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同人誌装丁オタクのささやかなる記録

どうも、絵も小説も漫画もデザインも自分でやってる同人誌だすオタクです!(自己紹介)

装丁オタクで何かと変な紙やら印刷やらやってるんですけど、10〜50の小部数低予算で出来る範囲のことしかしてないんで、誰かの役に立つかと思って記録を残しておきます。

新しい順です! 古いのは紙がないやら加工もうしてないヤツや、期間限定セットもあるのでそれはすまねえ。

凝った装丁記録

白印刷×マルベリー×本文色刷りで装飾過多

表紙:ディープマット 180㎏ マルベリー
RGBフルカラー×白印刷あり(装飾部分は白インクまま)
遊び紙:ヴィンテージゴールド 107kg ブロンド
本文:書籍用紙 90kg
刷り色:鶯
・金のところは箔風のテクスチャで色を塗ったRGB印刷
・利用素材:中世素材様(booth)
印刷所:おたクラブ様

小説本。表紙と裏表紙は自分で描きました。表1は油彩風、表4は厚塗り。背幅は1cm近くです。
貴族パロという内容なので豪奢なイメージになっていればいいなと思ってます。白インクはすこーしだけ透けてる感はあれど気にならないレベル、ディープマットの手触りは独特のつるっとしてるけど紙のざらつきはある、という紙なので割とボリューム感ありです。

10部しか刷ってませんまだ在庫あります!
148pです。これだけ装丁ページ盛って、webイベント合わせだったんで送料も込みで8000円くらい。

アストロブライト×フルカラー擬似多色刷り

表紙:アストロブライト 118kg レモンにフルカラー(原稿が擬似多色刷り風)
本文:淡クリームキンマリ72.5kg /
刷り色:ブーゲンビリア(擬似小口染めサービス利用)
印刷所:オレンジ工房様(期間限定小説セット)

オレンジさんは文庫版に遊び紙が入れられないので、p3に花輪のデザインをいれてそれらしく可愛くしました。本文の刷り色がかわいいのでかわいい花素材をのせるだけ。擬似小口染めサービスは、俺はいつもの原寸(ややマージン余裕もたす)原稿pdfを入稿するだけで印刷所がまわりに刷り色のベタを入れてくれて、小口がちょっとかわいい色になるというやつです。

表紙もp3もクリスタのブラシ素材を定規ツールで丸や直線に描いて配置してるだけ。俺が描いたのは人物。お花のとこはブラシ素材を下書きに自分でなぞってます。

アストロブライト、最近人気ですよね。ともかく蛍光色がかわいい!
イラストを描かれる方は白押さえ(白インクでの印刷を下敷きにすること)して絵の色が変わらないようにすると思うんですが、今回は紙のかわいさを存分に活かしたかったので、いにしえの多色刷りをイメージして、網点トーンや斜線素材にした各パーツを色分け(クリスタはCMYKが扱えないので擬似カラーだけどピンクはマゼンタで青はシアンです。茶色はてきとうな茶色)して、乗算で重ね、わざとズレを作ってます。
原稿はこんなの↓

擬似多色刷り原稿(ロゴはズルをして色縛り破ってる)

けっこうピンク系の色が紙の黄色の影響を受けて赤〜オレンジっぽく変化するんで、フルカラーの肌色とかは褐色肌みたいに沈んでしまうと思います。こういう線画とベタとハーフトーンで構成した原稿がおすすめかもです。

10部しか刷ってませんまだ在庫あります!(二度目)
36pと薄い本ですが小口はしっかりかわいく色でてます。
オレンジさんよく使うんで、ポイントが1500円くらいたまってたので3000円ちょいとかでした。

ここからは2018年以前のやつ!

シープスキンで透け表紙×2色印刷

表紙:シープスキンにスミとピンクの2色
本文はコミック紙だったかな、クリーム系にスミ。
印刷はサンライズオンデマンド様。毎年のように夏ごろ限定でやっている「カラフルかき氷ひんやり大作戦」という企画で(毎年ちょっと名前ちがうような…)、シープスキンにスミ+指定色の2色刷りがお得だよ! という企画です。
ほかにカラートレペの遊び紙が使えるんですが、この本では透けてるのがキャラの本性で表紙が偽装の姿、なので、わざと透けるように遊び紙は使わずにイラスト差分を描きました。

この本はまだアドビ税を払ってインデザで組んでたので本文pdfの絵も綺麗に出てます。Wordでもできなかないと思いますが解像度がちょっと心配かも……

30部36pで13000円くらい。

写真表紙×マットPP×銀箔押し

表紙:コートカード紙180kg/マットPP
本文:淡クリームキンマリ72.5kg
遊び紙:ミランダ しんく
印刷所:プリントオン様(再録・アンソロジーセット)

ともかく表紙のモデルをつとめてくれたゆきとさんがイケメンなので見てくれ。写真加工までお願いしました。俺がやったのは箔押し用のロゴデザイン(クリスタの装飾素材とフリーフォントの組み合わせ加工)と配置と文字入れだけ。

これに限らずジョーカーゲームの同人誌ではレイヤーのお友達に写真表紙をよくお願いしてたんですが、彼らも紙で写真集を出したことのある人たちなので、加工まで安心してお任せしてました。これもスタジオでは白ホリ撮影で(撮影に立ち会ってポーズの指定してますショバ代もちゃんと払ってるよ)、ゆきと氏の神加工により雪のイメージが美しくできあがりました。

ふつーの字書きさんみたいに絵描きの友達はいない(というかジャンルがかぶらない)けどレイヤーの友達はいる不思議よ。まあ自分で描いちゃうから絵描きさんに頼みづらいはあるが……

30部92pで早割使って28000円くらい。

ファンタスプラチナ×マットPP

表紙のピンクはRGB入稿
ファンタスプラチナ、手軽にかわいい!

表紙:ファンタス200kg プラチナ / マットPP
本文:淡クリームキンマリ90kg
遊び紙:色上質薄口クリーム
印刷所:オレンジ工房様

クリスタのレース素材やシルエット素材屋さんの素材を組み合わせたデザイン表紙。攻めのショタ化本なのでともかくかわいく!
と思って、参考にした色味は映画の「グランド・ブダペスト・ホテル」の舞台のホテルの色味です、スポイトして明るめに調整して使ったんじゃなかったかな? ウェス・アンダーソン監督の映画はともかく色が良いのでデザインの参考になります。

30部36pで11000円。安心のオレンジさん価格です。

フランス製本×トレペ帯

シルエットだけどレイヤーさんの写真
フランス製本の裏にふたりの絡み写真も

なんと印刷所が三ヶ月たつと注文履歴を消してしまう仕様により詳細を覚えてない!
マットPP、遊び紙は2枚(折り返しのなかに潜らせる分)入って色上質、帯は別の印刷所で作ってフルカラー印刷。
本体印刷:プリントキング様
帯印刷:プリントオン様

ともかく新書でフランス製本! と意気込んだ記憶。
撮影まえに渡したラフ画ではもっとキャラの上半身とかが見えてる予定だったんですが、モデルのゆきと氏のシルエットと撮影&もう一人のキャラのモデル(リバ本なので受け攻めありません)の黒兎氏の写真があまりにも良かったので採用。これはほとんど加工しなかったんじゃないかな、どうだっけ? 加工はともかくレイヤーさん任せなので詳細書けなくてすまねえ。

写真を殺さないように字と帯を配置しました。
帯はどういう絵柄かというと、写真を配置した表紙画像を切り取って色を補色? というか目立つ色に変えた原稿です。
カラーの参考は俺の好きなUK RockバンドMUSEのmadnessという曲のMV。どこにも面影ないけども。

40部44pで19640円という記録があって、帯だけで7100円したんですが、これが帯込みの値段かは記憶していません……。頒布価格決めるのに使った記録だから帯込みかなあ、うーんどうじゃろフランス製本お金かかるしなあ。気になる方はプリントキング様で見積もりしてみてください。

星物語×銀インク

表紙:新・星物語 パウダー/刷り色 銀
遊び紙:スタードリーム ブロンズ
印刷所:プリントウォーク様

本文用紙覚えてない〜、たぶんパレットセットでクリーム色なのでコミック紙クリームかな?
珍しくオフセット印刷です。

表紙はシルエット素材と、クリスタの植物/自然系ブラシで書いたシルエットを白抜きして「レイヤーにふちをつける」という機能で黒いふちをつけることで線画を抜き出して森を表現しています。白黒の割にわりと大量のレイヤーを使う。

50部44pで20000円くらい、ウォークさんにしてはかなり安いのでたぶん早割使ったかな?

五感紙×ノーマルインクでキラキラ感

表紙: 五感紙純白キラ / 刷り色たぶん青(セルリアンかも…)
本文:コミック紙ブルー
遊び紙:クラシコトレーシング星くずし
印刷所:プリントウォーク様

星がテーマの話だったんで星しばり、ロゴはプラネタリウムというフォントのベタ打ちです。
星図のフリー素材がなくて、結局どうしたかというと参考資料を見ながら一個ずつ点を打っていく(なんとこの星はてきとうに散布ブラシで散らしたんじゃねえんだ、実際の星図から主だった星だけ目視でぽちぽち打ったんだ)という手間の割にはあんまり読者には伝わらない苦労があったんですけど、まあ同人誌なんてなんでも自己満足や。

低予算でキラキラした本を作りたいときは、一番手っ取り早いのはキラキラした紙をつかうことです。のせる色によるんですが、この本は単色でもメタルブルーかのように見えます(実際はメタルの入ってないインクです)。
五感紙はとくにのせた絵がキラキラしやすいかも。
キラキラのPPやインクや箔はまたそれなりのお値段ですからね。上手につかおう、キラキラ特殊紙。

50部20pで16000円ちょい。オフセットにしては破格なので、たぶん早割してる。

夜空のイラスト×キラキラPP

このホロのかがやきよ
裏面ももちろんキラキラ
赤はキャラテーマカラー

表紙:アートポスト220kg / ホログラム加工ネオンライト(今はない! スターダストが近い)
本文:スーパーコミック紙81.5kg(今はコミック紙に統合)
遊び紙:色上質薄口 赤
印刷所:オレンジ工房様

ともかくこのホロが使いたくて、夜空をバックにした絵にしました。絵は塗り終わったのをボツにするレベルでだいぶ時間がかかってます(できあがりはただのバストアップなんですが…)(ボツにした絵は全身描いたりしてた)

ロゴは明朝系のフリーフォントをラスタライズして大きさと位置調整。模様も適当にフォントから作ったりブラシ使ったりしてます。2015年なんで、今ならもっといいブラシ素材とかあるかも。

40部32pで15000円ちょっと。ホロでこれはお得。

以上です!

下記、失敗しちゃったおまけがあります。

失敗しちゃった:画面のピンクは危険

少年の白い肌を描いたつもりが…

表紙:新シェルリン130kg ヘアーライン

……なんですが、肌、あっか!

明らかにピンクの使いすぎです。白い肌の人はピンク系の影をつけるとそれっぽいんですがやりすぎです。画面では薄く見えるので気づかなかった、なんたる失態!

こういうのあれですね、いったんコンビニとかの商業プリンター(おうちのプリンターは特色入ってたりするので)で出力して確認しなきゃですね……。

せっかくロゴや模様は凝ったのに(食器のウェッジウッドのフロレンティーンモチーフを参考に手描きで描いてます)残念無念です。紙もウェッジウッドのランチョンマットイメージだったんだよ……

色確認、怠ったらダメゼッタイ。

今度こそ以上です!