やまとやじろべえ

もう一人の自分、後悔と諦めの先、置き忘れた未来、居心地の悪い現世、ひかり輝くもう一つの…

やまとやじろべえ

もう一人の自分、後悔と諦めの先、置き忘れた未来、居心地の悪い現世、ひかり輝くもう一つの過去、薄笑いを浮かべ歩く。

マガジン

  • 愛をする人

    30数年振りの再会。少年だった心にいつまでも残る後悔。似たような境遇で暮らしてきた2人が引き合うも、捨て去る事ができないもどかしさ。それが更に2人を包み込む。

  • 気になる。参考にします。すみません。

    小説もどきの妄想話のヒントにさせて下さい。生い先短い爺へのボランティアとして。

  • 短編 ショート 読み切り スピンオフ

    連載にならない。思い付き。やりっ放し。 物置小屋。捨てるに捨てられない思い。

  • 雑感 1

    雑感。後悔、妄想、思いつき、やり直し。 徒然なるまま、 とっ散らかった部屋。 ドヤ顔少し

  • 役満ロマン

    援デリ、シャブ中、ソープ 尊敬できる人。 書いてる言葉が入りやすい。 そういう人、滅多にいない。

最近の記事

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雑感 7 承認欲求

承認欲求  承認欲求。  あったんだ、、、、、、、、、、こんな俺にも。 思いつくままに書いた、雑感。 幾つかの未完成の物の中から、ふと湧いてきた言葉を綴ったら,結末まで出来た、小説(らしきもの)。 呟き程度の記事。 ハートマーク、1個。嬉しい。 ハートマーク、2個。超嬉しい。 ハートマーク、10個を超えてる。……どうもすみません。  蓼食う虫も好き好き。の言葉を思い出す。  (皆さんを虫に例えて申し訳ありません。ごめんなさい。) お刺身のつまの横にある、殆ど食されない

    • 愛をする人 (9)

       別れ 引き寄せられる心  亜希子との初デートからはラインの交換も2,3日おき程度になった。  双方に気まずさが残ったせいなのか、これ以上の進展は望まないと言う表れなのか俺自身も分からない。ましてや亜希子の思いなど俺には分からない。  2週間位経った頃、夕方のネットスーパー配達の途中、携帯電話が着信を知らせた。  車を路肩に停め通知画面を見ると、登録していない携帯番号の表示。  俺は、勤務している配送会社の誰かか、提携先のスーパーの担当からの電話かと思い、それに出た。

      • 愛をする人 (8)

         告白 思いの丈  無心庵でそばを食べた俺と亜希子は、近くにある滝の名所へ向かった。  滝を見たがる人の事を亜希子はこう評していた。  「滝って、マイナスイオンが出てて傍に居る人の心を落ち着かせるんだって、、、、悩んでるとか心がザワザワしてる時には冷静になれるから、良いんだって。  それにさ、、、、流れてきたもの、全部落としてるじゃん、、、、嫌な事、捨ててる様に見えるじゃん、、、自分に出来ない事、してくれてるじゃん、滝って。」  穏やかな顔で、亜希子は滝を見ながらそう言った

        • 愛をする人 (7)

           初めてのデート  ライン交換した俺はその夜、逸る気持ちと相手は家庭のある身で誤解を与えてはいけないと言う自制とで、なかなか文字を打つことが出来なかった。  ようやく送ることが出来たのが、  ” 今日はありがとうございます。    また機会があれば、よろしくお願いします ”  家族がポップアップ通知を覗いても、出来るだけ不信感を抱かない様に、営業マンの様な文面で送った。  ポンっ、という通知音が数秒後に聞こえた。俺の携帯の待ち受け画面に通知が表示された。亜希子からだった。直

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        雑感 7 承認欲求

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        • 愛をする人
          9本
        • 気になる。参考にします。すみません。
          11本
        • 短編 ショート 読み切り スピンオフ
          37本
        • 雑感 1
          55本
        • 役満ロマン
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        • 君の耳には、僕はなれない
          15本

        記事

          愛をする人 (6)

           再開の後、手繰り寄せられた糸  同窓会の後、亜希子とは連絡を取り合ったりはしていない。  自宅の電話番号は覚えている。連絡しようと思えばいつでもできる。  それよりも、亜希子が俺を責めていない、怒っていない、嫌っていなんかいないと思える笑顔を向けてくれたのが嬉しくて仕方ない。  と同時にみんなの手前、嫌いな素振りは見せないでその場を取り繕い、本当は恨んでいるんじゃないかと思ってしまう事がある。  もしそうならば、連絡しない方が良いのかもと、電話する事を躊躇してしまう。  

          愛をする人 (5)

           亜希子との再会  奥さんを、今住んでいる町の市民病院へ入院させた。  奥さんの両親も同じ病気で亡くなっている。  「遺伝だね、、、しょうがないね、、、後、頼んだわよ。」  奥さんは落ち着いた声で、俺を牽制した。  【実家にある家屋敷、田畑、山林、人に貸している土地、、、娘の名義にしておけ、、、、それしか無いってか。】  娘に連絡した。  「ママを入院させた。爺さんと婆さんと同じ病気だ。いつ迄かは、、、、分からない。」  『そう、、、って事は私もなるよね、、、、それがいつか

          愛をする人 (4)

           18の春  高校生活も、残すは卒業式のみとなる頃になっていた。クラスの同級生らは6割方就職し、3割が専門学校、1割が大学へ進学するらしい。  俺は遠く離れた専門学校へ進む事にしていた。大学に行きたかったのだが、実家の経済事情と当人の学力面から熟慮の上、専門学校とした。  新たなる希望への旅立ちなのだが、気掛かりが一つだけ残る。それは亜希子の事。  何してやれていない。励ましてもいない。喜んでもらってもいない。  何が一番、悔いが残るかと言えば、、、、あの夏の夜の夢。  本

          愛をする人 (3)

           真夏の一夜が、あっという間に明けた30数年前。  世界で一番暑い夏の朝、今から面接へ向かう亜希子に伴い俺は、大通りのバス停へと歩いた。  まだ朝靄が漂っていそうな時間でも、すでに汗ばむ程気温は上がっている。  その中を競輪場へと向かう大勢の男たちの流れに逆らう様に歩く二人。  シャッターの閉まった商店前には、今日のレースの勝敗予想を記入したメモ紙を売るおじさんや、競輪新聞へ赤鉛筆で丸を記入し、確率の話をしながら小冊子を売っているおじさん達がいる。それを横目で見ながら、俺た

          愛をする人 (2)

           中学2年の頃、、、  「良いよね。ギター、、、弾ける人、カッコイイよね。」  本屋で偶然に会った亜希子からの一言で、俺は音楽教室へ通う事にした。週に一回、木曜日の6時30分からの30分。  ショッピングモールの一角にその教室はあり、ギターを持っていない人には貸してくれる。  何回か通った後、その音楽教室を主宰している楽器屋から購入すると、年一回の発表会へ参加できる特典が付いてくる。  得なのか、無用の長物なのかは、その人次第ではある。今更ゆえに言える事。  初日、夕方6時

          短編小説 沙羅 (夏椿)

          短編小説 沙羅 (夏椿) 沙羅、シャラノキの花言葉は「愛らしさ」。 花は朝咲いてその日のうちに落ちる、平家物語では「はかなさの象徴」で登場。 関東地方のとある都市の住宅街にポツンと一軒、ソープランドがある。 8畳程度の部屋にバスタブとシャワー、マット、ベッドとテーブルがある。  3階建ての鉄筋コンクリートのビル。2階の6部屋が接客室で、3階は昔、嬢達の寮だったそうだ。 「たっくん、いらっしゃい。」 「おう、これ土産だ。」 「何?、、、あ、笹かまだ。食べる?」 「いや、俺

          短編小説 沙羅 (夏椿)

          愛をする人 (1)

           愛をする人  目の前にいる亜希子がどうしようもなく愛おしくなっている。  再び会えるまでの想像中の亜希子、この腕の中にいる現実の亜希子、、、どちらも俺にとっては大切な存在。  【最後に愛する人、、、亜希子。】  すっかり冬模様となって街中が賑やかになってきた頃の、いつものホテルの一室。  亜希子と30数年ぶりに再開し、その間ずっと抱き続けていた思いを打ち明け、今の関係になって1年半が経つ。  連れだって繁華街を歩く事も無く、洒落たレストランや落ち着いた飲み屋で語る事も

          雑感 135 旅立ちの日

          雑感 135 旅立ちの日 泣かない自信なんか無い  3月31日 日曜日の夕方。  交通量の多い国道から1本入った路地に真新しいアパート。マンションかもしれない4階建て20室以上ある堅牢そうな建物。  入口はもちろんオートロック(だと思う。)が、通りに面している。  その入口の横に1台のセダンが止まっている。  車の横には、年配の夫婦と若いお嬢さんが立ち話。親子なのでしょう。  娘の一人暮らしがこれから始まる。  父「がんばれよ。辛くなったら帰って来なさい。」  母「皆さ

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          雑感 134 嫌いな言葉 反論拒否ワード

          雑感 134 嫌いな言葉 反論拒否ワード 個人的に嫌いな言葉があります。 それを使われると、話が終わる。異論を認めない、反論させない、質問も許されないと感じてしまう言葉、反論拒否ワードってやつが。 ・男性社会 ・家父長制制度 ・男尊女卑 ・〇〇ハラスメント ・差別 ・そっと寄り添う 他にもあるが、今思いつかない。 前述のそれは、一度口にすると話が進まなくなるみたいな。 進むとすると、「そうそう、自分もそう思う。」とかの誰とは言えない人達の共感となるみたいな。 例えば、そ

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          【短編小説】 四月の墓参り

           春、4月半ば。  健一は、水を張った圃場にトラクターに乗り、耕運作業を始めていた。  このトラクターのキャビンは、アクリルで運転席が覆われておりエアコンも作動している為、暑くも寒くもない。  ただ健一はその中でもサングラスと大きな黒いマスクをしている。  水面から反射する太陽光から目を守るサングラスは欠かせない。  花粉症対策と顔の傷を隠す癖から、マスクは日常的に掛けている。  花粉症と言ってもスギ花粉ではない。4月に入り浮遊するのは雑草の花粉だ。  健一に症状が現れるのは

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          【短編小説】 こだま

           「あ、、あの~、、、、いくら?」  「……2枚。」  「そ、それで、、、、」  日本一の歓楽街。その北側のある通りには、若い子から熟年、肌の白黒、瞳の濃淡、話す言葉の多様性などありとあらゆる女性が佇んでいる。  何人かで談笑する人、誰かと電話している人、ひたすらスマホの画面を見る人。  その女性たちの傍を、片足を引き摺りながら歩く壮年の男が一人。  その男が声を掛けた女と共に歩き出す。  「す、すいません、、、朝まで一緒だと、あといくら、、、」  「……もう3枚でいいよ

          【短編小説】 こだま

          雑感 131 ○○を見るとバカになる。

          雑感 131 ○○を見るとバカになる。  我が家にテレビがやってきたのは、小学校一年生の時。  それ以来テレビと共に生きてきました。  良く母親から、『テレビばっかり見てると、バカになりますよ。』と言われていました。  確かに、バカになっています。間違いなく、私はバカです。  母親は、本当の事を言う事で私を躾けようとしてくれていました。  母親は大東和戦争真っ只中、小学校の教師でした。  父親は陸軍の軍人でした。  呆れる位に平気な顔をして、舌の根の乾かぬ内に、手のひら

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