【小説】SNSの悪夢
時間が無い、ゆっくりして居れば良かったのに、とんでもなくタイトな仕事になった感じだ。
早く探さなければと、気ばかり焦って、中々見つけられない、探しても探しても見つけられないのだ。
仕事でも納期が決まっていると、焦って余計に進まなくなる、次の仕事が来るんだから、それに集中したいから早くしたいのにな。
どう調べても何故か書いた人間が、自分の方に答えが向かっているのは何なんだろう??
自分がしている筈無いのに、誰が書いたかを探していくと、自分に行きつく。
心当たりがないわけでは無い、だけどそんな想像はしたくない、誰の為だったかを見失ってしまうからだ。
自分の味方だと思っていた人間が、自分を非難していたとしたら、気持が追い付かない。
それでも、見つめたくない真実を、信じなければ為らないのかもしれない、人間は事実の積み重ねによってしか真実に近づけない。
自分も事実を積み重ねるより他には真実を見つける事は出来ないのだ。
やはり彼女だ、彼女しか考えられない、結婚して一緒に居ても、実は自分を信じてはくれなかったのだ。
だから炎上して直ぐに、家から出てしまったのだな、自分を支えるでもなく、口で非難するでもなく。
だけど、自分にハッキリ言ってくれたら、問題解決するじゃ無いか、勝手に出て行ったら、離婚も出来ないだろう。
それで良いのか、彼女は?
愛と言う曖昧だけど、人間には必要不可欠な物で繋がっていたのではないのか、2人は。
考えていると、自分の思考が昭和の歌謡に感じてきた、世は令和だ、そんな感覚は無くなっているのだろう。
何だか自分のバカさ加減に嫌になってしまった、最初から彼女は出て行くつもりだったのか。
こうなると何もかも信じられない、会社の人間達は自分を庇う気配すらない。
自分は誰かにとって代われる人間なのだろう、努力は報われるなんて、運のいい人間の戯言だ。
自分は妻にさえ去られたじゃ無いか。
如何すべきなのだろう、妻にも復讐が必要か?もともと彼女が出て行ったから始めたのじゃないのか?
何度も自分に言い聞かせる、もう良いんじゃないのかと、だけど言い聞かせれば言い聞かすほど、怒りが膨れ上がってくる。
夏の空の入道雲が急激に大きくなるのと同じに、自分の怒りも膨れ上がってくる。
「最初に考えたのは3人だったな。」一言口に出すと、それが絶対に思えてきた。
彼女を探して、彼女にも責任を取って貰おう。
そして聞くのだ、何故自分と結婚したのか?何故自分から離れたのか?
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