こじま さちよ

絵を描いてのほほんと暮らしたかったはずなのに、大学でデザインを勉強したのち、会社をいく…

こじま さちよ

絵を描いてのほほんと暮らしたかったはずなのに、大学でデザインを勉強したのち、会社をいくつかつくるような人に。クリエイティブに特化したHRコンサルティング16年。東京、大阪、米国ポートランドにてアップサイクル/クリエイティブリユース RINNE PROJECT 代表

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  • RINNE PROJECT

    RINNE「モッタイナイという言葉を持つ日本が捨てられるものに価値を見出し持続可能な未来を創っていく活動」に関連する素敵な記事をまとめています。

最近の記事

スペインからやって来たエヴァ

「神戸に半年の語学留学に来ている、スペイン、グラナダ出身の22歳の女の子と知り合ったんだけど。デザイン関連でインターンできるところ知らないかな」と友人から年初めに連絡がありました。 よく聞くと、プロダクトデザインの学科を卒業して、スイスの大学院にアプライ中。伝統文化とテクノロジーの融合、緻密さなどを考えると日本のデザインが素晴らしいと感じ、初来日。まずは日本語を勉強していること。実家がジュエリー工房で手工芸の生まれ育ち、地域貢献(町おこし、福祉)、環境分野に関心が高いとのこ

    • ケアしたくなるデザイン

      うちのお店は、ご近所はもちろん、全国のおばあちゃんと関係があります。 近所に住むおばあちゃんは「あんたたちの顔を見に行くにようになって、ベットから起きて歩くようになったのよ」とつぶやきます。コロナ禍は体調を悪くし、寝たきりで外に出る元気もなかった様子。昨年の春から、若いスタッフが入って活気づくウチに、時々賄い?持参で寄ってくれるようになりました。ご常連のおじさんとも顔見知りになり「いつもきてくれてありがとね」と互いに挨拶するようになりました。 全国のおばあちゃんたちは、ウ

      • ②米国ポートランドとここ東京の下町と比べて「地域コミュニティとは何か?」考えてみる

        前回からの続き、米国オレゴン州ポートランド(2023年5月)で多くのインプットを得て帰国後、ほっと一息つく間も無く東京は下町のお祭りに突入しました。大きくは2つのイベント「モノマチ」「鳥越祭」がとても印象的でした。そして気づいたことをまとめてみます。 モノマチ2023 私たちのお店 Rinne.barがある街は古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ東京都台東区南部エリア(御徒町~蔵前~浅草橋にかけての2km四方)のまんなかにあります。近くにはファッション、デザイン起業者

        • ①米国ポートランドとここ東京の下町と比べて「地域コミュニティとは何か?」考えてみる

          2018年から、たびたび訪れていた米国オレゴン州ポートランド。 ポートランドでの事業展開はコロナ景気で低迷中と聞き、状況を知るために新しいメンバーを連れて、1週間行ってきました(2023年5月)。 そして、多くのインプットを得て帰国後、ほっと一息つく間も無く東京は下町のお祭りに突入しました。 思いがけず、全米で住みたい街として注目されてきたポートランドと、ここ江戸文化発祥の下町を短期間に比較して考える時間になりました。 そうして見えてきた違いを発見し、それぞれの課題と良さを

        スペインからやって来たエヴァ

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        • RINNE PROJECT
          17本

        記事

          Walk On The Wild Side🚶

          「ワイルドサイドを歩け!だね」 この4月、新卒を2人採用するんだ。なかなかキツいけどおもしろい方を選んだよ。 と友だちに話した時にこんなコメントをもらいました。 思い起こせば(ココにも書きました)2年前。お客さんとして入ってきた女子大生ふたりをインターンとして入ってもらうことも、まして正社員として採用するなんて思ってもみませんでした。 一緒に過ごしてきたこれまでを彼女たちは一冊の本(自費出版のBook)にまとめ、クラファンも達成するなどたくさんの人のご協力でインターンシ

          Walk On The Wild Side🚶

          小さな一歩、ドキドキな裏側

          先日の土曜日、パークスパークマーケットという東京 隅田公園での野外イベントに、応援している学生チームがデビューしました。 このチームは、3ヶ月前に配財プロジェクトの皆さんとの企画会議から生まれました。サトウ化成さんのウレタン廃材を使って、スミファでワークショップを実施するプロジェクトチームです。 チームビルディング 配財プロジェクトの推薦は芸大の彫刻学科のセキノくん、武蔵美のクリエイティブイノベーション学科のカナヤくん、ファッションやアートについて学んでいるイワイさん。

          小さな一歩、ドキドキな裏側

          インターンに泣かされてしまった話

          いま、わたしをよく知る知人、友人たちは 今までクリエイターに特化した人事や組織コンサルとして順調そうにやってたのに急展開だな!大丈夫?って言います。 お金のことばかりを考えたらそのままの方がずいぶん良かったけれど 確かに、見た目には違う車線に入った事業推進です。 最初は単純な動機で、クリエイティブな界隈で仕事をしてきて デザインシンキングもアートシンキングもとてもいいけれど理屈じゃなくて手で作業することが大切じゃないかな…失敗して、間違って、小さくてもカタチになった完成を

          インターンに泣かされてしまった話

          発見して土台をつくる

          インターンのあかりさん、ちひろさんが入ってから2ヶ月ほど経ち、「なぜやっているのか」「来た人はどんな体験を喜んでいるのか」というRINNE プロジェクトのあり方、サービスをひととおり吸収してくれました。 次はアウトプット。自身のアイデアを出して、カタチにしてもらう実践を前に武蔵野美術大学のクリエイティブイノベーション学科1期生、あやのさんに経験のシェアをお願いしました。 あやのさんとの出会い彼女との出会いは、クリエイティブイノベーション学科3年生 山崎先生の「クリエイティ

          発見して土台をつくる

          ソーシャルプラクティスとインターン

          最近、大学生ふたりをインターンとして受け入れました。 続くコロナ禍。日々、余裕がないので仲間からは心配されたけれど「この子たちはスゴイかもしれない✨」とピンときてしまったので、ジャンプ台になるべく、メンターをすることにしました。 出会い6月のある日曜日、「ここだ!」という声がして、かわいい女子大生3人がニコニコしてお店に入ってきました。 アップサイクル を調べるうちにソトコトのリンネバーの記事を発見して、みにきてくれたそうです。とても熱心に話を聞くので大学で何を学んでいるの

          ソーシャルプラクティスとインターン

          レッジョ・エミリアの教育思想のおもしろさ(後編)

          前回は成り立ちで、今回は具体的なレッジョ・エミリアの教育思想の実践について考えてみる。 レッジョ・エミリア が世界で話題になったのは展覧会「子どもたちの100の言葉」展(1988)から。米ニューズウィーク紙にて「世界で最も革新的な学校」として紹介され、教育思想が注目されることになった。 世界中から視察や相談が増え、受け入れのためレッジョ・チルドレンという有限会社を作り(1994)国内外の交流や教育研修、コンサルティングのサービスを請け負うようになる。 日本では2001年

          レッジョ・エミリアの教育思想のおもしろさ(後編)

          レッジョ・エミリアの教育思想のおもしろさ(前編)

          イタリアの小さな街、レッジョ・エミリアの教育についてここで探っていきたい。 いろいろな資料をみてみると、単に子どもの教育と捉えるにはもったいない深い価値観や哲学に裏付けられていて、人が共存し、互いに成長するヒントがたくさんある。 ❶最古の大学があるイタリア、エミリア・ロマーニャ州レッジョ・エミリアの街があるイタリアの北部、エミリア・ロマーニャ州。古くからこの地方は農産、畜産品の豊かな地域。イタリアでも特に食通の州として知られ、生ハムで有名なパルマ、チーズはパルミジャーノ・レ

          レッジョ・エミリアの教育思想のおもしろさ(前編)

          近代から現代の教育の意識が変化してきているワケ(後編)

          20世紀はじめにフランス人アーティストが描いた未来のイラストがおもしろい。100年後のイメージとしてタバコの箱に差し込まれたカードは87枚。お掃除ロボットや空飛ぶ郵便配達員など、未来のテクノロジーによる豊かな生活がコミカルに描かれている。 そこで未来の学校は、生徒が本を多量に耳から注入している(笑)。詰め込み型教育が発展してしまうという皮肉なんだろうか? 前回は近代〜戦時中に起こった教育について考えてみた。 ここではこのイラストからすると未来、100年経った今について考える

          近代から現代の教育の意識が変化してきているワケ(後編)

          近代から現代の教育の意識が変化してきているワケ(前編)

          教育はなぜうまれたの?からはじまって遠い昔から考えてきた。 ここでは産業構造が変わって絶え間なく変化している過去約200年間。 まずは前編、18世紀後半〜世界大戦時の教育の変化を中心に考えてみる。 ❶啓蒙思想:「子どもの発見」と発達心理産業革命による技術革新〜生産性に注目が集まると非経済的で非合理なものをできるだけ排除するの傾向が強まった。そんななか、これまで聖職者,貴族の支配階級に次いで「第三身分(フランスの旧体制※1)」だった庶民から、金融や商工業でお金持ちになる市民階

          近代から現代の教育の意識が変化してきているワケ(前編)

          教育はなぜうまれたの?

          レッジョ・エミリア の教育思想が生まれた背景に興味を持ち、そもそもなぜ教育が生まれたんだろうと思い、遠い昔のできごとから考えてみた。 ❶脳の変異:他者に伝える力を持つさかのぼること7万年前、私たちの祖先であるホモ・サピエンス※の脳に突然変異が起きて、新しい思考と意思疎通ができるようになった。様々なことを想像し、記憶、言語化して他者に伝える力を持つようになる。知識や経験をシェアして危険を避けたり、協力によって大きな活動/仕事ができるようになった。人間はソーシャル・アニマルだと

          教育はなぜうまれたの?

          イタリアの小都市「レッジョ・エミリア」の幼児教育の成り立ちがおもしろくなって調べたお話

          コロナの緊急事態宣言が発令された4月、そしてステイホーム。 お店オープン直後に来店いただいたお客様から「家の片付けをしていたら出てきたレッジョ・エミリアの本、ご興味あれば差し上げます」と連絡いただいた。 レッジョ・エミリアとはイタリアのほぼ中央部に存在する小都市の名前。その都市が先進的な幼児教育を行なっていて世界的に注目されている。 そのレッジョ・エミリアが持っている「REMIDA(クリエイティブ・リユース施設)」に関心を持っていることをその人は覚えてくれていた。 しかし

          イタリアの小都市「レッジョ・エミリア」の幼児教育の成り立ちがおもしろくなって調べたお話

          【読書ノート】小さな経済圏を考えるために読んだ本

          競い合わない生活や人間関係を問い直す1年前に、新事業/RINNEのありかたを考えるために読んだ4冊。 別の所にまとめていたけれど、最近、東京にこだわらず地方都市での暮らしのあり方や、小さなコミュニティでの循環型社会を考えるときに話題にすることが増えたのでこちらにも書いておきます。 - ゆっくり、いそげ~カフェからはじめる人を手段化しない経済 - 人が集まるつなぎ場の作り方-都市型茶室「6次元」の発想とは - 「小商い」で自由にくらす~房総いすみのDIYな働き方 - 月3

          【読書ノート】小さな経済圏を考えるために読んだ本