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50円占いで「あなたの人生最悪です」と言われた私の人生は最悪なのか考察してみた。


日本人は占いが好きな民族らしい。
私も今年の正月には四回もおみくじを引いてしまった。


あなたの人生大吉です!
そう言われたらやっぱり嬉しい。


艱難辛苦が待ち受けています!
なんて言われればガッカリする。


そんなの全く気にしない、たかが紙切れだと言う人もいるかもしれない。
運命は自分で切り拓くものだと。


でも抗えない流れみたいなものを感じることがある。自分の力ではどうにもしがたい何かの力はあるんじゃないだろうかと思う。みんなそういうものを感じているからこそ、おみくじを引いたり、占いを見たりするんじゃないだろうか。


大学生の頃、占いサークルで50円占いというのをやっていた。
事前に生年月日と出生時間、出生場所を伝える。
鑑定結果は後日、ということだった。


数日後、占いサークルの人と廊下ですれ違う。


「この前聞いた生年月日、あっていますか?」

眉間に皺を寄せながら確認される。

「だとしたら、あなたの人生最悪です。」

えー!!!
そんな身も蓋もない!
今が良くないとかそういうことじゃなくて人生全体が最悪ってこと?
そんなことある?


それ以上聞く気になれなくて
「もう大丈夫です」
と断った。

だって人生全体が最悪と言われてしまっては対策の立てようがない。


そもそも何を持って最悪なのだろうか。
人に嫌われまくるとか?
失敗しまくるとか?
大きな病気にかかるとか?


もしそうだったとしてそれは最悪な人生なのだろうか。

例えば、人に嫌われることって最悪なこと?

以前働いていた会社に、いつも鼻歌を歌ってしまう男性がいた。
独り言も多くて、周りから距離をとられていた。多くの人は彼を邪魔者扱いした。


でも、彼は幸せそうだった。


失敗が多いこと。
これも不幸なことなんだろうか。
私は確かに失敗が多い。
そして誰もがやる小さな失敗が、私の場合大きなダメージをもたらすことになることも多い。


家の鍵を忘れて出かけ、入れなくなって途方に暮れたことが何度もあるし、会社のコピー機にコピーした書類を置いて帰ったことで社長室に呼ばれて怒られたこともある。


他の社員もやっていたけど、
私がやってしまった日はよりによって
「放置書類撲滅キャンペーン」の初日だった。



他にも沢山の失敗をしている。子どもを育てるようになってからは小さな失敗が命のピンチに直結することだってある。
致命的すぎて今はまだ書くことができないような失敗の経験もあり、失敗する自分をとことん責めた日もある。

でも、失敗が多いからこそ人に寄り添えることもあるんじゃないかと思う。


私がこれまでに出逢った優しい人たち。
みんな漏れなく色んなことを乗り越えてきていた。
そっと人の気持ちを察して掛けてくれた言葉に何度救われたことだろう。


もし私が、生まれながらのラッキーガール、なんでも簡単にうまくいっちゃうよ!という人間なら、その人たちの優しさに気づくことが出来ただろうか。

沢山失敗して人の気持ちに寄り添える人になれたとしたら、それは最悪な人生どころか、素晴らしい人生なんじゃないだろうか。


運勢とか運命とかそういうものがあるとして、きっとそれに良い悪いなんてない。占星術を学んだときにそう思った。


出生時間や場所を尋ねられたことから、50円占いは恐らく占星術だったのだと思う。

星同士がスムーズな配置であれば、物事はすいすいうまくいく。
葛藤が多い配置であれば、それを乗り越えることでしか見えない景色を見に行く人だということ。
星読みでは星の配置をそう解釈した。

山登りがしたいか、野原でピクニックがしたいか。
どっちも楽しいこと、残念なことはきっと平等にある。

吉凶は糾える縄の如し。
なんて言うしね。
初めて言ったけどさ!

私のホロスコープには葛藤が生じる配置が多い。子どもの頃は生きづらかったし、失敗や葛藤を沢山してきた。でも振り返ると、あれがあったおかげで今があるなぁと思うことが沢山ある。


大切な家族や友人に出逢えたこと。
沢山の楽しかった思い出、辛かったことも。他の人には生きられない私だけの人生。良いも悪いも引き受けますよ!と言ってあげたい。


どのみち自分の人生しか生きられないのだから。それを愛さなくてどうするんだって話だ。


あのとき、50円占いで落ち込む私に冗談を言って笑わせてくれた友人を思い出す。

「あっち(占い師)の人の方が辛気臭いし、よっぽど最悪っぽい」

占い師さんには申し訳ないけど、間髪入れずにそう返てくれてめっちゃ笑ったな。

あのときの占いサークルの方、お元気でしょうか。

おかげさまで私は元気にやっています。


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