介護の学び#14【痛みとは】
介護業界での20年近くの経験をもとに、学んだことについて投稿していきたいと思います。
今回のテーマは #14【痛みとは】です。
介護の仕事をしていると、人の痛みに触れる機会が多くあります。
生きている中で痛みを経験したことがないという人はいないはずです。
痛みがあるのにどうしていいかわからない…という状況は誰でも不安ですよね。
痛みを感じるのは人間なので当然のことです。
痛みは自分自身を守るために必要なサインであり、痛みがなければ自分を守ることが難しくなってしまいます。
痛みといえばケガや病気による身体の痛みをイメージする方が多いのではないでしょうか。
身体の痛みだけじゃなく、精神的な心の痛みや、外傷はないけども神経に関する痛みもあります。
痛みといっても色々な痛みがあるんです。
そのことを理解せずに介護の仕事(利用者様の支援)をしていると、痛みを訴えている利用者様の気持ちが理解できなかったり、気分的なものじゃやないかと安易に捉えてしまう可能性があります。
また、利用者様の中には痛みをうまく伝えられない方もおられたり、痛みまではいかずとも「違和感」程度しか感じられないような場合もあります。
だからこそ人には色々な痛みがあるというのを知り、痛みについて汲み取ったり、痛みに対する不安な思いを受けとめられるような姿勢が大切になります。
痛みや違和感を相談出来たときや痛みや違和感を察して気に掛けてもらったとき、人は安心するんです。
しかし、注意しなければならない大事なことがあります。
医学的な判断は専門職である医療職でなければしてはならないということです。
痛みや違和感のある場合は、医師や看護師に伝えて医学的な見解からの判断と指示を仰がなければありません。
違和感や少しの痛みを放っておくと様々なトラブルに気付けなくなるばかりか、時間の経過とともに進行してしまうこともありえます。
私たち人にとって【痛みとは】ということを考えること、知ることはとても大事なことなんです。
介護の仕事を通して学んだ【痛みとは】
いつも不安を訴えられて誰か助けてほしいと言われる認知症の診断を受けている利用者様がおられました。
特にご自身の部屋で過ごす時間や一人になる時間には、コールを頻回に押して職員に痛みを訴えられていました。
職員と話をすると落ち着かれるため、職員の間では…
「不安で誰かそばにいてほしいから痛いと言っているだけだ」という話になっていました。
そんなやり取りが続いて、数日間が経過したときのことです。
利用者様は食事の席で「誰か助けてほしい」と職員に声をかけました。
いつものことだと思い、職員は利用者様のそばにいきました。
「大丈夫ですよ、何も不安になることありません。私が○○様の隣にいますね。今日はどんなお話をしますか?」
そのように声をかけて利用者様の顔をみると、いつもとは違う少し苦しそうな表情です。
慌てて看護師を呼び対応しました。
………
数日後、利用者様は命に別状なく回復されました。
軽度の腸閉塞でした。
トイレの様子記録によると、毎日少量ではあるが便は確認されていました。
職員たちは振り返るなかで、
「そういえば最近、不安を言われる回数は増えていたかも…」
「いつものことだと思って痛みの場所を確認していなかった」
「話はじめると笑顔で落ち着かれるから、痛みの原因を探るまではしなかった…」
もしかすると数日前は本当に不安で痛みを訴えられたのかもしれませんし、実際に腹部の痛みがあったのかもしれません。
もしくはそのどちらも重なっていたのかもしれません。
どちらかは利用者様しかわからないことですが、利用者様に【痛み・違和感】があったことは確かです。
私はこの介護現場での経験により【痛みとは】ということについて学びました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)では、noteとは異なり、医療福祉業界で学んだコミュニケーションの方法や、より良い人間関係を築くための考え方について毎日投稿しています。
https://twitter.com/@sabukurocha
ご興味を持っていただけましたら、X(旧Twitter)のフォローお願いします。
おすすめ書籍のご紹介(PR)
様々な気づきを与えてくれるおすすめの書籍をご紹介します。
本は財産であり、未来の資産になります。
※当記事投稿者であるsabukurochaはAmazonアソシエイトの会員です。Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによって紹介料を受けております。商品をご購入いただく際にはご了承の上でのご購入をお願いいたします。
ブログ紹介(sabukurocha)
医療福祉業界に20年近く在籍する中で、患者様や利用者様、家族から学ばせていただいた「人生をより良いものをにするために必要なこと」についてご紹介しています。
ご興味のある方は下記リンクよりご覧ください⇩
これからもご覧いただいた方々に少しでも「良かった」と思っていただけるような投稿に努めていきます。
今後ともよろしくお願いします。
sabukurocha
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?