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【小説】SNSの悪夢

「もうお帰りですか?」残ったビールを見て、店長が声を掛けてくる、確かに少ししかビールは飲んでいない。

コップを見て、残ったビールをゴクリと飲んだ、それほど旨いとは思えない、酒は誰かと楽しんで飲むものだ。

パーティが好きなわけではないが、酒を飲んで楽しむタイプじゃない、酒は他人と話すための潤滑油の役割になる。

それに健康の為に体を作り出してから、酒煙草とは距離を置いてきたから、そこ迄飲みたいとも思っていなかった。

飲み干して、手で口を拭って、店長の方を見た、怪訝な顔をしている、そりゃそうだよな、1人で飲みに来て、それほど飲まないで帰る人は居ないからな。

「ちょっと飲みたかっただけなんですよ。今度ゆっくり来ます。」言い訳じみた言葉が出る。

「今度ゆっくり来てくださいね、ビール以外も沢山ありますから。」まるでビールが問題になっているとでも良いたげに続けた。

「ありがとう。」清算を済ませると、声を掛けて外に出る、あの二人は何処に行ったんだ。



外に出てあの二人を探す、折角ここまで付いてきたのだ、最後まで見届けたいと思っている。

先を見ると、離れがたくなってそうなカップルが見えた、あの二人かな、そう考えて後を付いてゆく。

前に居るのがあの2人と確認できないもどかしさは有るが、服や雰囲気であいつらだろう。

こう見ていると、ごく一般的なカップルに見える、男の方が結婚しているなんて、確認して居なければ解らないだろう。

女は男に体を預けて、、男は女の腰に手を回している、不倫ってもっと見えない様にするものじゃないのか、自分の知らない世界がある。

横顔が見えた、間違いないあいつだ、家にも帰らないで女と遊ぶんだな、それだけでも問題だ。

自分は結婚しているのに、誰かと付き合うなんて理解が出来ない、だったら結婚なんてしなけりゃ良かったじゃ無いか。

それに自分が不倫しているのに、他人を非難するってのも理解のはん地位を超えている。

好きな人と結婚して、他の人に魅力を感じたのなら、サッサと離婚してそれから付き合えばいいんだ。

自分はこの人とならと思って、生活が安定してからやっと一緒に生活できるようになったのに、それを壊されてしまった。

今の自分に虚しさは有る。だからこそ自分を陥れた人間はそれなりの罰を受けて貰おう。

こいつもそうだが、後の2人も自分では確認してない事実を有ったように言ってきた。

じゃあ、自分もそうして見るか、こいつは確認できた事実で良いけどな。





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