見出し画像

『嫌われる勇気』は幸福になるための「処方箋」

「世界も人生もシンプルである」
「人は変われる」
「誰もが幸福になれる」

人生は複雑で、人は簡単には変われないと思っていた私にとって、この本は衝撃の連続だった。優しい口調で語られる哲人の過激な意見に、始めは青年と同じように反論し、動揺した。

しかし読み進めていくにしたがって、目からウロコがぼたぼたと落ちる音が聞こえた。

世界を複雑にしているのも、変わらないと決めているのも自分自身だった!
『嫌われる勇気』は私の人生を変えてくれた「宝物」の1つだ。

アドラーは「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言した。自分を好きになれないのは、他者から嫌われ、傷つくことを恐れているから。

傷ついて「誰とも関わらず自分を変えずにいる方がラクだ」とあきらめる。でも人と関わらずに生きていくことはできないから、みんな悩んでいる。


「今、ここ」を生きる


私は子どものころ、両親に「勉強しなさい」といわれたことがない。当時は思いっきり遊べて楽しかったが、大人になってから「もっと勉強しておけばよかったな」と後悔していた。

正直、両親がもっと勉強できる環境をつくってくれていたら・・・と思ったこともあったが、『嫌われる勇気』を読んで、考えをあらためた。

「つらい過去も、不安な未来も、いまの自分には、まったく関係ない」
「何かのせいにして、変わらないと決めているのは自分自身だ」

「両親が教育熱心だったら、どうなっていただろう」と想像してみる。きっと遊びたくて、全力で抵抗しただろう。

過去の出来事を他人のせいにして逃げても、問題は解決しない。
変わりたいなら、過去を悔やんでいる暇はない。

勉強したいなら「今」やればいい。

そう思って、何の役に立つかもわからないまま、読書をはじめた。
読書をするようになって、新しい考え方をたくさん教わり、視野が広がった。苦しい時、何度も本に助けられた。勉強をはじめて本当に良かった。

「人のせいにして悩む時間がもったいない」
「やりたいことを、今すぐやるべきだ」

行動して失敗することもたくさんあるが、それも経験として蓄積される。失敗と改善を繰り返せば、自分の成長につながる。

過去は変えられないし、未来なんてどうなるかわからない。どんなにすごい専門家の予測も、50%しか当たらないらしい。コイントスと同じ確率。

つまり「未来のことは誰にもわからない」ということだ。目標を決めて、きっちり計画を練っても、思い通りにいかないのが人生。ゴールのことばかり考えず「今、ここ」を真剣に丁寧に生きることで、幸福になれる。

過去も未来も関係ない。目的もいらない。「今、ここ」を真剣に丁寧に生きることで、幸福になれる。やりたいことを、今すぐやろう。


承認欲求を捨て、比較・競争をやめる


私はこの本に出会うまで、他人の目を気にして悩むことが多かった。「嫌われたくない」とか「嫌われたのではないか」と、いつも不安だった。好かれようとして、相手に合わせるのは、けっこうしんどい。

本当はやりたくないことも、相手の期待に応えようと頑張った。でも頑張ったところで、めったに認められることはない。そして疲れる。

『嫌われる勇気』を読むまでは、まるで他人の人生を生きているようだった。「もっと早く読んでいれば、人生を楽に生きられたのに」と思わずにはいられない。

この本を読んで、ありのままの自分を受け入れられるようになった。自分に「できること」と「できないこと」を知り、自分に「できること」をやればいいと思えるようになった。

自分にできないことや、やりたくないことは「やらない」と断れるようになった。それで嫌われるなら、それでいい。自分が我慢しなければ続かない関係なんていらない。疲れるだけだ。

人あたりがよく、みんなに好かれている人もいる。すごいとは思うが、到底マネできない。私はその人のようにはなれないし、なる必要もない。

他人と比べるのではなく「理想の自分」と比べて努力するようになった。他人と比べると、みんなが敵に見える。競争をやめると、みんなが仲間に見え、ライバルは自分だけになる。昨日の自分に負けないように努力する。

「今、ここを生きる」

承認欲求を捨て、ありのままの自分を受け入れる
他人と比較・競争するのをやめて、理想の自分をめざす


課題の分離


自分の課題と他人の課題を区別して、自分の課題に集中する。この「課題の分離」は、子育てにも必要な考え方だ。

「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」
子育てを終えた今、この意味を痛感している。

子どもにさんざん「勉強しなさい」とか「これはだめ」とか口うるさく言ってきた。命令と禁止ばかり。もちろん、子どもを思ってのことだ。親は、子どもを客観的に見ることができない。まるで自分のことのように、力を入れて考えてしまう。

親が子どもの課題に介入すればするほど、子どもは失敗できず、何も学べない。そして人生の困難に立ち向かう力を失う。困難を避けるようになる。若い時の苦労は買ってでもさせるべきだった。

子ども自身に課題を解決させ、いざという時に手が届くところで見守る。これを実践できなかったことが悔やまれる。ドラえもんのように便利グッズを与えすぎて「のび太くん」みたいに育ててしまった。
のび太くん、優しくていい子なんだけどね・・・。

自分を変えられるのは自分だけ。
他人を変えようとしても変えられない。
だから、他人の課題に土足で踏み込まない。

自分の課題は、自分の信じる最善の道を選んで行動することだけ。自分の課題に集中すれば、人生はシンプルになる。他者が自分をどう評価するかは、他者の課題。自分の課題に他人を踏み込ませない。

自分の課題と他人の課題をはっきりと分けて考える。
「これは誰の課題か」と問い、自分の課題に集中しよう。


『嫌われる勇気』まとめ


  • 過去も未来も関係ない。目的もいらない。「今、ここ」を真剣に丁寧に生きることで、幸福になれる。

  • 承認欲求を捨て、ありのままの自分を受け入れる。他人と比較・競争するのをやめて、理想の自分をめざす。

  • 自分の課題と他人の課題をはっきりと分けて考える。「これは誰の課題か」と問い、自分の課題に集中しよう。

この記事が参加している募集

人生を変えた一冊

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしてさらに向上するための活動費に使わせていただきます!