額は、2億2,600万ドル(約200億円)でした。

中小型の株式銘柄は、革新的なソリューションを武器に飛躍する期待が持てます。

参照:テスラ時価総額 2010-2023 |マクロトレンド (macrotrends.net)
参照:テッククランチ (techcrunch.com)

その2.株価が安く買いやすい

中小型株のもう一つの魅力は、株価が安価で買いやすい点です。
1株あたりの金額が低いため、少ない資金でも多くの株を購入できます。
また、株価が安価であれば、少しの値動きでも利益率が高くなります。

例として次の3つ銘柄を見てみましょう。

  • 2353日本駐車場開発

  • 4448Chatwork

  • 8139ナガホリ

上記の3銘柄は2021年から2023年の期間内で、いずれも倍以上の株価上昇を果たしました。
現在も安値に戻ることなく、株価を維持しています。

とくに、Chatworkのような成長株には、注目しておきましょう。
PERやPBRが高いことから市場からの期待が高いことがわかります。
目論見通りに成長すれば、今後もリターンも期待できるでしょう。

参照:日本駐車場開発(株)【2353】:チャート - Yahoo!ファイナンス
参照:Chatwork(株)【4448】:チャート - Yahoo!ファイナンス
参照:(株)ナガホリ【8139】:チャート - Yahoo!ファイナンス

その3.市場の変化に対応できる

中小型の銘柄企業には、大企業ほどの安定感はありません。
企業として成熟していないからです。
しかしながら、規模が小さく小回りが利く長所があります。
経営判断を迅速に反映しやすいため、市場変化に敏捷に対応できる点が魅力です。

また、大胆な経営戦略を実行できる点も長所です。
大型銘柄に属する企業では、株主や社員のために安定性を重視する傾向があります。
しかしながら、中小型銘柄の企業では売上利益のほとんどを設備や広告、人件費に費やす例も少なくありません。

当然、売上が伸びても利益は残らないので、特金の評価(株価)は下がります。
それでも、市場の変化に応じて投資できる企業には、将来のリターンも期待できます。
将来を見据えつつ、損切りするポイントはしっかり決めて購入しておくとよいでしょう。

株式投資におすすめ中小型株3銘柄

株式投資におすすめ中小型株3銘柄

今後の株式投資におすすめしたい有望株を3つ紹介します。

  • 2492インフォマート

  • 4344ソースネクスト

  • 4080田中化学研究所

上記は筆者も買い増しを進めている銘柄です。
次の章で解説していきます。

1.インフォマート|インボイス銘柄の大本命

インフォマートのチャート
インフォマートのチャート

インフォマートはBtoBプラットフォーム(企業間の取引を電子化)に特化した会社です。
飲食の受発注、商談、規格書を電子化するサービスからスタート。
業績は右肩上がりの成長を続けて、現在では90万社を超えるユーザー実績となりました。
売上についても、直近決算で前年同期比18.7%増を達成しています。

利益については投資戦略を実施しているため、減少を続けています。
ネガティブに見えますが、2026年までの成長計画に沿っているため心配しすぎる必要はないでしょう。

近年では他社との協業を進めており、飲食以外の分野にも進出。
さらに、請求書の電子化事業は前年同期比40.6%増加しています。
10月からのインボイス制度に向けて、さらなる飛躍が期待できるでしょう。

参照:株式会社インフォマート 2023年12月期第2四半期決算
参照: 株式会社インフォマート 第26期2四半期報告書
参照:インフォマーとの資本業務提携|TANOMU(タノム)公式 (note.com)

2.ソースネクスト|ポケトークでソフトバンクと協業

ソースネクストのチャート
ソースネクストのチャート

ソースネクストは、ソフトウェアやIoT製品の開発・販売を行う会社です。 
主力製品は、AI通訳機「ポケトーク」で、世界90カ国以上の言語に対応しています。

2024年3月期第1四半期で売上高が前年同期比12%増の22億7700万円と好調です。
最近では、ポケトーク事業を手がける子会社ポケトークと、ソフトバンクとの間で業務提携契約を結びました。 
上記により、3年間で100万台を販売する計画も立ち上がっています。

また、ポケトーク単体で子会社化しており、こちらの上場計画も進行中。
実現した際には、株価、時価総額の大幅な上昇も見込めます。

ソースネクストは、他の製品やサービスにおいても他社との協業を積極的に進めており、今後も成長が期待できる銘柄です。

参照:ソースネクスト株式会社 2024年3月期第1四半期決算短信
参照:企業・IR | ソフトバンク (softbank.jp)

3.田中化学研究所|EV化に向けて期待大

田中化学研究所のチャート
田中化学研究所のチャート

田中化学研究所は「正極材料」を主に手掛ける企業です。
正極材料とは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの高性能二次電池に使われる重要な部品です。
田中化学研究所は、この分野で業界のトップクラスのシェアを持ち、国内外の大手電池メーカーや自動車メーカーと取引しています。

2024年3月期第1四半期では、経常利益(非連結)は前年同期比0.6%減の11.4億円でした。
しかしながら、通期計画の9.3億円に対する進捗率は123.2%とすでにクリアしています。
加えてROEも上昇傾向にあり、資本効率が改善していることが確認されました。

EV市場の拡大により自動車用リチウムイオン電池向け正極材料は、堅調な伸びが予測されています。

参照:https://www.tanaka-chem.co.jp/ir/pdf/R05_0801.pdf
参照:田中化学研究所 (4080) : 決算情報・業績- みんかぶ (minkabu.jp)

株式投資の実際のポートフォリオを公開

株式投資の実際のポートフォリオを公開

筆者が実際に所有している銘柄を表にまとめました。
(データは2023年8月中旬)

筆者が所有する株式のポートフォリオ
■筆者が実際に所有する株式ポートフォリオ

上記のポートフォリオでは、資産の時価総額と利益の額は公表しません。
それでも大幅な利益を出せているのは、お分かりいただけると思います。

大型バリュー銘柄の魅力とピークアウト

ポートフォリオから分かるように、利益の81.3%は大型のバリュー銘柄から出しています。
「伊藤忠商事」「三菱商事」「JT」の3銘柄がポートフォリオをけん引している状態です。
大型銘柄は、業績の安定している企業が多く、定期的に配当が入る点も魅力です。

不動産セクターの「イオンリート」はマイナスですが、直近まではプラスでした。
日銀の金融緩和の見直しに影響され、マイナスに転じたと考えられます。

総じて、大型のバリュー銘柄は配当金も含め、保有し続ける旨味があります。
ただし、イオンリートに見られるように、ピークアウトの影が近づいているように感じます。

中小型銘柄の可能性と今後の希望

ポートフォリオの「2492インフォマート」に注目しましょう。
インフォマートは先にも紹介した有望銘柄です。
時価総額が約280億円の企業で、安定感では大型銘柄に到底及びません。
それでも、ポートフォリオでは19.5%の利益を出しています。
2023年の2月〜5月の間に買い集めたので、3カ月で成果を得られました。

ここからも、中小型銘柄の可能性を感じ取れるのではないでしょうか。
同じ時期に「4344ソースネクスト」「4080田中化学研究所」も買い進めています。
日本経済がピークアウトしても、可能性を感じる企業を見いだせれば問題ありません。
ただし、中小型株は所有している銘柄の時価総額の20%に留めています。

株式投資で銘柄選定する3つの注意点

株式投資で銘柄選定する3つの注意点

株式投資において銘柄選びは重要なポイントです。
そこで、銘柄選定の注意点を3つ解説します。

  1. リスクを分散する

  2. 中小型株の割合は20%程度

  3. 銘柄は絞って管理する

筆者の体験に基づいて解説します。
先に紹介したポートフォリオも参照してください。

1.リスクを分散する

ポートフォリオからも分かるように、株式投資はリスク分散が重要です。
1つの銘柄やセクターに集中投資するのは控える方が良いでしょう。
なぜなら、株式投資と投機は別物だからです。
どんな場面になっても、損するリスクは最小限にするのが鉄則。

セクター別のリスク分散例(筆者のポートフォリオ)

■筆者が実際に所有する株式ポートフォリオ セクター別
■筆者が実際に所有する株式ポートフォリオ セクター別

セクター別では卸売業が35.14%の保有割合で、全体に対して61.8%利益を出しています。
上記はやや目立ちますが、突出するほどではありません。

銘柄のリスク分散例(筆者のポートフォリオ)

■筆者が実際に所有する株式ポートフォリオ リスク分散

企業別で見ても、分散リスクヘッジは成功しています。
偏った投資は失敗した時の痛手を広げてしまうため、おすすめできません。

2.中小型株の割合は20%程度

中小型株は成長性の高い企業が多く、投資の観点からも魅力的です。
ただし、企業としての体力や安定感では不安もあります。

銘柄のリスク分散例(筆者のポートフォリオ)

■筆者が実際に所有する株式ポートフォリオ 

中小型株のポートフォリオの割合は、所有銘柄の時価総額の20%程度を推奨します。
20%の範囲であれば、損失を出しても被害は限定的で済みます。
投資を判断する情報についても、大型株ほどの量は得られません。
資金をつぎ込みすぎると、不測の事態に対応が遅れた際に大きなリスクを負います。
投資する際には、安全を確保する立ち回りが重要です。

3.銘柄は絞って管理する

投資する銘柄は管理できる範囲に絞りましょう。
株式投資では、銘柄ごとに多くの情報収集が肝心です。
日々の株価の動き、業界のトレンドや背景などを数多く確認する必要があります。
銘柄が多すぎると、管理が行き届きません。
買い時や逃げ(売り)時を逃してしまい、投資として失敗するリスクが高まります。

筆者は8銘柄を所有していますが、これ以上増やすつもりはありません。
6銘柄程度に絞っていくつもりです。
買い増し一辺倒ではなく、銘柄の入れ替えをするのが理想だと考えています。

中小型銘柄の株式投資でよくあるQ&A

中小型銘柄の株式投資でよくあるQ&A

中小型の銘柄へ投資したいけれど、不安が大きい。
立ち回り方が分からないし、教えてくれる人もいない…
そんな方のために、よくある質問を2つ紹介します。

Q1:中小型株投資で失敗を回避するには?

投資先の企業が発表する決算は常にチェックしてください。
チャートでは月足と週足を確認しつつ、過去の決算短信と照合しておきましょう。
どのような流れで、現在に至っているのか。
決算が出た時期のチャートは必見です。

活動の方針にブレがなく、市場から好感される動きになっているかを確認してください。
また、損切りするタイミングを決めて、該当したら躊躇なく逃げましょう。

Q2:中小型株投資で成功するためのコツは?

成功するためには、失敗回避と同じく決算のチェックが大事です。
投資したい企業のトップが、どのような発言をしているかも大切です。
会社のHPやSNS、YouTubeなどの媒体で確認しておきましょう。

また、中小型株は、業績や株価に大きな変動がある場合が多く見られます。
定期的な見直しを行い、 自分の投資目的に合わせて、ポートフォリオのバランスを調整しましょう。
成功するためには、自分の判断力と粘り強さを鍛えることが必要です。

まとめ:株式投資の醍醐味は中小型銘柄にある

今回の記事では、株式投資における中小型株の魅力をお伝えしました。
さらに、おすすめの3銘柄について紹介しています。
中小型株は、成長性が高く、株価も安価で買いやすく、市場の変化に対応できるメリットがあります。

また、インフォマート、ソースネクスト、田中化学研究所を有望な銘柄として、具体的に解説しました。
筆者の実際のポートフォリオも公開しているので、ぜひ参考にしてください。
株式投資の醍醐味は中小型銘柄にあります。
あくまで自己責任ですが、ぜひ今後の投資に役立ててください。


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