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映画感想文「正義の行方」
日本の殺人の検挙率は90%。
日本の警察は素晴らしい。それでも、高すぎる数字は不安もある。もしかしたらその陰に誤操作もある可能性がある。
そんなことを考えるドキュメンタリー映画である。
1992年に福岡県でおきた「飯塚事件」について追いかけたNHKのドキュメンタリー番組を映画にしたものである。
子供の殺人事件である。重い。つらい。
正解はわからない。
映画感想文「Ryuichi Sakamoto opus」圧巻の迫力の演奏。遺言をしかと受け止めた
これは遺言である。
2023年3月に亡くなった坂本龍一氏。彼が亡くなる半年前に力を振り絞って行ったソロコンサートの映像を映画にしたものだ。
新曲も含め、何曲もの彼のピアノ演奏が続く。
今更ながら演奏を聴いて、惜しい人を亡くしたのだと悟る。
映画の構成については、
トークも全くなく。ひたすら彼の演奏が続くというストイックな仕立てである。
しかも時々咳き込んだり、休んだりという体調の悪さかこ
映画感想文「恋するプリテンダー」思いがけず良作。何も考えずリラックスして楽しめる
こういう映画に飢えていた。
と気付いた、ロマンティックコメディ。気楽に映画を楽しみたい人に全力おすすめ。
確かにあらすじ読める。ドキドキもない。しかし予定調和に乗っかり安心してみていられる、安心安全な作品。平日仕事で疲れて帰宅して気分転換に映画でも観るか、って時に向いてる作品。こういうジャンルって手堅いよね、と思う。
なにしろ、男女とも、主人公がほどほどのイケメン、ほどほどの美女なのが良い(
映画感想文「ジョン・レノン失われた週末」ジョンと暮らした日々。温かく切ないドキュメンタリー
そこにあったはずが、いつの間にか消えてしまう。
泣き叫んでも縋っても戻らない。真実だったはずなのに、なぜ?
そんな熱情の終焉をほとんどの人が経験しているはずだ。
ジョン・レノンの愛人だった女性メイ・パンが語る失われた週末、彼との1年半の愛の物語。
どうせ売名行為だろうとか、愛人だっただけなのにそこに愛があったと主張するなんてみっともないとか。
観る前はそんな風に思ってた。
だけど、映像
映画感想文「パターソン」普通の毎日の幸せに気付く映画
不思議な映画だ。
平凡な男の普通の日常が綴られてる。
本作は「PERFECT DAYS」のヴィム・ベンダース監督と同じテイスト。ジム・ジャームッシュ監督。最初同じ監督の作品だと混同していたくらいだ。
米国ニュージャージー州のパターソン市に住むバス運転手、市と同じ名前のパターソン(アダム・ドライバー)。
大好きな妻と愛犬と小さな家で暮らす。趣味は詩を作ること。ノートに毎日言葉を紡ぐ。
朝起
映画感想文「ミセス・クルナスvs.ジョージ・W・ブッシュ」米軍収容所に5年監禁の息子を取り戻す母の物語
笑いの配分は難しい。
それをしみじみ思った作品。
実際にあった、大変憤りを感じる事件を扱っている。恐らく、そのシリアスさを笑いで包み込み、それによって広く多くの人が視聴することを狙ったと思われる。が、そのせいで本来訴えたきことのインパクトが弱くなっている。
ドイツのブレーメンに住むトルコ移民のクルナス家。3人兄弟の長男ムラートは旅行先のパキスタンでタリバンの嫌疑をかけられ米軍に捕まってしまう
映画感想文「青春18×2 君へと続く道」ロードムービーとしても素晴らしい王道ラブストーリー
こんな思い出、自分にはあるかな。
胸に手を当てて、思わず思い起こすような作品だ。
18歳の時に出会った4つ年上の初恋の人。台湾人の彼が36歳になったいま、彼女の祖国である日本を訪ねるロードムービー。
高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)、22歳のバックパッカーのアミ(清原果耶)。主演の二人のフレッシュで的確な演技に引き込まれる。
実際には33歳のシュー・グァンハンが18歳に見える演技を
映画感想文「マイ・スイート・ハート」韓国映画の得意技、お笑いドタバタ人情劇。なかなか楽しめた
お笑いドタバタ劇。だけどちょっとしんみり。
それが韓国映画の得意とするスタイル。本作も正にそのカテゴリー。肩の力を抜き、リラックスしてみる、中年男女のラブストーリー。
お菓子メーカーの研究員チャ・チホ(ユ・ヘジン)は仕事は優秀だが、生真面目で冴えない中年男性。会社と家の往復で恋人もいない。
そんな彼がある出来事でシングルマザーのイ・イルヨン(キム・ヒソン)と出会う。苦労してきた彼女には他の人
映画感想文「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」これが事実なんて恐ろしい、学びの映画
宗教には恐ろしさしか感じない。
学生時代、歴史の授業で学んだのは宗教にまつわる戦争。なぜ幸せになるための信心で争いが起きるのか子供心に理解できなかった。
そもそも絶対的なものなんて世の中にないと思う。
よって、日本人にあるある、無宗教である。
そんな身からしたら全く理解できない、この事件。ローマカトリックの教皇の命で6歳の幼子が誘拐される、1858年に実際にイタリアのボローニャで起きた事件
映画感想文「水深ゼロメートルから」女子高生にしか書けない今の葛藤を余すことなく表現
女子高生にしか書けない。
そんな作品だ。
徳島市立高校の演劇部の演目。文部科学大臣賞最優秀賞を受賞した作品の映画化。
粗さが目につく。でも、そんなことはさておきたくなる位に、良い。
登場人物は女子高生4人と女教師。たった5人しか出てこない。
8月のある日の学校。2年生のココロ(濱尾咲綺)、ミク(仲吉玲亜)は女教師の山本(さとうほなみ)から、体育の補習としてプール掃除を命じられる。
真夏