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学校は学ぶ所ですよね。

真剣に勉強した事は無いが哲学は好きだ、どの位かと言うと、中高大学生の時期に、世界の名著を全巻買ってしまうほど好きだ。

大学も本当は東京の大学の社会心理学を学びたかった、親にその学校を滑ったら、女子大の文学に行く事を約束して、見事落ちて文学になった経緯がある。

社会心理学と哲学では、きっとイモリとヤモリほど違うのだろうが、この際ちょっとした違いという事にしておこう。

大学進学の頃、私は国文か社会心理学かを学びたかった、親としては何故そこに行きたいのか聞いて於きたかったのだろう。

私にどうして行くの?と聞いてきた。

「そっちの勉強がしたいから。」それ以上の理由ある???その頃は文学部と言っても、先生が司書位しか職業は思い浮かばなかったし、自分が学びたいってのが理由でしょ。

「ふーん、それでそこ卒業したら、何になれるの?」何になれるって言われても、何にもなれないかも知れないし、兎も角文学は先生と司書の可能性がある、それだけを説明した。

「それでさ、社会心理学って卒業したら何になるの?」これこそが母の効きたい事だったらしい。

何になるって分からへん?その頃だってカウンセラーとか有ったから、そんな職業もあると言った。

「カウンセラーって確率した仕事有るの??」母にとっては、学校を出てどの位の収入が有るのかが、大きな問題だったらしい。

「今の所は無い、でもこれからの職業やから、絶対に需要は増えると思う。」何の確信も無かったが、そう言った。

結果的には、学校にカウンセラーが配属されたりして、本当に需要は増えたのだが、その頃は確信が持てなかった。

「じゃあ仕事が有るとして、それって儲かるの?」母の質問は止まらない、どんな職業を考えてるんだよ。

「儲かるとは聞いた事は無い。」そう答えるしか無いよね、だって知らないんだもん。

今だったら、ネットを駆使して、こんな職業でこの程度の収入が有るらしいと答えるのだろうが、40年以上前の話しだ。

情報を手に入れるのが難しい時代だった。

私の言葉を聞いた母が言った。

「お金に成らんのやったら、社会心理学とか止めて、家政学部に行ったらいい、結婚したら必要やから無駄には為らへん。」いきなりの家政学部には戸惑ったが、そこだけは絶対に嫌と言って(と云うか、文学部か社会心理学って言ったやん)拒否した。

まだまだ結婚して、パートでもして夫を支えるって云うのが、基本的な考え方の時代だったのだろう。

お金も大事だけど、自分の勉強したいのは違ってたんだよね、よくよく考えれば家政学部ってお金に為るの??とは思うんだけどね。

そこで親は試験受けて受かったなら行かせる、だけど落ちたら女子大の文学部なら許すという話になった。

そこで必死に勉強して、大学合格を目指すのが普通なんだろうけど、残念ながら自分は普通とは違う。

あんまり勉強しない、楽しくない教科はしたくないって考えていて、しなかった。

だから私は、古文と現代文以外の科目は皆目駄目だったので、東京の大学は落ちてしまった。

そうなると女子短大の文学部になる、それが悪い訳では無いが、社会心理学って勉強したかったんだよね、哲学もね。

昔は、そうやって親に仕事や収入を説明するのは難しかった学問が、今は学ぶべきものになっているらしい。

何故だろう??

これはAIの発達に関係しているらしい。

AIは人間よりも高度なコードを書く事が出来るらしいんです、ただしそのコードは構文的にも意味的にも正しくても意図した通りに動かない事が有るらしい。

コードなコードは機能しない可能性がある??

私にとっては不思議でも、たぶん三女なんかは不思議でも何でもなく感じるんだろう、だって「この人コードは綺麗なんだけど、役に立たんのよ。」と言っていたのを聞いたことあるからね。

AIは「適切なプロンプト(指示)がなければ正しく機能しない」そうだ、いくら綺麗なコードでも、いくら正しいコードでも動かなければ必要のないものなのだ。

ここで適切な指示が必要になってくる。

適切な指示を与えるには推論、論理的思考、また、第一原理的思考が不可欠、これが哲学的なトレーニングによってなされるのだ。

そこで必要になるのがプロンプトエンジニアリングという分野で、AIをトレーニングし改善する新しい技術・学問分野。

昔から哲学専攻は稼げないとか、仕事が無いとか言われてきたらしい(ホンマかどうかは知らんけどね)けど、それが一気に変わる可能性が秘めているのだそうだ。

これからのエンジニアは複雑な問題を前にした時に、解かり易いステップに分解して第一原理思考が出来る事、それから頑固なAIと議論する準備が出来ている事が必要になる。

これ全て哲学に関連するスキルになる、若しかするとこれからは哲学志望者が物凄く増えるのかも知れない。

だけど、考えてみると、不要な勉強って無いんだよね、これからの花形職業だからとか、必要になるとかも良いけど、基礎的な学問だって世間的には必要なんだ。

学校が純粋に学ぶ所と言う訳じゃないのは仕方が無いが、チョットだけ寂しい気がしている。



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