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ベトナム人の小津安二郎映画に対する感想

冬休み、帰国しないで暇そうにしているベトナム人を誘って、大学の図書館で一緒に小津安二郎監督の「秋日和」を見た。
きっかけは、彼が日本の文化に興味があるということで、私が好きな監督の映画を一緒に見ることになったのだ。
jullias suzzyさんのこの記事を読んでから、ずっと小津安二郎映画が見たかった。

図書館の閉館時間が途中できてしまったので、最後までみることはできなかったが、彼の評価は低かった。
感想を尋ねると、プロットがないと言っていた。イントロダクション、ひねり、クライマックスのようなものが見られず、はじめからおわりまでずっとだれかがだれかに結婚をすすめている。私はそこが小津安二郎監督の味だと思うが、彼のお気には召さなかったようだ。
さらに、彼には、映画の女性たちが始終笑顔で気持ち悪いという。単に返事をするときや、笑う必要がないときに、みんな常に笑顔でいて、不自然だという。私はこの意見にびっくりした。確かに小津安二郎映画の女性たちは皆、ほほえんでいて淑やかである。でも私はそんな原節子がみたいのだ。これはすでに失われた古き良き日本だと思っていた。しかし笑顔でいなくても良い現代日本の方が、女性にとっては良い時代かもしれない。

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