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UPWARD INSIGHTリリース

UPWARD CTOの門畑です。春めいてきて気持ちが良い季節になってきました。この度、昨年末のプレビューリリースから数社のお客様にご利用いただくなかでダッシュボードの改善と機能拡張をし、リリースの運びとなりました。本日は改めてUPWARD INSIGHTのコンセプトと拡張した活動計画策定支援機能についてご紹介いたします。


コンセプト

昨年末に以下のブログでINSIGHTのコンセプトを紹介いたしました。

UPWARD INSIGHTは売上実績等のCRM情報、活動実績に加えて、エンドユーザの地理情報や属性情報に基づいたAI/機械学習による分析を通してポテンシャル顧客を見出します。営業担当の活動を可視化し、次のアクションとしてどの顧客にどのような顧客接点チャネルを用いてアプローチをすべきかを提示します。

馴染みのある「行きやすい先」に行くのではなく「行くべき先」へ、戦略的な訪問活動の実現に向けて、蓄積したデータから次にすべきアクションを提示し、より付加価値の高い創造的な業務を実施していただくことをコンセプトとして開発しました(図1)。

図1. UPWARD INSIGHTコンセプト

UPWARD INSIGHTは以下の機能を持ちます:

  • 個々の営業担当ごとの活動状況・次のアクション提示

  • 目標設定の自動推奨

  • 活動すべき顧客リスト提示

  • 経路を加味した最適訪問計画策定

まず、実際に活動する個々の営業担当に特化したダッシュボードであることが特徴となります。日々の活動状況を可視化し、次に何をすれば良いかをデータに基づいて提案します。ダッシュボードは最も重要な情報にフォーカスし、表示する情報を最小限に抑えました 。具体的には、日々報告(データ登録)ができているか、営業リソースの適正化が計れているか、目標としている売上金額と現状のGAPはどの程度か、について次のアクション提示と根拠となる現状を可視化します。また、過去の活動から訪問件数、顧客接点数等の目標値も自動推奨する機能も保有します。

これらの営業活動の結果とCRM・顧客属性から、AI/機械学習に基づいて活動すべき顧客をリスト表示します(図2)。

図2. UPWARD INSIGHTダッシュボード

さらに、今回のリリースにおいては推奨顧客リストに基づいて訪問を中心とした活動計画を最適かつ容易に策定できる機能を開発しました。

経路を加味した最適活動計画策定

どの顧客に訪問すべきかを蓄積したデータに基づいて優先度をつけるのは活動計画をたてる上で有益ですが、一方で訪問営業するにあたっては行き先のロケーションの考慮が必要です。

ターゲットの顧客を選定した後に効率よく、できる限り多く訪問するためには、まず顧客毎の地点間の経路探索・時間を確認し、1日あるいは数日の活動計画案を作る。その後、アポイントメントを取り、日程を調整する。これらを複数のターゲット顧客毎に毎日実施するのは非常に稼働がかかることです。また、1日の稼働できる時間帯に最適な活動計画を作成するのは手作業では非常に困難です。

多地点の最適経路探索問題は、一般的に巡回セールスマン問題と言われ、NP(Non-deterministic Polinomial time:非決定的多項式時間)困難、つまり解くのが非常に難しい問題の一つとして知られています。さらに訪問営業のユースケースの場合、以下の考慮が必要です:

  1. 地点間の距離・移動手段・時間

  2. 一度の訪問時間

  3. 顧客優先度

  4. 自宅から出発してオフィスに戻るケースやオフィスから自宅へ直帰するケース等に対応するための、スタート地点と最終到着地点のロケーションの考慮

  5. 特定の曜日・時間に固定のお客様へ訪問するケースを考慮するために、スケジューラと連携しあらかじめ組み込まれたアポイントや予定の考慮

上記の様々なパラメータを考慮したうえで移動距離最短かつできる限り顧客優先度の高い顧客を訪問できるようなアルゴリズムを実装しました。Salesforce上のスケジューラと連携、また蓄積したデータに基づいた優先顧客と顧客の地点間の距離・移動時間を加味した1週間の最適な予定案を自動的に作成することができるようになります(図3)。

図3. 活動計画機能

まとめと今後

UPWARD INSIGHTは蓄積したデータから次にすべきアクションを提示し、より付加価値の高い創造的な業務を実施していただくことをコンセプトとした営業担当にフォーカスしたプロダクトです。日々の営業担当の活動の可視化、顧客推奨の提示にとどまらず、週次/日次での最適な活動計画策定を支援します。UPWARD INSIGHTを利用することで、より効率的な営業活動に専念することができ、活動計画案に基づいた提案内容に稼働を割くことができるでしょう。

今後は、活動予定と実績の差異を学習したうえでの顧客の推奨や、地図への訪問地点のプロット等開発を進めていき、活動量とともにさらなる質の向上・改善ができるような機能開発を推進していきます。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。
つながり申請もお待ちしております。

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