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【通勤電車の詩】名も知らない信用の果てに

ぼくの前の席が空いた。
遠慮なく座らせてもらう。
ぼくの前に少し小柄な大学生くらいの女性が立った。
大きな荷物を肘からぶら下げるように抱えている。
するとその荷物がぼくの膝の上に載ってきた。
女性は気付いていない。
せっかく座れたのにすごく不快だ。

きっと小柄な女性だから荷物を持て余しているんだろう。
ぼくは少し我慢してみることにした。
時間にして3分ほどだろうか。
女性はハッとした表情で荷物をどかせてくれた。

名前も知らない人だけど、信じてよかった。


▼「通勤電車の詩」はこんなふうに生まれました▼


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