見出し画像

AWESOME Choices Issue no.012 「得意」と「好き」の先に見つけた建築デザイナーの仕事を通して親子向け空間をデザインするというキャリア

ツジオカヨシノさん

現在開業3年目創業1年目、株式会社Office with Uで代表取締役兼建築デザイナーをしています。
具体的には、自社でこれから託児付きコワーキングを運営し、「親子の心地よい距離感」を研究しつつ、親子向け空間に特化した建築デザイン・設計の提案を行います。この仕事の面白さはお客様の奥底にある「やりたいこと」を最大限に引き出して、私自身の感性や経験を交えて空間を設計していくところです。設計した空間が出来上がった時の高揚感は何物にも代え難いです。 以前は中規模の設計事務所や建築家のアトリエでホテルやクリニック、オフィス、住宅、ギャラリーなどの小規模から大規模まで様々な設計業務をしていました。学生時代は、近畿大学の建築学部建築学科で建築空間そのものや地方大規模商業施設の地域に寄り添った在り方について研究をしていました。

現在は自ら法人を立ち上げて、託児付きコワーキングの運営や建築デザインの提案などをしていくとのことですが、高校時代の進路選択の時のお話について聞かせてください

中学時代のテストが基本的にいつも90点以上取るくらい数学が得意でした。逆を言えば、国数英理社の中で点数の稼ぎ頭が理数だったんですよね。国語英語の科目に必要な「読む」ことよりも、理科や数学に求められる「解く」ことが好きだったんだと思います。なので、 親に相談することも特になく、得意な方を伸ばしていった結果が理系だったという感じです。

問題を解き明かすことが得意と言うものの延長線上に理系という選択があったんですね。

では、大学で建築学部に進まれた背景について聞かせてください

高校時代、絵を描くことにドはまりしていたり、部活動も「華道部」だったりと、何もないところからクリエイトするとかデザインするとか、そういった仕事にめちゃくちゃ憧れていました。ただ、好きな芸術1本で進路を決めてしまうほどの自信はなく、得意な理数系とデザインやクリエイトが融合した学問を探していて、それがたまたま建築学部でした。

自分の得意だった理数系と自分が大好きだったデザインやクリエイティブな部分を一緒に合わせて進路を考えた末に建築学部を選ばれたということがよくわかりました。

では、現在までに経験したお仕事を選ばれた理由について教えてください

まず大学院という選択肢もありましたが、自分のなんとなくの将来設計で結婚出産を20代でしたかったんですよね。そのうえで建築家のように独立して仕事をすることにも憧れていて。そんなことを考えていると大学院よりも早く社会に出て少しでも多く経験値を積んでおきたい!ということで1社目の設計事務所に入社しました。今思えばそんなに生き急ぐ必要もなかったと思います(笑)。大学院で得られるものはかなり将来にもかかわるので、当時の私には大学院行った方がいいよとアドバイスしてあげたいです。

そして、3年間1社目の設計事務所に勤め、結婚して退社。その後、もっとデザインを勉強したい気持ちが強くなって、建築家に弟子入りします。1年間務めたタイミングで第一子目を妊娠し、コロナ禍真っただ中でしたので会社の経営方針等いろいろあって退所することに。産後、どのようにキャリアを続けるかノープランだったのですが、ずっと独立は憧れていたし、外注として元の建築家のお仕事を手伝うわせていただけることが分かっていたので、個人事業主として開業しました。
それから、自身のキャリアプランを考えた時に「子育てをしながら働くこと」に対しての想いを仕事の強みとしていきたい!という感情がどんどん強くなっていきました。よりビジネスとして循環していくためにはどうすれば良いのか1年半ぐらい模索し続け、現在の法人の創業を致しました。過去の自分には大学院に行った方がいいよとアドバイスしたい一方で、社会経験を早めに積めたからこそ20代で結婚出産更には社長になることができた、という事実もあるのでどちらがベストかはその人によると思います。個人的な感想としては、より社会に出るのが早く、すぐに仕事に活かせる技術を専門学校で学ぶのではなくて、「学問」ベースの知識を大学で学ぶことができたことがよかったと感じています。

様々な選択を通して、その時は違う道もあったかもしれないと思いつつ、自分の好きと得意から出会えた建築という分野に加え、ご自身の子育て経験が融合したキャリアを見つけることができたということがとても良くわかりました。

では、お仕事の中でご自身が「理系が出ているな」と感じたことなどあれば、是非教えてください

何でもかんでも理論や根拠をベースにお客様とお話ししてしまう時ですね。商談では相手の感情を汲み取った会話をすることが大事ですので、、、例えば新人時代の恥ずかしい失敗談ですが、構造設計の理論上「絶対に倒れない建物」って存在しないんですよ。だからなるべく倒れにくい強い構造にしていくことが私たちの仕事なんですけど、それを商談の際に直接お客様に伝えてしまい、不安にさせてしまったことがあります。後で上司に怒られました(笑)

知らず知らずのうちに、理由や原因を探ってしまいたくなる部分は、理系的な部分でありながらも、意識を働かせておくべき部分だなと私の実感しています。自分のことを振り返っても、論理的な判断ではないことは多々してきているはずなのにと、自省することもしばしばです。

では、「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

私個人の経験ベースでは、技術に男も女もあまり関係ありませんでした。建築業界の中でも私が働いていた環境では「できるヒトが出世していく」ような環境でした。でも蓋を開けてみたら「総人口として女性が少ない」みたいな感覚。人間が生きる上で欠かせない「住」に関わる業界の基盤として男女比が7:3ぐらいのイメージ。理系の環境って自分の中のこだわりやセオリーを持った人が輝くというか、生きやすい世界なんじゃないかなって思っています。もし理数系が苦手でも、自分のこだわりやセオリーが割とハッキリある方は「リケジョ」的な何かが潜在しているように感じるので、ひとつの選択肢だと思って見てみてもいいんじゃないかなって思います。

ツジオカさん含め、私がお会いする理系女性の多くの方が、どこか自分の中に「これ」という芯を持っている方が多いなと感じています。科目の得意不得意だけで理系を選ぶのではなく、自分の「これ」を活かすための1つの手段が「理系」と言うのも、とても素敵な選択だなとお話を通して強く思いました。

では最後に、これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします。

いつも自分を可愛くしてくれる化粧品、いつも食べるおいしいグミ、手放せないスマホ、それってどうやって作っているっけ?を考えたとたん「理系の世界がこんにちは」です。私はそれがたまたま建築でした。それくらい身近な存在なので、難しく考えずに親しみのある理数系の分野を楽しんでみてください。

また、自分自身の「得意なこと」「好きなこと」に将来の自分が幸せになるヒントが隠されています。特に、たいして立派じゃないことは見落としがち。例えばカブトムシ、図鑑何回も読んじゃうぐらいには好きなんだよね~とか、難なく、ついついこだわってしまう自分のありふれたムーブを大切にしてください。そこには必ず何かしらの「得意」が潜んでいますよ。

最後に

自分の「得意」と「好き」から理系の道を選び、更にその先に建築デザイナーという仕事を見つけ、現在は法人を立ち上げて事業を展開していくというキャリアを歩まれているツジオカさんのお話を通して、自分が持つ関心を育むことの大切さを教えていただきました。これから事業もとても楽しみですね!

ツジオカさんの、更なる活躍を応援しています!
ツジオカさんのnoteはこちらです。

あとがき

いかがでしたか?
AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
ぜひ、マガジンのフォロー、よろしくお願いします!
(新掲載記事は、約1か月間は無料で読んでいただけるようにしています)

AWESOMEは理系やリケジョに関する情報やイベントなど、随時開催しながら、リケジョたちとともに私たちがありたい未来に向けての事業を進めていっています。
関心のある方は、まずは公式LINEからお友達登録をお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?