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『葬送のフリーレン』を観終えて感じた人生の孤独と人との出会いが変えるもの

こんにちは。すうちです。

連休に入り、今年は遠出した方も多いかもしれませんが、私は前半に少し旅行した以外は比較的のんびり過ごしています。

noteでたまに映画やアニメの感想も投稿してますが、今回は『葬送のフリーレン』シーズン1を観たピンポイントな感想です。

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はじめに

あらすじ

勇者ヒンメルたちと共に、10 年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから 50 年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50 年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

Amazon Prime Video「葬送のフリーレン」シーズン1あらすじ から引用

視聴前は勇者が魔王との戦いに勝利した後の世界と知って「設定が斬新」という興味と同時に「平和な世界で何が描かれるのか?」という疑問もありました。

しかし、実際に観始めた所、思ってたイメージとは全然違うものでした。

ちなみに、原作は読めておらず、以降アニメを観た範囲の感想です。そして一部ネタバレも含みます。


『葬送のフリーレン』 ひきつけられる要素

ココロや関係性の変化

最初フリーレンは、「感情を表に出さない」「他者への関心が薄い」印象でした。ただ、これは1000年以上生きるエルフと短命な人間の寿命の違いから深い関係を築いてもすぐ失われてしまう…ある種のフリーレンなりに長く生きて身に付けた処世術だったと後々知りました。

魔王討伐の仲間だった勇者ヒンメルの死をきっかけに「人を知ること」や「他者との関わり」に変化が見られ、魔王討伐後に仲間と旅することがなかったフリーレンがフェルンシュタルクと行動を共にするに至ったと思います。

他に序盤のフェルンとの関係性の変化は興味深かったです。昔の仲間ハイターが育てた孤児フェルンは当初子供でフリーレンにとって師弟関係でしたが、年月を重ねるごとにフェルンがフリーレンの世話をやく母親的な存在に変わっていく過程は面白かったです。


毎回胸熱くなるエピソード

舞台は、RPGによく見られるファンタジー世界ではありますが、現実世界にも通ずる人の想いに触れたり、過去の仲間の想いに気づくエピソードが多いです。

全話何かしらそういう場面がありますが、中でも個人的に一番響いたのは、エピソード#12 本物の勇者の回です。

ある町の言い伝えにある勇者の剣が抜けなかったヒンメルは「偽物の勇者でもかまわない、魔王を倒せば偽物でも本物でも関係ない」という言葉を残します。この時の本人の心情を思うとかなりショックだったはずです。しかし、それをはねのけ実際言葉とおり魔王を倒し本物の勇者になった姿を思うと胸が熱くなりました。

架空の世界であれば、完璧なヒーローとして描いても良いはずですが、「肩書」や「実績」に関係なく、その人の想いが不可能を可能にした展開に感動を覚えたのかもしれません。


ほどよいバトルと日常感のギャップ

魔王がほろんだ後の世界ですが、フリーレン達と残党の魔族や魔物とのバトルも見所です。特にエピソード#7~#10は見入ってしまいました。

元々素質があったフェルンやシュタルクが(フリーレン抜きでも…)魔族と互角に戦って勝利する過程も見ごたえありました。が、さらにフリーレンとアウラ戦は、魔族が魔力を誇示する(見せる)のに対して、フリーレンは逆張りの魔力を抑止する能力であざむき、アウラをはるかに凌駕する魔力をフリーレンが開放するシーンは、タイトルにある多くの魔族を葬ってきた「葬送のフリーレン」たる所以ゆえんとそのスゴさを知って家族皆でうなってしまいました…笑

またフリーレン達の旅の日常風景もアクセントになっています。シュタルクの師匠アイゼン誕生日にもてなしたハンバーグの話世紀の天才料理人の話もくるものがありました。

バトル以外の日常が入る絶妙なバランスも作品を引き立てている気がします。


個々の登場人物の際立ち

他のアニメや漫画もそうですが、フリーレンも個々に推したくなる人間味あふれる登場人物たちが多いです。ナルシストな勇者ヒンメル、酒好きな僧侶ハイターやザインしかり。。。

なかでも双方異性に免疫がない!?子供なシュタルク意外と毒舌なフェルンのやりとりは毎回笑ってしまいます。。。

二人の喧嘩を仲裁するザインが思わず酒場で「もう付き合っちゃえよ!!」と発した言葉は、全視聴者の意見を代弁したものではないでしょうか…笑

皆それぞれスゴイ能力の持ち主なのに、一部イケてない面も持ち合わせている所が(ギャップであり味であり…)好感を抱いてしまいます。

他にも一級魔法使い選抜試験からは、多くの登場人物が加わりましたが、例えば、作品中では比較的ダーク寄りな(と思われた)ヴィアベルユーベルも起死回生の見せ場があったり、実は優しい面があったり…様々な視点から魅力を持った人物が集まっていると思います。


最後に

物語自体はシリアスより温かみの要素が多い印象を受けますが、1000年以上も生きて多くの人と出会いと別れを繰り返してきたフリーレンのことを想うと、どうしても孤独と向き合ってきた一面を想像してしまいます。

ただ、これはフリーレンに限らず(寿命は違えど…)人も同じではないかと思います。

私はフリーレンを観ていて、今まで忘れていた誰かの優しさや想いに気付けたり、家族や友人、出会った人との経験がきっかけで人生が変わったことを思い出す機会がありました。

「孤独」と言われる人生も、一瞬でもそういうことがあったと気づけると一つの支えになるかもしれません。

今回『葬送のフリーレン』の多彩な魅力を全て伝えきれてませんが、もし気になれば、ぜひ原作やアニメをご覧になってください。

Prime Videoなど各動画配信サービスで視聴できます。

ちなみに、アニメは一旦終了して次回作は未定ですが、最終話のフリーレンの言葉「また会った時に恥ずかしいからね…」は、次があることを示唆する視聴者へのメッセージと勝手に受け取りました。なので、シーズン2も期待して待ちたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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