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「挑戦者」を追いかけた2021−22シーズン(後編)


ミーハーにわかバスケファンがどんな気持ちでB.LEAGUE 2021−22シーズンを過ごしてきたか、だらだらと綴るだけのnote後編です。笑

↓前編はこちら↓

2021-22シーズンをひとつひとつ振り返ってみると、昨シーズンから引き続き、彼に夢中な毎日だったように思います。

現B1・シーホース三河所属 角野亮伍選手

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試合を見ていて「すごいな、かっこいいな」と思う選手はたくさんいる。
好きな選手も、応援したい選手もあちこちいる。
なのに、どうしても彼から目を離すことができなくて、彼で頭がいっぱいになってしまう。
私にとって彼は、そんな特別な存在です。
後編では角野亮伍選手を全力で追いかけたシーズンを振り返っておこうと思います。

新たな地での仕切り直し


大阪エヴェッサでたくさんの悔しい思いを乗り越えながら、バスケットボール選手として一歩ずつ成長していく様子を見せてくれたプロ1年目。
そんな彼を全力で追いかけたことで、私も本当に楽しく、心に残る1シーズンを経験することができました。

↓ 昨シーズンの振り返りはこちら

そして迎えたプロ2年目の2021-22シーズン。
彼は新たな戦いの場として、シーホース三河への移籍を決めました。

昨シーズンの大阪での様子を見ていたときから、なんとなーく「来年は出て行くんだろうなぁ…」と察してはいたので、移籍のお知らせが出たことにはまったく驚かなかったです。
ただ、その行き先が三河だったことは興味深いな…と思いました。

現在シーホース三河を率いる鈴木貴美一HC(GM兼任)は、彼が15歳で初めて年代別ではない日本代表(いわゆるA代表)の候補として招集されたときの代表HCであり、彼の性格や特性など、彼のプレースタイルの地盤ができた時代を知る人物と言ってもいい存在です。
チームから声をかけたのか、彼自身が売り込んでいったのか…
加入が決まるまでの経緯はわかりませんが、彼がどんな選手なのかを元々知っているコーチであれば、きっといい使い方をしてもらえるだろうし、彼としても期待に応えやすいんじゃないかな…と個人的にはワクワクしていました。

とはいえ、三河は前シーズンMVPの大エース・金丸晃輔選手の移籍が重なったこともあり、タイプは全然違う選手ながらちょうど入れ替わりになるということで,元々チームを応援していたファン・ブースターさんからは少し厳しい目を向けられていた部分もあったんじゃないかな…と思います。
実際「金丸が抜けた穴は大きい、ちょっとやそっとじゃ埋められない」という声をたくさん耳にしましたし,経験も実績もある選手と入れ違いで入ってくるのがプロ2年目の若手となれば、たとえ学生時代に名を馳せた選手であろうと、チーム愛が故に不安に思ってしまう気持ちは同じバスケファンとして理解できなくもないので…。

ただ,彼は周りから注目されるほど,寄せられる期待が高ければ高いほど努力してくれる選手ですし,その期待に応えるだけのポテンシャルも十分に持っていると思ってた…いや、知っていたので,特に心配することはなかったです。

新しいチームで、新たに自分の存在感を示して、立場を確立する。

そんな「挑戦」をする彼を引き続き応援できるんだと思うと、それだけで楽しみな気持ちがドバドバ溢れ出しちゃって、もうワクワクが止まらなかったです。

なんなら、三河のホーム(愛知県刈谷市)は大阪より少し近くなるし、通うのちょっと楽になってありがたいなぁ…とかポジティブなことしか考えてなかったんじゃないかな、この頃の私って。笑

前編で取り上げた杉浦選手もホームが愛知県豊橋市
チームは違えど,私が愛してやまないふたりが揃って愛知で大集合だなんて…そんな偶然あるんか…と何度心の中でツッコミを入れたことか。笑
周りの友人から「おまえも愛知に引っ越せ」と言わんばかりに愛知エリアの空き物件情報がLINEやDMで届いたのも,今となってはいい思い出です。

そんな彼の2021-22シーズンを振り返ってみると,まさに「仕切り直し」というフレーズが似合う8ヶ月だったように思いますし、それが数字にも表れている気がします。

↓ リーグスタッツはこちら

昨シーズンは終盤こそ「本来の仕事ができた」と言えるような試合が続いたものの,シーズン通すとやはり試合に出れなくて悔しそうな表情が強く印象に残るような1シーズンだったと思います。
それが今シーズンは、開幕戦から最終節までしっかりプレータイムを獲得し続け、「彼はチームに必要とされている選手なんだ」と見ているこちらが実感できるくらい、たくさんの活躍を見せてくれました。

別に、大阪で彼が必要とされていなかった…とは1ミリも思ってないんですけど、「コートに立つことが自分の仕事だから」と彼が常に言い続けてきたことを知っているだけに、今シーズンほぼ全試合に出場したことで彼の想いやプライドがようやく結果に結びついたような気がして。
それが純粋に嬉しかったです。

私はバスケットボール選手としての彼が大好きで、
大好きなバスケットボールと全力で向き合う彼の姿を何よりも見たくて、
「そのためならなんでもできる!」と言わんばかりに時間とお金をやりくりしながら全国各地の会場へ足を運ぶタイプの人間なので、コート上で生き生きとプレーする彼をたくさん見れた今シーズンはとにかく毎日が幸せでした。
とても充実した8ヶ月間でした。

たくさん試合に出て、活躍してくれたおかげでしっかりハイライトも残ってる!!ほんと嬉しい!!最高!!

…あれ、こんなにしっかり残ってるなら私の今シーズン振り返り記事なんて残しておく必要ないんじゃないかな。笑

チームを勝利に導く「エース」へ


今シーズン、私は43試合(うち天皇杯予選1試合)を見に行くことができました。
コロナ禍により試合中止・日程変更・無観客試合になったときも何度もありましたが、最後まで自身が体調を崩すことなく、北は秋田から南は沖縄まで、全国各地のアリーナに足を運べたこと、そして今シーズンも各地でたくさんの幸せな思い出を作ることができたのは、彼のおかげだと思っています。

その中でも特に思い出深い試合を挙げるとしたら…
まずひとつは12月4日の三遠ネオフェニックス戦GAME1@豊橋市総合体育館かな。

開幕節の古巣・大阪エヴェッサ戦GAME2でのキャリアハイ更新&移籍後初のヒーローインタビューに立ち会うことができず、その後悔を地味にずーーーーーっと引きずっていたシーズン前半戦。
私も大活躍する彼が見たいのに…と心の中で悔しがって拗ねたりもしましたが、三河は人の入れ替わりによりチームとしての成熟度が発展途上で、勝ったり負けたりが続くようなお勉強の日々が続いていたこともあって、なかなかそのチャンスが巡ってくることはありませんでした。

そんな中で迎えた三遠戦GAME1です。
昨シーズン、プロになってから初めてヒーローインタビューを受けた思い出深い会場でもあるこの豊橋で、彼、やってくれました。

3Pシュート6/8を含む23得点のプロキャリアハイタイ!!
得点こそタイ記録ですが、1試合での3P成功数6本はおそらく彼自身の公式戦におけるキャリアハイ更新だったんじゃないかな…それまでは大学の頃に決めた5/8が最高記録だったと思うので。

チームとしても104-71の大勝!!
全体的に勢いのある良い試合ではあったのですが、それを引っ張ったのは間違いなく彼の活躍だったと私は思っています。
なかなかエンジンが掛かりきらない時間もしっかりコート上を駆け回って、ちゃんとボール回して、打つべきところでシュート打って、リバウンドもきっちり跳んで、みんなからたくさんの笑顔を引き出して…
この日の彼はまさに「チームを勝たせるエース」そのものでした。

2シーズン連続でなんて、豊橋はほんとに相性がいい会場なんだなぁ…
でもなんでだろう?学生のときに使ってたっけ?

そして、待ちに待ったヒーローインタビュー。
やっと目の前で見ることができて、またまた豊橋で大喜び&号泣な私でした。
移籍後初インタビューに立ち会うことができなかった悔しさは消えないけど、「チームを勝たせるエース」として堂々とお話する姿は本当にかっこよくて、そんな彼を今シーズンもこうしてきちんと見届けることができた喜びは、悔しさを少し薄れさせてくれた気がします(ちょろい)。

初めてホームでヒーローに選ばれた1月23日の富山グラウジーズ戦GAME2@ウイングアリーナ刈谷もよかったなー!!

アリーナMCのコバタクさんに名前をコールされて、ニコニコでマイク前に立ったときの彼の笑顔を真正面から見れた嬉しさといったらもうね!!
ほんとにほんとにすっっっっっごく嬉しかったです!!(語彙失)

だって彼、ホームのファン・ブースターの前でヒーローインタビューを受けるの、これがプロになってから初めてだったんですよ!!
昨シーズン、唯一ホームでヒーローに選ばれたときはまさかの無観客試合で、会場中に広がる「おめでとう」を込めた拍手を聞かせてあげることすらできなかったのが悔しかったので、ようやく夢が叶ったような気分でした。

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インタビューが終わって最後にコート一周を回るとき、客席に掲げられた自分のネームタオルに向かってお手振りで応える彼の後ろ姿、ほんと最高だったなぁ…。
これこそ、私がずっとずっと見たかった光景でした。

でも、こんなこと言うともしかしたら怒られちゃうかもしれないけど、実は私、ちょっと物足りなく感じている部分もあったんです。
この日の彼は15pts、5rebの活躍でチームの勝利に貢献し、ヒーローのひとりに選ばれました。
もうひとり、同じくこの日のヒーローに選ばれていたガードナー選手は27pts、7reb。
………私が何を言いたいか、もうおわかりですね?

普段から「得点力が自分の持ち味」とアピールしている彼だからこそ、その試合のスコアリーダーとしてヒーローに選ばれてほしい!!

嬉しさ大爆発だったけど、やっぱりちょっとどこか悔しい。
これが素直な気持ちでした。
せっかく選ばれるなら、No.1のときがいい。
いつも結果にこだわる彼だからこそ、No.1であってほしかったんです。

「よく泣く」でおなじみの私が号泣せずにインタビュー中の彼へカメラを向けることができたのは、そんな悔しさもあったのかもしれません。
(泣いていないとは言ってない。笑)

わがままでごめんなさい。
せっかく活躍してくれて、その活躍が評価されたというのに、満足できてなくてごめんなさい。
でも、もしかして彼自身にも同じ気持ちがわずかながらあったんじゃないかな…って勝手ながら思ってます。笑

だって、そのあと私のようなわがままファンも納得するような結果をちゃーんと見せつけてくれたから。

それはホームでの初インタビューから2ヶ月後。
3月20日のサンロッカーズ渋谷戦GAME2@ウイングアリーナ刈谷でのことでした。

19ptsでスコアラーとしての役目をきっちり果たし、チームに勝利をもたらした彼。
2Qの10分間だけで15ptsも獲ってくれて、あのシーンを目の当たりにした人間として、なんというかもう…うまく言葉で表現できないんですけど、とにかく見ていて痺れまくりでした!!

もちろん彼がこの日のスコアリーダー!!ヒーロー!!
やっとやっとやっとやっとこの日がきたーーーーーっ!!!

ひとつひとつの「勝ち」が重要な意味を持つようになるシーズン後半戦でしっかり結果を残し、会場中の誰もが納得の活躍を見せてくれた彼はこの日、文句なしに「チームを勝たせるエース」だったと思います。
この試合をちゃんと見届けられたこと、今シーズンで一番の幸せでした。

チームメイトたちも荒めに祝福(?)してくれて、チームの雰囲気の良さがこれでもかってくらい伝わってきたのも、ほんとによかったなぁ…。

たくさんの人に愛されながらコート上で躍動する彼を見届ける。
私が祈り、願っていた夢がどんどん叶っていくシーズンになりました。

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私が初めて彼と出会ったとき、彼はすでにそのチームのエースでした。
活躍するのが当たり前で、チームを勝たせて当たり前、負けたら「おまえがダメだったせいだ」と責められる。
そんな大きな存在感を放つ選手でした。

でもプロの世界って、だいたいそういう「THE・チームのエース」を経験してきた猛者たちが集まっているわけで。
プロになってからもヒーローに選ばれるような活躍ができるのってすごく特別なことなんですよね。
当たり前にできるような簡単な話ではありません。

だからこそ、こうやって1シーズンの間に何度もヒーローになるくらいの活躍を見せてくれた彼は本当にすごいと思いますし、ファンとしてそんな彼の活躍を間近で見せてもらえたことが嬉しくて仕方ないのです。

もちろん、すべての試合が100%良かったというわけではなかったと思います。
チームは勝ったのに個人としてはまだまだ…な日もあったし、彼は活躍したけどチームは勝てなかった日だって何度もありましたから。

それに、今シーズンの三河は絶対的エースのいないチームだったと個人的には思っています。
大黒柱のガードナー選手、日本代表でも結果を残している西田選手・シェーファー選手、シーズン途中の加入でインパクトを残したローレンス選手…
エース級の選手が何人もいて、試合ごとに活躍する選手がころころと変わる、ある意味バランスのいいチームとも言えるのかもしれません。

でも、そんなチームであっても私は彼に「絶対的エース」になってほしいと心のどこかで望んでしまうのです。

スターターで出てほしい
クラッチタイムにコートに立っていてほしい
誰も文句を言えないくらいの数字を結果として残してほしい
チームに勝利をもたらしてほしい
ベンチ裏に座るお客さんが全員彼のネームタオルを掲げるくらいの存在になってほしい

1年前は単純に「コートに立つ姿が見たい」とだけ望んでいたのに、私も随分わがままで強欲になったなぁ。笑
でも、彼ならきっとなってくれると思うんです、エースに。

「もっとできる」「まだまだできる」

彼はいつだってそう言ってくれます。
私はひとりのファンとして同じ想いでいたいですし、彼の実力・ポテンシャルを信じている気持ちの表れとして、これからも「チームのエースになって!」とわがままに言い続けたいと思います。


エンディングを見届けること


昨シーズンはチャンピオンシップ(CS)に出場したものの、残念ながら無観客開催となった準々決勝で川崎ブレイブサンダースに敗北してシーズンエンド。
彼のプロデビューシーズンが終わりを迎える瞬間を私は自分の目で見届けることすらできませんでした。
画面越しにひたすら悔し涙を流すしかありませんでした。

今思えば、その「最後を見届けることのできなかった悔しさ」を消化できずにずるずる引きずってしまい、自分の中で区切りをつけることができないまま今シーズンに突入してしまったのかな…と思う部分があります。
そしてその悔しさが
「どんな結末でもいいからとにかく見届けたい、自分の目でちゃんと見たい」
という思いに繋がり、
「HOMEもAWAYもとにかく行こう、ちゃんと現地で見よう」
と少し意地になってしまうくらい、私を突き動かしていたのかもしれません。

そして今シーズン終盤、三河はCS出場権を懸けたワイルドカード争いの中心にいました。
「CSに進出するにはとにかく目の前の試合に勝つしかない。」
そんなピリピリした空気が終始漂い、精神的に追い詰められながらも、タフすぎる過密スケジュールを彼は必死に戦い抜いてくれました。
ほんとに惜しいところで勝利を逃したりもして、たくさんたくさんヤキモキさせられたけど、最後の最後まで希望を繋いでくれたおかげでワクワクが止まることがなかったとも言えます。

ワイルドカードでのCS進出が決まれば、対戦相手は全体1位の琉球ゴールデンキングス。
彼が絶対にCSに連れていってくれるはず!」と強く強く信じていたので、もちろんCSのチケットもちゃんと買っていましたし、沖縄へ行く気満々で宿泊する予定のホテルもばっちり押さえていました。

エアーのチケットだけは日和ってギリギリに買おうとしてました…
だってキャンセル怖いし、GWの後だから直前でも完売はないと思って…
すみません、ビビリで。笑

レギュラーシーズン最終節
ラストホームゲーム
CS行きの切符が懸かった戦い

これらが重なるだけでも胃がキリキリしちゃうくらいだったのに、その最終節の相手が1年前の因縁の相手(勝手に言ってる)・川崎だなんて…
トッピング無料の日のアイスクリーム屋さんか!ってくらい、いろんな感情がドカドカにてんこもりで溺れそうでした。

でも、いろんな感情が積み重なっていく中で、その根っこにあるものを掘り下げていくと、目の前の戦いを「きちんと自分の目で見届ける」という覚悟だけだった気がします。

GAME1とGAME2のどちらかで勝利すればCS進出が決まる。
こんなにも「1勝」が大きく、そして遠く感じたことは今までありませんでした。
トーナメントの「負けたら終わり」とはまた違う緊張感。
すべてが終わった今こうして振り返っているだけでも、あのとき感じていた吐きそうなくらいの緊張や胃の痛みが甦ってきそうです。

勝てば続く。負ければ終わる。

そんなシンプルな条件になったレギュラーシーズン最終日、私の頭にずっと浮かんでた想いは
「彼がチームを勝利に導いてくれるはずだから、絶対大丈夫」
「彼が自分自身に対して思っている以上に、彼のことを信じたい」
それだけでした。

相変わらず重いことばっか考えてるなぁ…と自分でも思うんですけど、結局私の応援って、いつだって「信じる」という気持ちでしかなかったんですよね。

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8ヶ月間の中で積み重ねてきた経験、そして自信。
カメラのファインダー越しに見ていて、シーズンを通して一回りも二回りも大きくなった彼の力強いプレーがたくさんありました。
「最後」が懸かった試合を見るのってこんなにも胸が痛くなるものなのか…と、この場にいれたからこそ知ることのできた感情もありました。

ここぞというときに決めきれず、悔しそうに天を仰ぐ姿も

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チームメイトのGood Playに対するガッツポーズも

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「絶対勝つ」という強い気持ちがこもった横顔も

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どれも「この場にいれたから」こそ見ることのできた彼の姿でした。
チームの掲げたスローガン「全力三河」を、コート上でもベンチでも40分間ずっと体現していた彼は最高にかっこよかったです。

しかし、現実は非情で無慈悲でした。
年単位で経験値を積み上げてきたチームとの力の差を感じながら、76-91でゲームエンド。
…やっぱり強かったなぁ、川崎。

試合終了後、彼はベンチの奥の方でしばらく顔を伏せていました。
どんな感情が湧き上がっていて、その感情をどう処理しようとしていたは私にはわかりません。
カメラを向けるべきではなかったのかもしれない。
でも、カメラという物理的な壁越しでなければ、私はきっと悔しすぎてその場に崩れ落ちていたと思います。
目の前の彼の姿を逃げずにきちんと見届けるには、私にはこれしかありませんでした。

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実は私、1シーズン最後まできちんと見届けることができたら、現地に足を運ぶのは少しお休みしようと思っていたんです。
だって今シーズン、彼にほんとにたくさんの夢を叶えてもらって、たくさんの楽しくて幸せな思い出をもらって、満足できそうだったから。
きっとこれ以上のシーズンはこの先送れないだろうな…と思ったから。
ここで「一区切り」つけてもいいかな、これからは少し距離を置いて、離れた場所からひっそり応援するのもいいかな…なんて思ってました。

でも、こんな悔しそうな姿を目の当たりにしてしまったら、一区切りなんて言えない。何も終われない。
1ヶ月以上経った今でも、あの日感じた悔しさが、俯く彼の姿が、頭から消えないんです。

この「悔しさ」を晴らすには、また彼のバスケを見て「悔しさ」を「喜び」で上書きしてもらうしかないのかもしれない。
だからきっと、私は来シーズンも彼のバスケを見に全国あちこちへ通う生活を送ることになるんだろうなと思っています。

意志の弱いファンでごめんね。
もう少しだけ、あと少しだけ、こうして応援させてください。

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選手が先か、ファンが先か


シーズンエンドを迎えてから1ヶ月以上が経った今、こうして振り返りnoteを書くにあたっていろんなものを見返してきたのですが、彼は事あるごとに、常に、このメッセージを贈り続けてくれたことに改めて気づきました。

ファン・ブースターがいるから僕たち選手はプレーできる

ファンにとってこんな嬉しい言葉は他にありません。
たとえ定型文だったとしても、その一言をきちんと口にして伝えてくれるから、私は彼が大好きだし、応援せずにはいられないのです。
ほんとに応援しがいのある選手なのです。

ただ、これまで何度も言ってきた通り、彼が日々努力を重ねてプロバスケットボールプレーヤーでいてくれているからこそ、私は彼のファンでいることができるんだと思っています。
「大好きです」「応援しています」と堂々と言うことが許されているのも、彼が表舞台に立つことを選んでくれているから。
選手がいるから、ファンでいられる。
たくさん頑張ってくれているから、応援することができる。

「ニワトリが先か、卵が先か」という話のようですが、勝手に好きになって、勝手に応援しているだけとはいえ、自分は選手側の厚意で成り立っている存在なんだということを、しっかり頭に入れておかないといけないなと思っています。

他のファン・ブースターさんがどうなのかはわからないけど、とりあえず私個人としてはそう思ってる…ってことで。
もちろん、ちゃんと直接選手の力になれているファンの方もいらっしゃると思います!

本来、試合で結果をきちんと残してくれさえすれば、それだけで十分役割を果たしているはずのプロバスケットボール選手。
彼はプレーを通して、ファンである私に元気も勇気も喜びも幸せも夢も全部与えてくれる存在です。

それに加えて、彼はいつも試合会場で客席をきちんと見渡して「ファンがどう見ているか」を意識してくれたり、ファンのSNSをチェックしてくれたり、こちらが「何を嬉しく思うか」をちゃんとわかってやってくれるファンサービスの大天才でもあります。
私ももちろん、彼が何かリアクションしてくれたら飛び上がるくらい喜びますし、撮影した写真を見てくれているのもすごくすごくすごく嬉しいです!!

自分が好きで勝手にやってるだけなので、何のリアクションもないただの壁打ち状態でも全然満足なんですけど。
「ファンの存在を意識してくれている、想いがきちんと届いているかもしれない」と感じることができると、「もっと見たい!応援したい!」と軽率に思ってしまいます。(ちょろい)
そう思わせてくれる存在に出会えたのって、ものすごく幸運だと思うんです。

一方で、私はそんな彼の想いに応えられるようなファンになれているのだろうか…と自問自答することもあります。

ファン思いな彼に「これだけ応援されてるんだから頑張ろう」と思ってもらえるようなファンでいることができたのだろうか。
仮に私の想いが彼に伝わっていたとして、その想いはちゃんと彼のためになるものだったのだろうか、負担に思わせることはなかっただろうか。

正直、それらの問いに胸を張って「YES」と答えられる自信はありません。

私がやったことは試合会場に行って、彼のプレーを見て、写真を撮るだけ。
彼がしんどいときに背中を後押しできるようなことは何もできていませんでした。

ただ、彼の成功を願う気持ちを「応援」と言えるのであれば、今シーズン何よりも強く願ったつもりです。
もちろん、これからも変わらずに願い続けたいので、いつの日かその願いが無理のない形で届いて、彼の背中を押せるくらいの力になってくれたらいいなと思います。

「日本一」の景色


私自身は何も秀でてるものがないので「日本一」に関わるようなことは人生で一度もありませんでしたが、応援している大好きな選手たちが日本一になる瞬間は、ありがたいことに何度も見せてもらっています。
インターハイ,インカレ,B.LEAGUEのCS,天皇杯…
どの子たちもてっぺんに上り詰めた瞬間はほんとに嬉しそうで,それまで見たことないくらいのキラキラした笑顔をいーっぱい見せてくれました。

日本一の瞬間って,たとえ自分は何もしてなかったとしても、その瞬間を目にするだけでめっっっっっちゃ気持ちいいんです!!!
何もしてなくて、ただその場にいただけの私すらあんなに気持ちいいんだもん。
当事者である選手たちはめちゃめちゃ気持ちいいんだろうなぁ…。

ただ,彼はまだ一度も日本一になったことがありません。

彼はこれまで何度も世代別日本代表に選ばれていたり、海外での経験もある輝かしい経歴の持ち主ですが、日本一の座だけは手に入れたことがないんですよね。

高校のときはあと一歩のところまでは進んだものの,京北高校に阻まれて逃し(高2のインターハイ)、
大学はアメリカへ進んだのでそもそも「日本一」に挑戦するチャンスすらなく、
大阪でのプロ1年目,そして三河で過ごした今シーズンも悔しい結果に終わりました。

来シーズンこそ,日本一の喜びを彼にも味わってもらいたい。

それが今の私のいちばんの願いであり目標…と言ってもいいのかな。
彼が今度こそてっぺん(日本一)から見える景色を手に入れられるよう、これからも全力で願いたいと思います。


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最後に、良きライバルなふたりへ


前後編それぞれで振り返ってきた通り、私の2021-22シーズンは誇張なく、大好きなふたりあってこその日々でした。
ふたりが全てな8ヶ月間でした。

昨シーズン叶わなかったマッチアップもようやく見ることができました。
これまで日本代表や3x3などでチームメイトとして一緒にプレーすることはあっても、対戦相手として真っ向からぶつかり合うのは、公式戦では2013年夏のインターハイ準決勝・藤枝明誠vs福大大濠の試合以来。
8年ぶりですよ、8年。

あのときエース同士だった彼らが、プロバスケットボール選手となって再び相見える瞬間に立ち会えて本当に嬉しかったですし、これ以上ない幸せでした。
こんなに幸せな気持ちになっていいのかな…帰り道に事故に遭ったりしないかな…ってちょっぴり心配になるくらいには幸せでいっぱいでした。

「成仏できる」はちょっと言い過ぎな気がしなくもないけど、「ここで人生終わっても悔いはないな」って思うくらい満足感というか、やりきった気分になれたのは事実です。

あまりに楽しみに待ち続けていたので少し思い入れが強くなりすぎちゃって、このマッチアップが見れた後はしばらく燃え尽き症候群みたくなっちゃったんですけど、別にこれが私のゴールというわけではありません。
まだまだこれが始まりで、この先たーーーーーくさんふたりの真剣勝負が見れる(はず)!!

同じチームになる可能性は0じゃないけど、まだしばらくその時はやってこないだろうなと思っているので…別になってくれても私は全然いいんですけどね!!笑

いつまで応援できるかわからない、いつまでファンでいることが許されるかはわからないけど、ふたりが頑張ってくれる限り、私も全力で楽しみ続けたいと思います。


りょーご、ゆーせい、
今シーズンもいろんなリスクがあって大変なシーズンでしたが、大きな怪我することなく最後まで戦い抜いてくれてありがとう。
本当にお疲れさまでした。

大好きなあなたたちの「挑戦」は、何者でもない私にもたくさんの元気と勇気を与えてくれました。
2021-22シーズンも、私にとって最高に幸せな8ヶ月間でした。

あなたたちがバスケットボールプレーヤーでいてくれる限り、
目の前でプレーしてくれる道を選んでくれる限り、
大勢いるファンのうちのひとりとして、これからも勝手に応援させてください。

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