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いわきを「再定義」する

社会人になって早々に仕事を辞め、いわきに流れ着いた僕ですが、ここでの生活ももうすぐ1年経とうとしています。

 いわきでの1年間では本当にたくさんの人と出会い、いろんなものを見させてもらいました。その中には、いわきが抱える複雑な歴史や、10年前の震災の爪痕もあった一方、そうした「課題」を前向きに捉え、新たな魅力へと「再定義」していくものも多くありました。
 例えば、市地域包括ケア推進課が運営する『igоku(いごく)』というメディアです。僕自身、こちらでウエブ記事を書かせていただくこともあったのですが、『igоku』では「なんだか硬くて重苦しい雰囲気」の福祉の分野を、デザインやアートなどの力を借りながら「課題を面白がる」ことで、いわば「閉じた世界」であった福祉を開いていく試みがされていました。
 また、今僕が所属しているNPO法人「中之作プロジェクト」でも、「津波被害があった人口減少地区」という重苦しい課題を、「空き家の再生」という前向きな取り組みに変換し、新たな人の流れを生み出しています。

 こうした「課題」を面白がり、そこに新たな価値を見つけ、「再定義」していく取り組みこそ、震災から10年を迎える福島・いわきにとって最も必要なことではないかと考えるようになりました。

コウノヤ管理人・中之作)

<いわき民報・3月10日付『くらし随筆』>

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