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住んでみたい家 #3 TETRODON

妄想の中でも住んでみたい家や住宅を紹介するコーナー、今回は1960年代にフランスのAUA(Atelier d'Urbanisme et d'Architecture)によって作られていたプレハブ工法の住宅、TETRODONです。情報はほとんどなく日本語の記事は検索しても出てこないようなマニアックな物件です。

TETRODONは60年代から70年代の人口増加対応のために多数登場したフレハブ住宅の一つです。特徴は輸送時は側面のパネルが内側に収納されコンテナ規格のサイズ収まることです。トラックで運ぶことができ組み立てる際は内側に収納されていた側面パネルを引き出すことで居住空間を広げる仕組みになっています。TETRODON(テトロドン)とはフグの意味。フグの膨らむ様子を組み立てで居住空間が広がる様子になぞらえたのが名称の由来とも言われています。

側面パネルはそれぞれに内部にキッチンやトイレ、寝室といった機能を持った拡張ユニットのような方式になっています。異なる機能を持った側面パネルを選択する事で用途に合わせたオリジナルの住居を作ることができるのが大きな特徴です。基本構造に拡張ユニットを接続してカスタマイズするアイデアは60〜70年代に世界各地で見られました。当時の人口増加による需要増と多様なニーズに対応する住宅設計のトレンドだったのかもしれません。日本でも積水化学工業のセキスイハイムM1が似たようなコンセプトでした。

移動が容易であったりモジュール化されたユニットを組み合わせたりして建築の位置や形状を固定しないという思想は日本のメタボリズムにも似たものがあります。側面パネルはテーパーや段差がついており内部の機能によっても外殻の形状が違ってい何となく有機的な要素を感じます。

窓の角にアールがついていたり円形だったりと宇宙船風のデザイン。この時代特有のレトロフューチャーなデザインは個人的に大好きです。直線、垂直水平でミニマルな要素のモダニズム建築も良いですが宇宙時代の想像の未来を具現化しようとした挑戦的なデザインは尖っています。ネット上では情報が少なすぎて現存しているものを購入可能なのか、そもそも使い得る状態で存在してるかも定かではありませんがいつかは住んでみたい住宅です。

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