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映画感想文「ブレインウォッシュセックス・カメラ・パワー」気迫に満ちた女性監督の語りに気付きあり

こういう映画を上映する、ヒューマントラストシネマが好きだ。

ニナ・メンケス監督。武闘派な感じのアメリカの女性監督。全く知らなかった。が、映画館でみて、面白そうと軽い気持ちで視聴。

そしたら、とんでもない作品であった。

物語ではなく彼女が映画における男性のまなざしを語るドキュメンタリー。

ヒッチコックやスコセッシ、タランティーノなどの有名監督作品が事例として次々と登場する。そしてなんの忖度もなく、いかに映画などのメディアが「男性のまなざし」に満ちているかをこれでもかとそれらの作品で突きつける。

気付かなかったことを示唆してもらい、はっとした。

カメラが舐めるように女性の身体を撮っていくこと。意味もなく裸体や薄着の無防備な格好の女性を登場させること。

常に誰かに見られて評価される。

それを「女性の客体化」だという。

言われてみればそうだ。確かにと思う。それでもそれを当たり前のこととしていままで受け止めてきたように思う。

男性にはしないことだ。

無意識に自分も他者も貶めていたのかもしれない。

フェミニズムは主義主張が強過ぎて、どうも苦手だ。それでもこの映画の言わんとすることはとても理解できるし、気付きがあった。

割と興味深くて説教くさくもなくあっという間の107分。監督ご本人が登場。なんというか気迫に満ちており圧がある。メッセージが更に強く響く。

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